独学で鍛える数理思考〜先端 AI 技術を支える数学の基礎
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- 著者:
- 古嶋 十潤(フルシマ トオル)
- 注目:
- 総合 1158 位
- 出版社:
- 技術評論社
- 出版日:
- 2024年08月02日頃
- ISBN:
- 9784297142285
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
「数学」という言葉を聞くと、みなさんはどんなことを思い浮かべるでしょうか。複雑な公式や解けなかった問題、あるいは学生時代の苦い経験なのかもしれません。中には「自分には関係ない」と割り切っている方もいるでしょう。日本では、「理数離れ」が長い間社会問題とされ、数学に対して苦手意識を持つ人が多いのが実情です。
とはいえ、数学は私たちの日常生活を豊かにしている最先端技術の基盤として、欠かすことのできない存在です。現代社会を生き抜くうえで、数学を学ぶことは看過できないテーマではないでしょうか。
数学の学びづらさは、初心者を寄せ付けない抽象性や敷居の高さにあると思います。この点、適切なテーマを選び、かつ懇切丁寧な解説を提供すれば、初学者でも数学の楽しさを十分に味わうことができると信じています。本書では、私たちが普段使っているスマートフォンのアプリやサービスを例に、数学がどのように役立っているかを解説します。具体的には Web 検索や商品のレコメンド、画像の分類、生成 AI による文章生成、音声のデジタルデータ化、地図上の位置情報の特定といった私たちが日々当たり前のように利用している各種サービスの数理的背景を明らかにし、数学の面白さとその奥深さを楽しみながら、読者の数理的思考力を「初学者を大きく超えるレベル」にまで高めます。
本書は、数学を学ぶことへの意欲や危機感を抱く初学者の方々が「本気で学ぶ」ために作られました。その「本気」を応援すべく、副読本なしで本書のみに集中して取り組むことができるよう随所に工夫を凝らしています。本書を読み進める中で、物事の仕組みをデジタル空間だけでなく物理空間においても数理的に考察する力や最新の AI を理解するための数理的素養が身につきます。これらは本来、現代社会の複雑な問題を考察するうえで欠かすことのできないものでしょう。
本書を読破すれば、きっと大きな達成感を得られると同時に、数学への苦手意識が大きく払拭されるでしょう。そして、これまで見ることも気づくこともなかった”景色”が、数理的な視点を通じて目の前に広がっていることでしょう。過去に数学にチャレンジして挫折してしまった方もぜひ、本書に腰を据えて取り組むことを強く推奨します。本書で獲得した数理的思考力を武器に、新たなチャレンジへと進まれることを願っています。
技書の森解説
スマートフォンで毎日使う検索や商品のおすすめ、生成 AI の文章が、どんな数学で動いているのかを、式を自分で追いながら確かめるための独習書です。『独学で鍛える数理思考〜先端 AI 技術を支える数学の基礎』 (古嶋十潤 著、技術評論社、2024 年 8 月 2 日発売) は、Web 検索、商品のレコメンド、画像の分類、生成 AI による文章生成、音声のデジタルデータ化、地図上の位置情報の特定という 6 つのサービスを例に、その数理的背景を解説します。版元は、副読本なしで本書だけに集中して取り組めるよう工夫したと案内し、過去に数学で挫折した人にも腰を据えて取り組むことを勧めています。
全 6 章の題材、情報検索から衛星測位と相対性理論まで
第 1 章「情報検索を実現する数理」は、適合率と再現率、総和記号、ベクトル化、対数を経て TF-IDF モデルへ進みます。第 2 章「商品推薦を実現する数理」は評価値行列から協調フィルタリング、コサイン類似度、行列因子分解へ進み、損失関数と最小二乗法、偏微分を使って勾配降下法の更新式を導くところまでを扱います。第 3 章「画像分類を実現する数理」は畳み込みニューラルネットワーク (CNN) を題材に、ソフトマックス関数、対数尤度関数、合成関数の微分を積み上げて誤差逆伝播法の意味を読み取ります。第 4 章「文章生成を実現する数理」は Transformer の仕組みを、単語埋め込み、位置符号化、Multi-Head Attention、Cross-Attention と順にたどります。第 5 章「音声解析を実現する数理」はフーリエ級数展開とオイラーの公式から離散フーリエ変換までを導き、第 6 章「衛星測位を実現する数理」は連立方程式とニュートン力学、ケプラーの 6 軌道要素を経て、特殊相対性理論と一般相対性理論による時間のズレまで踏み込みます。巻末付録は「相対性理論の数理的補足」と「フーリエ変換の導出」の 2 本です。
三角関数や微分が章をまたいで再登場する構成
本書の目次を見ると、同じ道具が題材を変えて何度も現れます。三角関数は第 2 章でコサイン類似度の意味を考える場面に、第 5 章で波を周期関数として表す場面に、第 6 章で衛星の位置を表す場面に出てきます。ソフトマックス関数は第 3 章の画像分類と第 4 章の文章生成の両方に、合成関数の微分は第 3 章の誤差逆伝播と第 6 章の連立方程式の設計の両方に登場します。ニューラルネットワーク の学習は、扱うデータの種類を問わず、ベクトルと行列の積と、損失関数を小さくする微分という共通の土台の上に組み立てられています。本書では章の途中に Column と Lesson という補足の項目が挟まり、ベクトルと行列、対数の性質、微分などを必要になった時点で確認できます。
高校生と社会人に向けた学び直しの本、向かない目的
版元は想定読者を高校生と大学生、社会人に分け、授業の数学が何に役立つのか分からない学生や、AI の分野に進むにはどの程度の数学力が要るのかを知りたい人、数学が必要だと分かっていてもどこまで理解すればよいかを知りたい社会人を挙げています。版元の著者紹介によると、著者は京都大学法学部を卒業後、コンサルティング会社と IT 系事業会社を経て会社を創業し、その代表取締役を務めています。一方で、目次は数理の導出を扱う節で構成されています。機械学習のライブラリを使ってモデルを動かす方法を学びたい場合は、実装を主題にした本を別に選ぶほうが目的に合います。また、目次には式の導出を扱う節が多く並ぶため、手を動かして計算する時間を取れることが前提になります。
検索や推薦、生成 AI の解説を読んだときに、数式の部分だけを読み飛ばしてきた人にとって、本書はその空白を 6 つの身近な題材で埋めていく道筋になります。どのレベルの数学から始めるかは、機械学習に必要な数学の本ガイド で 3 つの段階に分けて扱っています。サービスの仕組みを数式の言葉で説明できるようになりたい学生と社会人に向けた 1 冊です。
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