Java GUI プログラミング

ジャバ ジーユーアイ プログラミング

Swing を使った今どきのアプリ開発

Java GUI プログラミングの表紙
プログラミング
著者:
日向俊二(ヒュウガ, シュンジ)
出版社:
カットシステム
出版日:
2020年07月
ISBN:
9784877834906
在庫:
在庫あり
0
Javaプログラミングインターネット・WEB デザイン

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技書の森解説

Java の開発キット (JDK) に含まれる Swing を使い、Windows、Linux、macOS で動くデスクトップの GUI アプリを組み立てる方法を、部品ごとの簡潔なサンプルプログラムで解説する入門書です。『Java GUI プログラミング』 (日向 俊二 著、カットシステム、2020 年 7 月刊) は副題を「Swing を使った今どきのアプリ開発」とし、Java の文法を一通り学んだ人が、ウィンドウやボタン、メニュー、テーブルを備えた画面を自分で作れるようになるための一冊です。版元の紹介文によれば、同じ目的に対して利用できるいくつかの異なる作り方も示されています。

全 14 章と付録 3 本、ウィンドウの基礎からグラフィックスまで

第 1 章で GUI プログラミングの基礎と Java における GUI プログラミングの位置づけを押さえ、第 2 章で単純なウィンドウと基本的なコンポーネントに進みます。第 3 章はウィンドウそのものを扱い、ダイアログボックスやスプラッシュスクリーン、パネルまでを取り上げます。続いて第 4 章でラベルとボタン、第 5 章で文字列とテキストの表示と編集、第 6 章でレイアウトマネージャーを含むコンポーネントの配置の技法を扱います。後半は第 7 章のメニューとツールバー、ステータスバー、第 8 章のマウスとキーボード、第 9 章のチェックボックスとラジオボタン、第 10 章のリストボックスとコンボボックス、第 11 章のテーブルとツリー、第 12 章のスライダーとプログレスバー、第 13 章のタブ付きペインやスクロールペイン、エディターペインと、部品の種類ごとに章が並びます。第 14 章はイメージの表示とグラフィックスの描画、グラフで締めくくられ、付録は JDK のインストールと環境設定、トラブル対策、参考リソースの 3 本です。部品別の章立てなので、通読するだけでなく、作りたい画面に必要な部品の章を引いて使う読み方にも向いています。

AWT、Swing、JavaFX の変遷と Swing を選ぶ理由

Java の GUI には、初期の AWT、その上に築かれた Swing、のちに登場した JavaFX という流れがあります。AWT は OS 側の部品をそのまま借りる方式のため、見た目や挙動が実行環境に左右されやすいのに対し、Swing は部品の大部分を Java 自身が描画するので、同じプログラムが各 OS でほぼ同じように動きます。JavaFX は Java 8 の時期まで Oracle JDK に同梱されていましたが、Java 11 以降は JDK から切り離され、別に入手するライブラリになりました。版元の紹介文もこの経緯を挙げ、JDK に含まれる Swing を Java の GUI プログラミングの標準と位置づけています。追加のライブラリを用意せずに JDK だけで画面付きのアプリを作れることは、学習環境の準備や配布の手間を軽くする実利があります。かつて指摘された Swing の動作の遅さについても、改良が重ねられて実用的な速度になったと版元は説明しています。

イベント駆動と部品の配置、GUI ならではのつまずきどころ

GUI のプログラムがコンソールのプログラムと大きく違うのは、処理の順序を書き手が上から決めるのではなく、ボタンのクリックやキー入力といった利用者の操作を受けて処理が呼ばれる、イベント駆動の形になる点です。Swing では部品にリスナーを登録して操作に反応させ、画面の更新はイベントディスパッチスレッドと呼ばれる専用のスレッドで行うのが原則で、時間のかかる処理をそのまま走らせると画面が固まります。もう一つのつまずきどころが部品の配置で、座標を直接指定すると、ウィンドウの大きさやフォントが変わったときに表示が崩れます。本書は第 6 章でレイアウトマネージャーとレイアウトの技法を独立した章として扱っているので、配置の考え方をまとめて身につけられます。また Swing の部品はクラスの継承と入れ子の関係で組み立てられているため、オブジェクト指向 のクラスやインタフェースの考え方に慣れているほど読み進めやすくなります。

付録 A で JDK のインストールと環境設定を扱うため、開発環境の準備から始められますが、Java の文法そのものの入門書ではありません。変数やクラスの書き方がまだ不安なら、プログラミング言語の入門書の選び方 を参考に最初の一冊を済ませてから本書に進むと無理がありません。一方で、ブラウザーで動く Web アプリケーションの画面やスマートフォンのアプリを作りたい人、JavaFX を前提にした開発を学びたい人には目的が合いません。2020 年刊の本であり、扱う Java のバージョンも刊行時点のものが前提です。

社内の業務ツールや計測データを表示する小さなデスクトップアプリ、大学の演習課題など、JDK だけで動く画面付きのプログラムを手早く形にしたい人には、部品ごとに引ける章立ての本書が手元で役立ちます。ボタン一つのウィンドウから始めて、テーブルやツリー、グラフの描画まで段階的に広げていけるので、Java の知識を目に見える道具へつなげたい人にとって元の取りやすい一冊です。

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