Spring 入門改訂新版

スプリング ニュウモン

Java フレームワーク・より良い設計とアーキテクチ

Spring 入門改訂新版の表紙
その他
著者:
長谷川裕一 / 大野渉(ハセガワ, ユウイチ / オオノ, ワタル)
出版社:
技術評論社
出版日:
2016年06月14日頃
ISBN:
9784774182179
在庫:
在庫あり
5(1 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
Javaインターネット・WEB デザインSpringWeb アプリケーションクラウドネイティブマイクロサービスREST APIDI コンテナバッキングエンド開発エンタープライズアーキテクチャ

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書籍紹介

Web アプリケーションの基礎から Cloud Native の入り口へ!

技書の森解説

『[改訂新版]Spring 入門 Java フレームワーク・より良い設計とアーキテクチャ』は、長谷川裕一 / 大野渉 / 土岐孝平の 3 氏が 2016 年 6 月に技術評論社から刊行した、Java の定番フレームワーク Spring Framework の体系的な入門書です。同じ著者陣 / 同じ副題による『Spring3 入門』 (2012 年) の後継にあたる改訂版で、Spring Framework 4 系を前提に、基礎の基礎から応用的 / 実践的な開発までを 432 ページで扱います。書名は入門でも、実体はエンタープライズ開発の設計指針まで踏み込む中量級の教科書です。

DI と AOP を軸にした層設計の章構成

Spring の中核をなすのは DI (依存性の注入) と AOP (アスペクト指向プログラミング) という 2 つの考え方です。DI はオブジェクト同士の結びつきをコードの外から注入することで、部品の差し替えやテストを容易にする仕組みであり、AOP はトランザクション管理やログのような横断的関心事をビジネスロジックから分離する仕組みです。どちらも「変更に強い設計とは何か」という問いへの Java コミュニティの回答であり、この原理を理解しているかどうかで、フレームワークを使う開発の質が変わります。本書が副題に「より良い設計とアーキテクチャ」を掲げるのはこの部分で、第 2 章の Spring の Core で DI / AOP を押さえた後、データアクセス層 / ビジネスロジック層 / プレゼンテーション層という層ごとに「設計と実装」を章立てして解説する構成を取っています。個々の API の紹介ではなく、層の責務分割という観点から Spring を学べるのがこの本の骨格です。

後半の読みどころ 認証から Cloud Native まで

後半では認証 / 認可、Hibernate / JPA / MyBatis との ORM 連携、Spring Cache によるキャッシュ抽象、バッチ処理の設計と実装を扱い、最終章の第 10 章「Cloud Native の入り口」で Spring Boot とクラウド環境へのデプロイに触れます。刊行当時の版元の紹介文が謳う通り、Web アプリケーションの基礎から Cloud Native の入り口までを一冊でカバーする射程です。

2016 年刊と Spring Boot 世代の時代差

読む前に知っておくべきなのは、本書が 2016 年時点の技術環境 を前提としていることです。2026 年 8 月時点の Spring 開発は Spring Boot 3 系と Spring Framework 6 系が標準で、新規プロジェクトは Boot の自動構成から始めるのが普通です。本書の Boot の扱いは最終章の入り口紹介に留まり、設定の多くを開発者が明示的に書く前提で解説が進みます。しかしこの「手で書く」過程こそが本書の現役の価値でもあります。Boot の自動構成が裏で組み立てている Bean 定義やトランザクション管理の中身を自分の手で組む経験は、自動化の便利さに乗るだけでは身につかない、設定が壊れたときに原因を推論できる力の土台になるからです。

向いている読者と得られるもの

合うのは、Java の基本文法を習得済みで、Spring Boot を使ってはいるが中で何が起きているのか説明できないことにもどかしさを感じている開発者、そして業務システム開発で Spring 案件に参加するにあたり層設計の考え方から固めたい人です。読み終えると、DI コンテナと AOP の動作原理、層ごとの責務分割の判断基準という、Boot のバージョンが上がっても腐らない知識が残ります。一方、2026 年時点の Boot 3 系の手順やアノテーションの現行事情をそのまま写して使いたい人には、現行世代の Spring Boot 入門書が向きます。原理と設計から Spring を理解したい人にとっては、刊行年を差し引いても なお読む価値のある一冊です。

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