人工知能 チューリング / ブルックス / ヒントン

ジンコウチノウ チューリングブルックスヒントン

人工知能 チューリング / ブルックス / ヒントンの表紙
AI / 機械学習
著者:
開 一夫 / 中島 秀之(ヒラキ カズオ / ナカシマ ヒデユキ)
出版社:
岩波書店
出版日:
2020年04月16日頃
ISBN:
9784000077965
シリーズ:
〈名著精選〉 心の謎から心の科学へ
在庫:
在庫あり
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上級者向け
深層学習ソフトウェアアーキテクチャ人工知能計算理論ロボティクス人工生命パターン認識知能理論AI 研究座談会

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書籍紹介

知能の本質は記号処理にあるとする物理記号仮説派の代表としてチューリングを取り上げ、パターン認識あるいはアンチ記号派として、ロボット用の新しいアーキテクチャーを提案したブルックス、人工生命という研究分野を立ち上げたラングトン、深層学習のヒントンの三人を取り上げる。現代日本の関連分野研究者による座談会も併録。
イントロダクション ……………中島秀之

計算機械と知能 ……………アラン・M・チューリング / 水原 文 訳

ゾウはチェスをしない ……………ロドニー・A・ブルックス / 水原 文 訳

人工生命 ……………クリストファー・G・ラングトン / 橋本康弘・小島大樹 訳

特徴量はどこから来るのか? ……………ジェフリー・ヒントン / 梶原侑馬 訳

[座談会] 人工知能研究は何をめざすか ……………池上高志・石黒 浩・梅田 聡・佐藤理史・中島秀之・開 一夫

参考文献
索 引

技書の森解説

『人工知能 チューリング / ブルックス / ヒントン』 (開 一夫、中島 秀之 監修、岩波書店、2020 年 4 月 16 日発売) は、叢書〈名著精選〉「心の謎から心の科学へ」の一冊で、チューリング、ブルックス、ラングトン、ヒントンの 4 人のテキストを翻訳で収め、日本の研究者による座談会を併録しています。知能とは何かをめぐって研究者が取ってきた立場の違いを、原典の言葉でたどりたい人に向いた本です。

チューリングからヒントンまで、収録 4 編と座談会の並び

目次は、中島秀之によるイントロダクションから始まります。続いてアラン・M・チューリング「計算機械と知能」とロドニー・A・ブルックス「ゾウはチェスをしない」 (いずれも水原 文 訳)、クリストファー・G・ラングトン「人工生命」 (橋本康弘 / 小島大樹 訳)、ジェフリー・ヒントン「特徴量はどこから来るのか?」 (梶原侑馬 訳) の 4 編が並びます。最後に座談会「人工知能研究は何をめざすか」が置かれ、池上高志、石黒 浩、梅田 聡、佐藤理史、中島秀之、開 一夫の 6 名が参加しています。巻末には参考文献と索引が付きます。

記号処理の代表チューリングと、アンチ記号派の 3 人

版元の紹介文によれば、本書は記号処理の立場 (物理記号仮説派) の代表としてチューリングを、パターン認識あるいはアンチ記号派としてブルックス、ラングトン、ヒントンの 3 人を取り上げています。3 人のうちブルックスはロボット用の新しいアーキテクチャーを提案した研究者、ラングトンは人工生命という研究分野を立ち上げた人物、ヒントンは深層学習の研究者として紹介されています。この並びは、人工知能の研究が一本の道ではなかったことを示しています。記号と規則で推論を組み立てる立場は、知識を人が書き下せる領域では強い一方、知覚や運動のように規則として書きにくい能力の扱いに苦しみました。ロボットを実環境で動かす研究は、知能を頭の中の記号操作だけでなく、環境との相互作用の中に見ようとします。人工生命は、生命らしいふるまいを計算機の上で合成して調べる方向です。そして ニューラルネットワーク の研究は、人が特徴を設計する代わりに、データから表現そのものを学習させる道を開きました。深層学習 として広く使われる技術が、こうした論争のどの位置から出てきたのかを確かめるうえで、立場の異なる原典を 1 冊で並べて読める構成には意味があります。

監修者の専門と座談会が補う視点

刊行時の版元の紹介では、開 一夫は東京大学大学院総合文化研究科の教授で専門は発達認知科学、中島秀之は札幌市立大学の理事長 / 学長で専門は人工知能とされています。叢書の名が示すとおり、本書は人工知能を工学の道具としてだけでなく、心の科学の問題として扱う枠組みに置かれています。版元が現代日本の関連分野研究者による座談会と紹介する部分は、題のとおり人工知能研究が何をめざすのかを扱い、原典の翻訳だけでは見えにくい研究の目標をめぐる議論を補う位置づけです。

原典を読みたい人に向き、実装を学ぶ目的には向かない理由

本書は論文と論考の翻訳を中心とした本なので、ライブラリの使い方や学習モデルの作り方を身につけたい人には遠回りになります。実装の入門を探しているなら、ディープラーニング本の選び方 で目的に合う本を先に選ぶほうが近道です。逆に、機械学習を仕事で使うようになり、自分が使っている手法の思想的な出自を知りたい人や、機械は考えられるのかというチューリング以来の問いを、要約でなく当事者の文章で確かめたい人には、4 人の原典と座談会を一度に手元に置ける本書が確かな足場になります。

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