イメージでつかむ機械学習入門
イメージ デ ツカム キカイ ガクシュウ ニュウモン
豊富なグラフ, シンプルな数学, R で理解する
- 著者:
- 横内大介 / 青木義充(ヨコウチ, ダイスケ / アオキ, ヨシミツ)
- 出版社:
- 技術評論社
- 出版日:
- 2017年08月
- ISBN:
- 9784774190624
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
ビッグデータをいかに活用するかというテーマの下、人工知能の基礎となっている機械学習に対して大きな注目が集まっています。本書は、グラフを援用することにより簡単な数学だけで各手法のイメージをつかむことができる、難解な数学が苦手な人向けの機械学習の入門書です。
技書の森解説
機械学習の手法を一通り知りたいけれど、教科書を開くと数式で止まってしまう。そうした読者に向けて書かれたのが『イメージでつかむ機械学習入門』 (横内 大介、青木 義充 著、技術評論社、2017 年 8 月刊 / 版元の発売日は 2017 年 7 月 26 日) です。副題は「豊富なグラフ, シンプルな数学, R で理解する」で、版元は対象読者を、理系出身ではない人や、プログラムは多少作れるけれども数学は苦手という人と案内しています。必要な数学は高校数学と大学初学年級の一部で足りるとされ、実習に使うソフトは R です。機械学習 の代表的な手法を、グラフで形をつかみながら見比べていく構成になっています。
回帰から 4 つの分類手法へ進む全 6 章
本文は全 6 章です。第 1 章「はじめに」で機械学習とは何かと R を用いた実習の準備を扱い、第 2 章「回帰」で線形回帰モデルの係数を最小二乗法と最尤法の 2 通りで推定し、残差によるモデルの検討、決定係数と相関係数へ進みます。この章は回帰モデルの限界と分類への応用で締めくくられ、そこから分類の章が続きます。第 3 章「境界による分類」は線形判別分析とサポートベクターマシン (カーネル関数の利用を含む)、第 4 章「確率による分類」はロジスティック回帰モデル、第 5 章はニューラルネットワークによる分類で、誤差逆伝播法とディープラーニングへの入口までを扱います。第 6 章は実践編として、説明変量を増やした分類問題に各分類法を適用し、インサンプルとアウトサンプルの区別を含めた予測精度の評価を行います。目次に並ぶのは回帰と分類、つまり正解の付いたデータから学ぶ教師あり学習の手法で、クラスタリングのような教師なし学習の章はありません。
境界で分けるか、確率で分けるかという見取り図
章の分け方そのものが、分類手法を理解する手がかりになっています。線形判別分析やサポートベクターマシンは、データの空間に境界線を引いてどちら側に入るかで判定する発想です。サポートベクターマシンは境界とデータの距離 (マージン) を最大にするように境界を決め、直線で分けられない問題にはカーネル関数で対応します。一方のロジスティック回帰は、ある分類に属する確率をモデル化し、その確率で判定します。同じ分類問題でも、境界を直接求めるか確率を経由するかで、結果の読み方や得意な場面が変わります。本書は第 3 章と第 4 章をこの 2 つの考え方で分けたうえで、第 5 章の ニューラルネットワーク へつなげる並びで、手法の違いを知りたいという版元の想定読者に合った見取り図と読めます。第 2 章には極値と偏微分、非線形回帰モデルのフィッティングを扱うコラムがあり、第 5 章には神経細胞とニューラルネットワークの付録が付いています。
R で手を動かす前提と、別の本が向く目的
実習は R で進めます。第 1 章に R を用いた実習の節があり、第 3 章には R による線形判別分析と R によるサポートベクターマシン、第 5 章には R によるニューラルネットワークの推定の節が置かれています。Python で機械学習を始めたい人には、考え方は移せてもコードはそのまま使えない点に注意が要ります。また 2017 年刊の本なので、R のパッケージの版や実行環境は刊行時点のものを前提に読むことになります。ディープラーニングは入口までの扱いで、画像や言語を扱う深層学習の実装を学びたい場合は、専門の本へ進む必要があります。どこまで数学を学び直すかを先に決めたい人は、機械学習に必要な数学の本の選び方 も参考になります。版元の著者紹介によると、刊行時は両氏とも一橋大学大学院国際企業戦略研究科に所属し、本書では横内氏が主に企画と原案、青木氏が主に執筆を担当しています。
数学を本格的にやってこなかったものの、業務で機械学習に関わる必要があるエンジニアや、手法の名前は聞いたことがあっても違いを説明できない人にとって、回帰からニューラルネットワークまでを 1 本の流れで見比べられる本書は、次に読む専門書を選ぶための土台になります。R を手元に用意し、グラフを描きながら第 1 章から順に進めてみてください。
言及した記事 (4 件)
ディープラーニングで動画の顔画像の入れ替え実施編&そこから学ぶ機械学習の基礎の基礎 (Mac OSX)
♡ 253OpenCV, TensorFlow, Deepfakes, Faceswap, Deepface未経験からPythonを2ヶ月で基礎マスターするための学習プラン【1日1〜2時間】
♡ 17Python, Python3, 初心者向け, プログラミング学習, 学習計画圏論で学習を組み立て直す ── Compositional Learning 入門:Backprop as Functor と「学習を部品から組み立てる」世界へ
♡ 4Python, 圏論, 機械学習, 数学, 深層学習文系パッケージエンジニアが3ヶ月で統計学入門してみた
♡ 1初心者, データ分析, データサイエンス, 文系
この本に興味がある方におすすめ
関連する本
関連記事
機械学習 / ディープラーニング本ガイド - エンジニアが読むべき AI 技術書の選び方
機械学習の基礎から実践まで学べる技術書の選び方を紹介。「Python ではじめる機械学習」などのハンズオン本を軸に、数学が苦手な人向けの学習ルート、ディープラーニング本への進み方、ML 本の賞味期限の見極め方を解説します。
機械学習に必要な数学の本ガイド - 「どこまでやるか」で選ぶ 3 レベル
機械学習 / ディープラーニングに必要な数学を学ぶ本の選び方を 3 レベル (数式アレルギーの解消 → 機械学習で使う数学だけ → 数理を体系的に) で整理。学び直しの範囲を絞り、挫折せずに必要十分な数学を身につけるルートを解説します。
Python 本の選び方 - 独学の最初の 1 冊から実務品質まで
Python 本の選び方を「動機」から逆算して整理。プログラミング未経験の最初の 1 冊、業務自動化に直結する本、型ヒントとコード品質で実務水準へ進む本まで、2026 年 8 月時点の定番を独学ルートに沿って解説します。