Python で学ぶ音声認識 機械学習実践シリーズ

Python で学ぶ音声認識 機械学習実践シリーズの表紙
その他
著者:
高島遼一(タカシマリョウイチ)
価格:
¥3,850
出版社:
インプレス
出版日:
2021年05月20日頃
ISBN:
9784295011385
在庫:
1
判型:
単行本
中級者向け
プログラミングPython機械学習深層学習アルゴリズム音声認識AIデータサイエンスニューラルネットワーク実装

なぜ注目されているか

総合136位 言及 1 件

書籍紹介

「音声認識」とは音声信号から発話内容を認識することで、AI スピーカなどに利用されている技術です。本書は、音声認識技術の発展経緯を学びながら、深層学習を用いた最新の音声認識システムを実装できるまでを目的とし、手法の目的やアルゴリズムの概要を解説、続いて数式レベルでの詳説、最後にソースコード付きで実装という流れで解説しています。特に手法の概要については「その手法は何を目的として生み出されたのか」という経緯と「なぜその手法は前述の目的を達成できるのか」について直感的に理解できるよう工夫しています。

技書の森解説

『Python で学ぶ音声認識』 (高島 遼一 著、インプレス、2021 年 5 月刊) は、音声信号から発話の内容を認識する音声認識の技術を、Python で実装しながら学ぶ書籍です。インプレスの機械学習実践シリーズの一冊で、英語の書名は Speech Recognition with Python と登録されています。版元の紹介では、音声認識技術の発展の経緯を学びながら、深層学習を用いた音声認識システムを実装できるようになることを目的にしていると説明されています。AI スピーカなどに使われている認識の仕組みを、ライブラリの呼び出しで終わらせずに中身から理解したい人に向けた一冊です。

目的と概要、数式、実装の順で手法を積み上げる進め方

本書の特徴は、一つの手法を三段階で解説する流れにあります。版元の紹介によれば、まず手法の目的とアルゴリズムの概要を説明し、次に数式のレベルで詳しく掘り下げ、最後にソースコード付きで実装します。とくに概要の段階では、その手法が何を目的として生み出されたのかという経緯と、なぜその手法が目的を達成できるのかを、直感的に理解できるよう工夫したとされています。式を追う前に狙いを押さえ、式を追ったあとにコードで確かめるという順序なので、数式だけの教科書では手が止まり、コードだけの解説では理由が分からないまま進んでしまうという、両方のつまずきを避ける構成です。

全 7 章の構成、DP マッチングから End-to-End モデルまで

本書は全 7 章で構成されています。第 1 章「音声認識とは?」と第 2 章「音声認識の基礎知識」で分野の全体像と前提を固め、第 3 章「音声処理の基礎と特徴量抽出」で音声の信号を認識に使える特徴量へ変換する方法を扱います。そのうえで第 4 章「音声認識の初歩─DP マッチング─」、第 5 章「GMM-HMM による音声認識」、第 6 章「DNN-HMM による音声認識」、第 7 章「End-to-End モデルによる連続音声認識」と手法を一つずつ進めます。DP マッチングから混合ガウス分布と隠れマルコフモデルの組み合わせ、音響モデルをニューラルネットワークに置き換えた方式、一つのモデルで直接学習する方式へという章の並びは、次の節で述べる音声認識の世代交代の流れとそのまま重なります。本書で参照するソースコードと正誤表は著者の GitHub で公開されているので、手元で動かしながら読み進められます。

統計モデルから深層学習へ、経緯を知ることの意味

音声認識は、技術の世代交代がはっきりした分野です。長く主流だったのは、音の特徴量を混合ガウス分布で表し、時間の流れを隠れマルコフモデルで扱う統計的な方式で、そこから音響モデルの部分をニューラルネットワークに置き換える方式を経て、音声から文字列までを一つの 深層学習 のモデルで直接学習する End-to-End 方式へと発展してきました。新しい方式は古い方式が抱えていた課題を解くために生まれているため、後の世代だけを学ぶと、なぜその構造になっているのかが見えにくくなります。本書が発展の経緯をたどりながら実装まで進める形を取っているのは、この分野の学び方として理にかなっています。

Python と数式に慣れた人向け、前提になる知識

数式レベルの詳説を含むことから、確率と統計の基礎、行列の計算、微分の考え方には一通り触れておく必要があります。数式に苦手意識がある場合は、機械学習に必要な数学の本 で必要な範囲を先に補っておくと、詳説の段階で止まらずに読めます。Python の文法やニューラルネットワークの基本的な学習の流れも知っている前提で読むほうが、実装の段階に集中できます。ディープラーニングそのものをこれから学ぶ人は、ディープラーニング本の選び方 で原理を学ぶ本を一冊選んでから取りかかると、本書で扱う深層学習の手法がつながって見えてきます。

音声を扱うアプリケーションや音声対話の機能を作る仕事に就いた人、研究室で音声認識を始める学生、既存の認識サービスの精度や挙動の理由を自分で説明できるようになりたいエンジニアにとって、手法の狙い、数式、コードを一続きで追える本書は、断片的な情報を集めて回るより確実に土台を作れる一冊です。同じシリーズには『Python で学ぶ音声合成』もあり、認識と合成の両面から音声処理を押さえたい場合は組み合わせて読む選択肢もあります。

言及した記事 (1 件)

この本に興味がある方におすすめ

関連する本

関連記事

関連用語

共有: