インタフェースデザインの心理学 第 2 版

インタフェースデザインノシンリガクダイニハン

ウェブやアプリに新たな視点をもたらす 100 の指針

インタフェースデザインの心理学 第 2 版の表紙
インターネット / WEB デザイン
著者:
Susan Weinschenk / 武舎広幸 / 武舎るみ / 阿部和也(スーザン ワインチェンク / ムシャ ヒロユキ / ムシャ ルミ / アベ カズヤ)
価格:
¥3,190
出版社:
オライリー・ジャパン
出版日:
2021年04月13日頃
ISBN:
9784873119458
在庫:
4
判型:
単行本
3.56(9 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
WEB デザインインターネット・WEB デザインインタフェースデザインユーザー体験設計認知心理学ユーザー中心設計プロダクトデザインデザイン心理学ユーザー行動分析インタラクションデザインヒューマンコンピュータインタフェースUX デザイン

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書籍紹介

ベストセラー書でロングセラー書の改訂版!
人間の行動原理を意識したデザインの提唱で多くのデザイナー、エンジニアに支持され続けるロングベストセラー書の改訂版。わかりやすさはそのままに、ヤル気から感情まで各分野の新しい研究結果を反映して待望のアップデート。デザインは相手から無意識の反応を誘い出すための大事な要素です。人間の行動原理を理解していないデザインは相手を混乱させ目的の結果につながりません。本書では科学的な研究から導き出された、100 の指針を例とともにわかりやすく紹介します。人間の思考や行動、遊び方にマッチした直観的で人を引きつけるプロダクトをデザインするための必読書です。

技書の森解説

画面のボタンが押されない、説明文が読まれない、設定項目が多すぎて離脱される。こうした問題の多くは見た目の好みではなく、人間の知覚や記憶の仕組みの側に原因があります。『インタフェースデザインの心理学 第 2 版 ウェブやアプリに新たな視点をもたらす 100 の指針』 (Susan Weinschenk 著、武舎広幸 / 武舎るみ / 阿部和也 訳、オライリー・ジャパン、2021 年 4 月刊) は、科学的な研究から導き出された人間の行動原理を 100 項目の指針に整理し、それぞれをウェブやアプリの設計判断へ結びつけて解説する本です。原書は 100 Things Every Designer Needs to Know About People, 2nd Edition で、版元はロングベストセラー書の改訂版と位置づけ、「ヤル気から感情まで各分野の新しい研究結果を反映」した更新版だと紹介しています。

全 10 章と 100 の指針、見る / 読む / 記憶するから決断するまで

本文は全 10 章で、1 章「人はどう見るのか」、2 章「人はどう読むのか」、3 章「人はどう記憶するのか」、4 章「人はどう考えるのか」、5 章「人はどう注目するのか」、6 章「人はどうすればヤル気になるのか」、7 章「人は社会的な動物である」、8 章「人はどう感じるのか」、9 章「人はミスをする」、10 章「人はどう決断するのか」という並びで、人間の側の働きごとに 001 から 100 までの指針が振り分けられています。指針の題はそれ自体が設計上の主張になっていて、003「人はパターン認識で物を識別する」、031「人はシステムを使うときメンタルモデルを作る」、041「人は情報に慣れてしまう」、090「人はほとんどの決断を無意識に行う」のように、読んだ瞬間に画面設計のどこへ効くかが想像できる形です。巻頭には「デザインの心理学」と「意見と質問」、巻末には訳者あとがき / 参考資料 / 索引が置かれ、翻訳者による日本語版のサポートページも版元ページから案内されています。

認知の制約を設計判断に翻訳する、本書の効き目

UI 設計のガイドラインは「こうしなさい」という結論の形で流通することが多く、根拠が示されないため、前提が変わったときに応用が利きません。本書の価値は、その根拠側、つまり人間の知覚 / 記憶 / 注意の制約を先に置き、設計の結論を後から導く順番にあります。周辺視野が対象のあらましをつかむ役目を担うなら、画面の余白や背景の動きは中心のコンテンツと同じだけ注意して設計する必要があります。3 章の 019 はワーキングメモリの限界、020 は一度に覚えられる数を 4 つと示す項目で、フォームで一度に求める入力や選択肢の数を絞る根拠になります。5 章の注意力は選択的に働き、慣れた情報は見過ごされるという知見は、警告を目立たせても繰り返せば効かなくなる理由を説明します。こうした原理は特定のフレームワークや画面サイズが変わっても消えないため、ユーザーインタフェース の細部を決める場面から、機能の優先順位を決める ユーザー体験 全体の設計まで、同じ物差しで判断できるようになります。

ヤル気 / 社会性 / エラー / 決断、後半の章が扱う行動設計

後半の章は、画面の見え方より一段上の行動設計を扱います。6 章は目標への接近や報酬の変化、習慣の形成と変更、7 章は集団の規模や模倣と共感といった社会的な性質、8 章は感情と信用、9 章はエラーのタイプと対処法、10 章は意思決定を主題にします。継続利用を促す通知の設計、オンボーディングの順序、エラーメッセージの文言、選択肢の並べ方など、日々の仕様判断の裏にある「人はなぜそう振る舞うか」を、章ごとに対応づけて読めるのが本書の読みどころです。また 1 章の 011 は色覚異常の割合を男性 9%、女性 0.5% と示し、012 は文化によって色の意味が変わることを扱うなど、アクセシビリティ や多言語展開を配色の段階で考える根拠にもなります。

前提知識は不要、ただし UI パターン集や操作手順書ではない

心理学や統計の前提知識は要りません。各指針は研究結果の要点と設計への含意を短く述べる形式なので、UI デザイナーはもちろん、仕様を決めるプロダクトマネージャーやフロントエンド開発者、ウェブ担当のマーケターも自分の業務に引き寄せて読めます。版元も「多くのデザイナー、エンジニアに支持され続ける」本と紹介しています。一方で、特定のツールの操作手順、画面レイアウトのテンプレート、配色見本のようにすぐ貼って使える素材を期待する人には向きません。本書は「なぜそうするか」の側を鍛える本であり、「どう作るか」はデザインツールの教本や UI パターン集で補う必要があります。指針の裏付けは一般化された研究結果であって、自社ユーザーの調査を置き換えるものではない点も押さえておくべきです。

元が取れるのは、レビューで「なんとなく使いにくい」と言われて根拠を持って反論も修正もできなかった経験がある人、A/B テストの結果を次の設計へ一般化したい人、そしてデザインの決定を非デザイナーに説明する立場の人です。100 の指針は 1 項目ずつ独立して読めるため、通読しなくても、いま抱えている画面の問題に近い章から引いて使えます。設計の議論を好みの対立から人間の仕組みの話へ引き戻す道具として、長く机の近くに置く価値のある一冊です。

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