はじめての機械学習 中学数学でわかる AI のエッセンス

ハジメテノキカイガクシュウ チュウガクスウガクデワカル AI ノエッセンス

はじめての機械学習 中学数学でわかる AI のエッセンスの表紙
ネットワーク
著者:
田口 善弘(タグチ ヨシヒロ)
出版社:
講談社
出版日:
2021年07月15日頃
ISBN:
9784065239605
シリーズ:
ブルーバックス
在庫:
在庫あり
4(7 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
機械学習数学データサイエンス統計k 近傍法主成分分析線形回帰決定木ベイジアン入門書

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書籍紹介

飛躍的な進歩を遂げている機械学習を、難解な数式・プログラミングなしで解説する画期的入門書!
中学数学の知識だけで AI のエッセンスがわかる。

近年、著しい進歩を続ける機械学習。センター入試の英語の試験では機械学習を使うことで、200 満点中 185 点をとることに成功し、将棋や囲碁ではもはや人間が太刀打ちできないレベルの能力を獲得。画像処理にいたっては、フェイク画像はもちろんのこと、オリジナルのキャラクターを造形できるところまで到達している。今後のビジネスや研究を続けていくうえでもはや無視できない存在になりつつある「機械学習」だが、言葉ばかりが先走りして、その本質を理解している人はごくわずかだ。「機械学習」とはいかなるものか、なぜ、近年飛躍的な進歩を遂げることができたのか。機械学習の専門家であり、科学出版賞を受賞した書き手として知られる田口善弘氏が、難解な数式やプログラミングをいっさい使うことなく、機械学習の本質を丁寧に解説する。

本書が取り扱う機械学習の手法
・k 近傍法

・主成分分析

・多次元尺度構成法

・線形回帰

・線形判別

・ロジスティック回帰

・マルコフ過程

・決定木

・ベイジアンネットワーク

・カーネルトリック

・ニューラルネットワーク

・深層学習 (ディープラーニング)

・CNN

・モンテカルロツリーサーチ

・GAN

・BERT

・量子暗号

・量子アニーリング

技書の森解説

機械学習の入門書を開いて、行列や微分の記号が並んだ時点で閉じてしまった経験がある人に向けた新書です。『はじめての機械学習 中学数学でわかる AI のエッセンス』 (田口善弘 著、講談社ブルーバックス、2021 年 7 月刊) は、版元の紹介文が「難解な数式・プログラミングなし」と掲げるとおり、k 近傍法や線形回帰から深層学習、さらに量子計算機まで、機械学習の代表的な手法の考え方を中学数学の知識だけで説明する一冊です。著者は中央大学理工学部教授 (刊行時) で、『砂時計の七不思議』 (中公新書) で講談社科学出版賞を受賞した書き手であり、機械学習などを応用したバイオインフォマティクスの研究を専門としています。

全 8 章の構成、「埋め込む」から「量子計算機」まで

構成は全 8 章で、章題が手法の名前ではなく操作の動詞で付けられている点が本書の骨格です。第 1 章「埋め込む」は k 近傍法 / 主成分分析 / 多次元尺度構成法を、データを空間に置いて距離を測る発想として束ね、第 2 章「足し上げる」は線形回帰と線形判別、交差検定と過学習、自己回帰モデルを扱います。第 3 章「かけ合わせる」はロジスティック回帰とマルコフ過程、第 4 章「枝分かれする」は決定木とベイジアンネットワーク、第 5 章「次元をあげる」はカーネルトリックへと進みます。第 6 章「正しいって何?」は予測の正しさをどう測るかを当たりの割合や AUC で考える評価の章で、第 7 章「深層学習」はパーセプトロンからニューラルネットワーク、CNN / BERT / モンテカルロツリーサーチ / GAN までを扱い、深層学習はなぜ高性能なのかを問います。第 8 章「量子計算機」は量子暗号と量子アニーリングに触れ、終節「データ駆動型知性の時代へ」で締めます。

中学数学で機械学習の本質に届く理由

機械学習の学習が難しいのは、手法そのものより、線形代数 / 微積分 / 確率統計という三つの数学を同時に要求されるからです。しかし多くの手法の核心は、点と点の距離を測る、重みを付けて足し合わせる、確率を掛け合わせる、条件で分岐する、といった操作に還元でき、その直観は中学数学の範囲で十分に描けます。本書の章題がそのまま操作の名前になっているのは、この還元を構成の原理にしているからで、たとえば線形回帰を「足し算が命」と捉えたうえで k 近傍法と対比する流れは、手法ごとに別々の公式を暗記する学び方とは対照的です。評価に独立した章を割いている点も見逃せません。モデルの精度をどう測るかは実務で最初につまずく論点ですが、多くの入門書では末尾の付録扱いになりがちで、本書は「予測がどれだけ正確か」という問いを手法と同じ重さで扱っています。深層学習 についても、パーセプトロンを重ねるという一本の線で説明したうえで、CNN や BERT、GAN といった応用の位置づけを示す流れなので、話題になりやすい名前を断片的に知っている人ほど、頭の中の地図が整理されます。

数式なし / コードなしという前提で得られるものと、向かない人

必要な前提は中学数学の知識で、プログラミング経験は要りません。その代わり、本書は Python で手を動かす演習書ではなく、数式による厳密な導出もしません。自分でモデルを実装したい人や、損失関数の微分から勾配降下法を導きたい人にとっては、本書だけでは物足りず、実装書や数学寄りの入門書を別に用意する必要があります。数学の準備を段階的に進めたい場合は、機械学習に必要な数学の本の選び方 も合わせて参照すると、本書の次に何を読むべきかが見えます。また 2021 年刊のため、第 7 章以降で扱う応用の顔ぶれはその時点のものであり、大規模言語モデルの以後の展開は範囲外です。量子計算機 の章も、量子アニーリングが機械学習と呼べるのかという問いを立てる導入的な位置づけで、量子計算の教科書として読む本ではありません。

元が取れるのは、業務で機械学習の話が飛び交うようになったのに、用語の意味を操作のイメージとして持てていない企画職や営業職、あるいは統計やデータ分析の学習を数学の壁で止めてしまった学生や社会人です。新書一冊分の時間で、k 近傍法から深層学習までを「距離を測る」「足し上げる」「かけ合わせる」という共通の道具で見渡せるようになるので、この後に実装書や大学数学ベースの教科書へ進んだとき、抽象的な記述がすでに具体的なイメージを伴って読めるようになります。機械学習を言葉だけでなく仕組みとして理解したい人にとって、最初の一冊として選ぶ価値のある新書です。

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