Java 言語で学ぶデザインパターン入門第 3 版

ジャバゲンゴデマナブデザインパターンニュウモン ダイサンパン

Java 言語で学ぶデザインパターン入門第 3 版の表紙
プログラミング
著者:
結城 浩(ユウキ ヒロシ)
出版社:
SB クリエイティブ
出版日:
2021年11月16日頃
ISBN:
9784815609801
在庫:
在庫あり
5(3 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
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言及数
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書籍紹介

■『Java 言語で学ぶデザインパターン入門 第 3 版』について

本書は、オブジェクト指向プログラミングにおいて古典的な 23 個のデザインパターンを、Java 言語で書かれた短いサンプルプログラムと UML を使い、オブジェクト指向プログラミングの初心者にもわかりやすく解説した技術書です。
2001 年に初版が刊行されて以来、「最もわかりやすいデザインパターン解説書」「オブジェクト指向プログラミングとデザインパターンを学ぶ定番の一冊」と数多くの読者、技術者から支持されてきました。2004 年には増補改訂版が刊行され、2020 年には第 31 刷まで達するという人気のロングセラーとなっています。

しかし、Java 言語は大きく進化しています。そこで第 3 版となる本書では、書籍の基本的構造と解説のわかりやすさはそのままに、扱っているサンプルプログラムを現代の Java 言語に合わせて一新し、オブジェクト指向プログラミングとデザインパターンを身につけたいと思う技術者が、なおいっそう学びやすいように改訂を行いました。

結城浩 1963 年生まれ。

プログラミング言語、デザインパターン、暗号、数学などの分野で入門書を執筆。

代表作に、『数学ガール』 シリーズ、『暗号技術入門』などかある。

J.S.バッハの「フーガの技法」が大好きな、プロテスタントのクリスチャン。

2014 年度日本数学会出版賞受賞。

技書の森解説

『Java 言語で学ぶデザインパターン入門 第 3 版』 (結城浩 著、SB クリエイティブ、2021 年 11 月刊) は、「GoF」の『デザインパターン』で紹介された古典的な 23 個の デザインパターン を、Java 言語で書かれた短いサンプルプログラムと UML を使って、オブジェクト指向プログラミングの初心者にもわかるように解説した技術書です。版元の案内によれば、初版は 2001 年に刊行され、2004 年に増補改訂版、2020 年には第 31 刷に達したロングセラーで、第 3 版はその基本的構造と解説のわかりやすさはそのままに、サンプルプログラムを現代の Java 言語に合わせて一新した改訂版です。判型は B5 変型判で、初版の出版者はソフトバンクパブリッシングでした (国立国会図書館の書誌注記 / 2026 年 9 月時点)。著者の結城浩は 1963 年生まれで、版元の著者紹介 (2026 年 9 月時点) によれば本を書く生活がおよそ 30 年、著書はおよそ 60 冊、代表作に『数学ガール』『プログラマの数学』『暗号技術入門』などがあり、2014 年度日本数学会出版賞を受賞しています。

全 10 部 23 章の構成、役割別に並ぶパターン

構成は「はじめに」「UML について」「デザインパターンを学ぶ前に」の導入に続いて全 10 部 23 章が並び、1 章に 1 パターンを割り当て、付録 A「練習問題の解答」、付録 B「GoF によるデザインパターンの分類」、付録 C「デザインパターン Q&A」、付録 D「参考文献」で締めます。部の区切りはパターンの役割で、第 1 部「デザインパターンに慣れる」の Iterator と Adapter、第 2 部「サブクラスにまかせる」の Template Method と Factory Method、第 3 部「インスタンスを作る」の Singleton、Prototype、Builder、Abstract Factory、第 4 部「分けて考える」の Bridge と Strategy、第 5 部「同一視」の Composite と Decorator、第 6 部「構造を渡り歩く」の Visitor と Chain of Responsibility、第 7 部「シンプルにする」の Facade と Mediator、第 8 部「状態を管理する」の Observer、Memento、State、第 9 部「無駄をなくす」の Flyweight と Proxy、第 10 部「クラスで表現する」の Command と Interpreter という並びです。各章の題には「処理を繰り返す」「一皮かぶせて再利用」「アルゴリズムをごっそり切り替える」のように、パターンの狙いを一言で表す副題が付いています。

第 3 版の改訂点、ラムダ式や enum 型を使う現代の Java へ

版元が挙げる第 3 版改訂のポイントは 3 つです。サンプルプログラムを現代の Java 言語でリニューアルすること (ジェネリック型、ラムダ式、拡張 for、enum 型、アノテーション、新たなクラスライブラリの使用など)、わかりやすさはそのままに取り扱う例や解説を現代の観点から修正すること (依存性の注入、セキュリティに関する記述の追加など)、そして古典的なデザインパターン 23 個はそのまま扱い、対応するサンプルプログラムもシンプルに保つことです。デザインパターンは、オブジェクト指向設計で繰り返し現れる問題への解決策に名前を付けたもので、その多くは「実装を抽象に置き換えて差し替え可能にする」という一つの考え方の変奏です。たとえば ストラテジーパターン のようにアルゴリズムを丸ごと切り替える構造は、ラムダ式を備えた Java では簡潔に書ける場面があり、Iterator の考え方は拡張 for に溶け込んでいます。パターンの意図と言語機能の対応を現代の文法で読み直せることが、旧版で学んだ読者にとっても第 3 版を手に取る理由になります。版元のサポートページではサンプルプログラムのダウンロードが提供されています (2021 年 11 月掲載 / 2026 年 9 月時点で公開中)。

オブジェクト指向の初心者でも読める前提と、向かない読み方

版元はオブジェクト指向プログラミングの初心者にもわかりやすく解説した本だと位置づけており、UML の読み方を導入章で扱うため、クラス図に慣れていなくても入れます。サンプルが Java で書かれているので、クラスやインタフェース、継承といった Java の基本文法を読める程度の知識があると、コードを追う速度が上がります。パターン学習の難所は 23 個の名前を覚えることではなく、目の前のコードにどの問題が潜んでいるかを見分けることにあり、本書が部の単位で「サブクラスにまかせる」「状態を管理する」のように役割ごとにパターンを束ねているのは、この見分け方を身につけるための配置です。GUI やイベント駆動の処理で頻出する オブザーバーパターン も、第 8 部で Memento、State と並べて状態管理の文脈で学べます。

一方で、Java 以外の言語のサンプルで学びたい人や、GoF の 23 個の枠を超えた並行処理やアーキテクチャのパターンを求める人には、版元が古典的な 23 個をそのまま扱う方針を明示している本書は目的が合いません。設計の本を段階的に読み進めたい場合は 設計 / アーキテクチャ本ガイド で位置づけを確認してから選ぶと、次に読む本までつながります。

Java でクラス設計を任され始めた開発者、他言語が主戦場でもオブジェクト指向設計の共通語彙を手に入れたい人、旧版を読んだことがあり現代の Java で書き直されたサンプルで復習したい人にとって、本書は「この構造は Strategy で書ける」「ここは Factory Method にすべきだった」と名前で設計を語れるようになる投資です。動くサンプルと UML を突き合わせながら 23 個を一つずつ体に入れたい人には、この改訂版が手堅い一冊です。

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