コンピュータシミュレーション(改訂2版)の表紙

コンピュータシミュレーション (改訂 2 版)(コンピュータシミュレーションカイテイニハン)

コンピュータサイエンス・アルゴリズム
著者:
伊藤 俊秀/草薙 信照(イトウ トシヒデ/クサナギ ノブテル)
出版社:
オーム社
出版日:
2019年01月19日頃
ISBN:
9784274223235
在庫:
在庫あり
0
初級者向け
深層学習アルゴリズム確率・統計シミュレーション乱数生成遺伝的アルゴリズム数値解析モデルシミュレーションデータサイエンス教育用教材

なぜ注目されているか

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書籍紹介

コンピュータシミュレーションに関する最新の内容を、文系学部向けにわかりやすく解説!
シミュレーションは、工学・物理学などの理系学部だけでなく、経営や経済問題などにも幅広く用いられており、文科系大学で身につける基礎的な素養になっています。

本書は、文科系学部を主対象としたコンピュータシミュレーションの教科書です。確率分布や乱数などシミュレーションの基礎から、遺伝的アルゴリズム、深層学習などの最新理論まで、図やグラフで直感的に理解できるよう解説しています。また、各章末には学習指導要領に沿った演習問題が掲載されています。

技書の森解説

数式だけでは答えの出ない問題を、計算機の中でモデルを動かして確かめる。それがコンピュータシミュレーションの発想で、工学や物理学に限らず、需要予測・在庫管理・窓口の行列といった経営や経済の意思決定でも基礎的な素養になっています。『コンピュータシミュレーション (改訂 2 版) 』は、この分野を文科系学部の学生を主対象に解説した教科書です。伊藤俊秀氏と草薙信照氏の共著で、 2019 年 1 月にオーム社から刊行されました。版元は想定読者の筆頭に大学文科系 (情報関連) 学部の学生・教員を挙げており、講義の教科書として設計された一冊ですが、シミュレーションの全体像をつかみたい一般の読者も対象に含めています。

全 14 章の構成、数学の復習から遺伝的アルゴリズムまで

構成は全 14 章です。第 1 章でシミュレーションの歴史とモデルの分類を概観し、第 2 章で数列・行列・微分積分・数値解析・確率・フローチャートといったモデル構築のための基礎知識をまとめて復習します。第 3 章から第 5 章は乱数を使わない決定的モデルの領域で、物体の放物運動や人口変動、損益分岐点分析と線形計画法、均衡価格や産業連関分析と進みます。経営学・経済学の題材が序盤から主役級で登場するのは、文系向けを掲げる本書らしい編成です。第 6 章以降は確率的モデルに移り、乱数の生成と検定、モンテカルロ法、在庫管理、待ち行列を扱います。終盤の第 10 章から第 14 章はフラクタル、カオス、機械学習、遺伝的アルゴリズム、セルとエージェントによるシミュレーションという応用的な話題で、各章末には演習問題が付いています。

読みどころは乱数の使い方、モンテカルロ法から機械学習へ

本書の中核にあるモンテカルロ法は、乱数で大量の試行を発生させ、その集計から答えを近似する手法です。定積分の値のような確定した量さえ乱数から推定できるという発想は初学者には意外に映りますが、在庫の品切れや窓口の待ち時間のように偶然の揺らぎが本質の問題では、解析的に解けない領域を埋める実務的な道具になります。本書はこの発想を在庫管理と待ち行列という具体的な業務題材で反復して身につけさせる構成です。さらに機械学習や 深層学習、遺伝的アルゴリズムまで射程に収めているため、古典的な数値実験と、ニューラルネットワークに代表される学習ベースの手法を「モデルを立てて計算機で試す」という同じ地平の上で見渡せます。個々の理論を深追いする本ではありませんが、この見取り図こそが本書の価値です。

前提知識と向かない読者

前提知識は高校数学の範囲でほぼ足ります。行列や微分積分もモデル構築に必要な分だけ第 2 章が補ってくれるため、数学から離れて久しい読者でも追い直せる設計です。図やグラフで直感的に理解させる説明が軸なので、逆に確率論や数値解析の厳密な理論展開を求める読者、専門課程レベルの数理を期待する読者には物足りません。終盤の機械学習の章から先へ進みたくなったら、機械学習に必要な数学を学ぶ本の選び方 を足がかりに数理側を補強していく読み方が自然な接続になります。

読み終えると、身の回りの意思決定を「モデルを立てて計算機で試す」枠組みに翻訳するための地図が手に入ります。文科系学部で情報系の講義を受ける学生はもちろん、需要予測や在庫・窓口設計のような業務判断を勘と経験だけでなく計算で裏付けたい社会人にとっても、シミュレーションという分野の入口として元の取れる教科書です。

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