再発見の発想法の表紙

再発見の発想法(サイハッケンノハッソウホウ)

著者:
結城 浩(ユウキ ヒロシ)
出版社:
SBクリエイティブ
出版日:
2021年02月22日頃
ISBN:
9784797395310
在庫:
在庫あり
★★★⯨☆3.9(10 件)
初級者向け
アルゴリズム

なぜ注目されているか

総合
846
9 ランクダウン1 件の言及
言及数
998

書籍紹介

技術者は日常的に技術用語を使って考え、問題を解決しています。技術用語の中には、技術者が長年培ってきたアイディアやグッドプラクティス、それに問題解決のエッセンスが凝縮されています。
たとえば、技術用語としての「バッファ」は、データを生産するプロセスと、データを使用するプロセスの間に置かれた緩衝領域を意味します。この技術用語の発想を日常生活に適用するなら、私たちが使っている「財布」はバッファとしての役割を持っていることがわかります。さらに、いったん蓄積させることで価値を生み出すプリペイドカードにもバッファの発想が生きていることがわかります。

また、技術用語としての「ボトルネック」は、システム全体のパフォーマンスを決定するポイントを意味します。システム全体のパフォーマンスを上げるためには、やみくもに改善するのではなく最初にボトルネックを見つける必要があります。会社の承認プロセスで、特定の人物が意志決定のボトルネックになることはよくあります。いくら他のメンバーががんばっても、ボトルネックになっている人物の承認速度を上げなければ、全体のパフォーマンスは上がりません。

本書で取り上げる技術用語はプログラミング全般、アルゴリズム、セキュリティ、マルチスレッドなど多岐にわたります。このような技術用語の意味を知り、それを用いた技術者の発想を日常生活に適用させることで、業務の改善や学業の効率化、創造力の育成などに生かすことができるでしょう。

技術者の発想に関心をもっている学生から社会人、発想力や創造力を高めたいと思っているビジネスマン、組織をうまく動かしたいと思っているリーダーなど、現代を生きるすべての読者にとって最適の読み物です。

なお、本書は、『 Software Design 』 (技術評論社) の連載を加筆修正して書籍化したものです。

●はじめに

●第 1 章 あふれる量と戦う
・ランダムサンプリング

・指数関数的爆発

・ブルートフォース

・バックトラック

・データ圧縮

●第 2 章 速く、速く、もっと速く!
・ボトルネック

・投機的実行

・レスポンスタイム

・バッファ

●第 3 章 再利用のために
・ライブラリ

・エクスポート/インポート

・テンプレート

●第 4 章 リソースを活用する
・トレードオフ

・ガベージコレクション

・富豪的プログラミング

●第 5 章 セキュリティを守る
・公開鍵暗号

・二要素認証

・難読化

・中間者攻撃

・ DoS 攻撃

●第 6 章 正しく判断する
A/B テスト

・ベンチマーク

・評価関数

●第 7 章 連携プレーをスムーズに
・デッドロック

・ブートストラップ

・アイドル

●第 8 章 品質を上げる
・ドッグフーディング

・オーバーエンジニアリング

・バリデータ

●第 9 章 エラーに対処する
・フェールセーフ

・チェックサム

・ S/N 比

・ DRY

●第 10 章 機械学習と人工知能
・レコメンデーション

・過学習

・チューリングテスト

技書の森解説

『数学ガール』シリーズで知られる結城浩氏が、コンピュータサイエンスの用語を手がかりに「ものごとの考え方」を語るエッセイ集です。キャッシュリファクタリング、バックアップ、抽象化、フィードバックといった IT の概念を、日常の仕事や学習の場面に重ね合わせることで、プログラマの思考法がプログラミング以外の領域でもどう役立つかを浮かび上がらせます。

技術解説書ではなく読み物であるため、コードは登場しません。各項目が数ページの短いエッセイで完結する構成で、隙間時間に一つずつ読み進められます。新しい知識を仕入れるというよりも、自分がすでに使っている概念を別の角度から眺め直すことで、「知っていたはずの用語」が思考ツールとして再定義される感覚を得られます。

対象読者は幅広く、 IT に馴染みのない人でも読めるように書かれています。ただし、プログラミング経験がある人のほうが「あの概念をこう捉えるのか」という発見が多くなるため、エンジニアがリフレッシュや視点転換のために手に取る一冊として機能します。結城氏の文体が好みに合うかどうかは好みが分かれますが、平易で温かみのある語り口は一貫しています。

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