アジャイルな見積りと計画づくり

アジャイルナミツモリトケイカクヅクリ

価値あるソフトウェアを育てる概念と技法

アジャイルな見積りと計画づくりの表紙
ソフトウェア工学 / 設計
著者:
Mike Cohn / 安井 力 / 角谷 信太郎(マイク コーン / ヤスイ ツトム / カクタニ シンタロウ)
出版社:
マイナビ出版
出版日:
2009年01月01日頃
ISBN:
9784839924027
在庫:
在庫あり
4.59(47 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
アジャイルソフトウェア開発見積もりプロジェクト管理計画づくりスクラムカンバンアジャイルプロジェクトソフトウェアエンジニアリングチーム開発

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言及数
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書籍紹介

ソフトウェア開発の難題である見積りと計画づくりを「アジャイル」にすることで、開発の現実に即した、誤差の少ない計画づくりができるようになる。その技法を、分かりやすく説いた 1 冊。

技書の森解説

ソフトウェア開発の見積りと計画づくりを、開発の進み方に合わせて繰り返し見直していくための考え方と技法を説いた書籍です。著者は Mike Cohn、訳は安井 力と角谷 信太郎で、副題は価値あるソフトウェアを育てる概念と技法です。原著は 2005 年 10 月に Pearson Education から出版された Agile Estimating and Planning で、本書はその全訳として 2009 年 1 月に毎日コミュニケーションズから刊行されました。版元ドットコムとマイナビ出版のサイトでは、マイナビ出版の書籍として登録されています。

何をいつまでに作るかに答える、アジャイルな計画づくりの考え方

版元の紹介文は、見積りと計画づくりを「アジャイル」にすることで、開発の現実に即した、誤差の少ない計画づくりができるようになると本書を説明しています。版元のサイトに掲載されたイントロダクションの抜粋によれば、本書が主に扱うのは計画づくりで、著者は計画づくりを、なにをいつまでに作ればいいのかという問いに答える作業だと位置づけています。そしてその問いに答えるには、まず作るものの大きさを問う見積りと、いつできるのか、ある時期までに何ができるのかを問うスケジュールの二つに答えなければならないとしています。書名がアジャイルプロジェクトの見積りではなく、アジャイルな見積りとなっているのは、見積りや計画づくりそのものをアジャイルに進めるべきだという主張の表れだと、同じ抜粋で述べられています。

規模と期間を分けて扱う見積りが効く理由

見積りが外れ続ける原因の一つは、作業の大きさと、それにかかる日数を一度に言い当てようとすることにあります。日数には担当者の熟練度や割り込み、待ち時間といった変動が混ざるため、同じ作業でも人と時期によって答えが変わります。そこで多くのアジャイル開発の現場では、ユーザーストーリー のような単位ごとに相対的な大きさだけを見積もり、実際にチームが一定期間でどれだけ消化できたかという実績から期間を割り出す方法が取られます。この方式では、見積りの精度そのものより、計画を実績に照らして繰り返し更新する仕組みのほうが重要になります。計画を一度作って守る対象として扱うのではなく、新しい情報が入るたびに直す前提に立つと、見積りの外れは失敗ではなく、計画を改善する材料に変わります。

前提知識と、手に取る前に知っておきたい点

訳者あとがきでは、著者はアジャイル開発手法の一つである スクラム に最初期から携わってきた人物と紹介されています。反復型の開発を少しでも経験しているか、スプリントやイテレーションといった区切りの意味を知っていると読みやすくなります。一方、原著は 2005 年、日本語版は 2009 年の刊行で、版元の公式ページに目次は掲載されていないため、特定のツールの使い方や、2010 年代以降に広まった手法との比較を期待する人は、購入前に書店などで中身を確かめるほうが安心です。チームの運営や開発マネジメント全般の本と比べたい場合は、チーム開発 / マネジメント本ガイド で全体の位置づけを確認できます。

見積りの数字を出すたびに外れて信頼を失っている人、計画を初日から守れないものとして扱ってしまっているチーム、顧客や上司にいつ何ができるかを根拠をもって説明したいリーダーにとって、見積りと計画の意味を問いの立て方から整理し直せる本書は、手元に置いて読み返す価値のある一冊です。

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