侵入技術入門

シンニュウギジュツニュウモン

bash で学ぶ攻撃者の技法

侵入技術入門の表紙
その他
著者:
Dolev Farhi / Nick Aleks / 新井 悠 / 中島 佑允 / 高橋 福助(ドレブ ファーヒー / ニック アレックス / アライ ユウ / ナカジマ ユウスケ / タカハシ フクスケ)
価格:
¥4,400
出版社:
オライリー・ジャパン
出版日:
2026年02月25日頃
ISBN:
9784814401512
在庫:
1
判型:
単行本
中級者向け
プログラミングBashLinuxセキュリティペネトレーションテストサイバーセキュリティハンズオン攻撃手法防御策AI セキュリティ実践ガイド

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書籍紹介

攻撃者の手法をハンズオンで学べるサイバーセキュリティの実践ガイド!
サイバーセキュリティの実践ガイド。対象読者は初級のセキュリティ技術者。本書では、Linux 標準の bash をあえて攻撃者の視点で使いこなし、具体的なサイバー攻撃の手法とその防御策を学びます。読者はハンズオン演習を通じて、システムが侵入される過程を疑似体験することで、セキュリティ対策の重要性を深く理解できます。日本語版オリジナルの巻末付録では、今注目の「AI エージェントを活用したペネトレーションテスト」「AI システムを対象としたセキュリティ評価手法」についても解説しています。

技書の森解説

侵入されたシステムの中で使われる道具は、必ずしも高価な専用ツールではありません。『侵入技術入門』 (Dolev Farhi、Nick Aleks 著、新井 悠 監訳、中島 佑允、高橋 福助 訳、オライリー・ジャパン、2026 年 2 月 25 日発行) は、原書 Black Hat Bash の日本語版で、Linux 標準の bash をあえて攻撃者の視点で使いこなし、具体的なサイバー攻撃の手法とその防御策を学ぶサイバーセキュリティの実践ガイドです。版元は対象読者を初級のセキュリティ技術者と案内しており、ハンズオン演習を通じてシステムが侵入される過程を擬似体験することで、セキュリティ対策の重要性を理解する設計になっています。副題は「bash で学ぶ攻撃者の技法」です。

全 12 章の構成、bash の基礎から対策機構の回避まで

本文は全 12 章で、監訳者まえがきとまえがきが冒頭に置かれています。1 章「bash の基礎」と 2 章「フロー制御とテキスト処理」で bash の文法と処理の組み立てを固め、2 章にはセキュリティ診断担当者向けの bash カスタマイズを扱う節があります。3 章「検証環境のセットアップ」を挟んだあとは、4 章「偵察」、5 章「脆弱性スキャンとファジング」、6 章「Web シェルの取得」、7 章「リバースシェル」、8 章「ローカルの情報収集」、9 章「権限昇格」、10 章「永続化」、11 章「ネットワークの調査と横移動」、12 章「セキュリティ対策機構の回避とデータ窃取」と、侵入の段階を順に追う並びです。章題を眺めると分かるとおり、扱われるのは特定の製品の設定手順ではなく、脆弱性 を見つけてから内部で足場を広げるまでの一連の工程です。巻末には索引と練習問題が付き、練習問題は目次で 29 問まで通し番号が続きます。

検証環境を自分で組んでから手を動かす前提

3 章は検証環境の注意事項から始まり、Kali のインストール、Docker と Docker Compose のインストール、本書のリポジトリの確認、Docker コンテナの展開、コンテナのテストと検証という順で、演習の土台を読者自身が用意します。ネットワークアーキテクチャは公開ネットワークと架空の会社の社内ネットワークという 2 つの区画に分かれ、検証環境の管理としてシャットダウン、削除、再構築の手順まで用意されています。追加の攻撃ツールとして WhatWeb、RustScan、Nuclei、dirsearch、Linux Exploit Suggester 2、Gitjacker、pwncat、LinEnum、unix-privesc-check の導入を扱う節もあります。この章立てが本書の性格を決めています。演習は隔離された環境の中で完結させるものであり、許可を得ていないシステムに同じ操作を向ければ法に触れます。読む前に、自分の管理下にある環境と、業務上で許可された範囲を確定させておく必要があります。

付録 2 本が扱う AI エージェントとレッドチーミング

日本語版オリジナルの巻末付録は 2 本あります。付録 A「AI エージェントを活用したセキュリティ診断」は、AI エージェントとは何かという整理から環境構築へ進み、実践として OS コマンドインジェクションによる初期侵入と、Model Context Protocol (MCP) による AI エージェントの能力拡張を扱います。この付録には「なぜセキュリティ診断の基礎を学ぶ必要があるのか」という節が置かれており、道具が自動化されても手順の意味を理解しておく必要があるという本書の立場が読み取れます。付録 B「実践演習による AI レッドチーミング入門」は、LLM アプリケーションのリスクを起点に、AI-Red-Teaming-Playground-Labs と Python Risk Identification Tool for generative AI (PyRIT) を使ったプロンプトインジェクションの演習を扱います。攻撃と防御の対象が言語モデルを組み込んだ仕組みにも広がっていることを、演習の形で確かめられる構成です。

初級のセキュリティ技術者に向く理由と、向かない目的

版元が案内する対象読者は初級のセキュリティ技術者です。1 章と 2 章でシェルの文法から積み上げるため、スクリプトを書き慣れていない段階でも入れますが、Linux 上のコマンド操作と、コンテナで組んだ環境を自分で管理する手間は前提になります。逆に向かないのは、守る側の製品運用や監視設計そのものを学びたい場合です。12 章はセキュリティ対策機構としてエンドポイントセキュリティ、アプリケーションと API セキュリティ、ネットワークセキュリティ、ハニーポット、ログの収集と集約を取り上げますが、置かれている視点は回避する側です。防御の設計論を主題にした本を別に選ぶほうが目的に近づきます。

診断や検証を仕事にしたい人、あるいは自社のシステムがどのような順序で侵入されるのかを手を動かして確かめたい人にとって、侵入の各段階を bash という一つの道具で通して追える本書は、投じた時間の回収が早い一冊です。演習環境と許可の範囲を先に整えたうえで、1 章から順に進めてみてください。

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