プラットフォーム資本主義を解読する

プラットフォームシホンシュギヲカイドクスル

スマートフォンからみえてくる現代社会

プラットフォーム資本主義を解読するの表紙
ハードウェア
著者:
水嶋 一憲 / ケイン 樹里安 / 妹尾 麻美 / 山本 泰三 / 金 シュン永 / 宇田川 敦史(ミズシマ カズノリ / ケイン ジュリアン / セノオ アサミ / ヤマモト タイゾウ / キム ジュンヨン / ウダガワ アツシ)
出版社:
ナカニシヤ出版
出版日:
2023年06月15日
ISBN:
9784779517426
在庫:
メーカー取り寄せ
0
初級者向け
モバイルハードウェアプラットフォーム資本主義GAFAMメディア社会社会学労働問題インフラビッグデータアテンション経済新封建主義抵抗形態

なぜ注目されているか

総合1173位 ↑ 2 ランクアップ

書籍紹介

ビッグ・テックの「しかけ」をわかりやすく、この 1 冊で。

スマートデバイスを手にしたわたしたちの背景に溶け込み、膨大なアテンションを資源化しな
がら、巨大インフラへと変貌した GAFAM を中心とするメディア社会ーーその利便さがもたらす

恩恵、快楽に覆い隠されたリスクと課題を雇用・労働、ユーザー、インフラといった観点から

解きほぐし身近な切り口から、多角的に問題を照らし出す、画期的な入門書!

本章で解読してきた、プラットフォーム資本主義の仕組みと新封建主義へと向かう傾向に抗す
ることの可能な、「来るべき抵抗形態の始まりを、現時点でもすでにとらえることができるだ

ろうか」。

●著者紹介
執筆者紹介 (*は編著者)

水嶋一憲*(みずしま かずのり)
大阪産業大学経済学部

国際経済学科教授

担当: まえがき, Chapter 10, 12,文献ガイド

ケイン樹里安*(けいん じゅりあん)
元 昭和女子大学特命講師, 社会学者

担当: まえがき, Chapter 06

妹尾麻美*(せのお あさみ)
追手門学院大学社会学部准教授

担当: まえがき, Chapter 02

山本泰三*(やまもと たいぞう)
大阪産業大学経済学部経済学科教授

担当: まえがき, Chapter 01,文献ガイド

金 シュン永 (きむ じゅんよん)
韓国雇用情報院研究員

担当: Chapter 03

宇田川敦史 (うだがわ あつし)
武蔵大学社会学部

メディア社会学科准教授

担当: Chapter 04

久保友香 (くぼ ゆか)
博士 (環境学),メディア環境学者

担当: Chapter 05

佐幸信介 (さこう しんすけ)
日本大学法学部新聞学科教授

担当: Chapter 07

山川俊和 (やまかわ としかず)
桃山学院大学経済学部経済学科教授

担当: Chapter 08

中野 理 (なかの おさむ)
日本労働者協同組合連合会理事

担当: Chapter 09

水越 伸 (みずこし しん)
関西大学社会学部メディア専攻教授

担当: Chapter 11

勝野正博 (かつの まさひろ)
目白大学メディア学部メディア学科

准教授

担当: Chapter 11

技書の森解説

スマートフォンのアプリの向こう側で、巨大な IT 企業のプラットフォームが何を集め、どのように利益を上げ、働き方や都市、環境にまでどう影響しているのかを、社会科学の視点から読み解く入門書です。『プラットフォーム資本主義を解読する』は、水嶋一憲、ケイン樹里安、妹尾麻美、山本泰三の 4 名が編著者を務め、ほかの 8 名の著者とともに章を分担した共著で、ナカニシヤ出版から 2023 年 6 月 15 日に発売されました。副題は「スマートフォンからみえてくる現代社会」です。版元の紹介文は、GAFAM を中心とするメディア社会の利便さの陰に隠れたリスクと課題を「雇用・労働、ユーザー、インフラといった観点から」解きほぐす入門書と位置づけています。

3 部と道具箱、全 12 章でたどるプラットフォーム資本主義

本文はまえがきに続く 3 つの部と、プラットフォームの理解を深めるための道具箱からなり、Chapter 01 から Chapter 12 までの 12 章で構成されています。第 I 部は労働を軸にしており、Chapter 01「プラットフォーム資本とは何か」でアプリやネットワークの役割、プラットフォームが巨大になる理由を問い、Chapter 02 で就職情報サービス、Chapter 03 でギグ・ワーカーと社会保障制度を扱います。第 II 部は Chapter 04 の検索プラットフォーム、Chapter 05 の日本の若年女性のセルフィ、Chapter 06 の人種化と、プラットフォーム上で生まれる情報やイメージを取り上げます。第 III 部はインフラとしてのプラットフォームを主題に、Chapter 07 のスマートシティ、Chapter 08 のカーボンニュートラルとエネルギー問題、Chapter 09 のプラットフォーム協同組合、Chapter 10 の新封建主義の傾向へ進みます。道具箱には、Instagram のアカウントを作って利用規約とデータ・ポリシーを声に出して読む Chapter 11 のワークブックと、ニック・スルネックの著作を参照軸にした Chapter 12 が置かれ、巻末に文献ガイドと事項索引、人名索引が付きます。

ネットワーク効果とデータの採取という技術背景

プラットフォームの事業は、利用者と出店者、広告主のように立場の違う参加者を同じ場でつなぐ仲介の仕組みです。参加者が増えるほど他の参加者にとっての価値も高まるネットワーク効果が働き、市場は少数の事業者に集中する傾向を持ちます。さらに、利用者が検索し、投稿し、購入した記録は、表示の順序や広告の配信を調整する材料として蓄えられます。Chapter 12 の節が「データの採取装置 / レントの領有装置としてのプラットフォーム」と題しているのは、この循環を経済の言葉で捉え直す視点です。都市のあちこちに置いたセンサーやカメラを IoT でつなぎ、集めたデータで交通やエネルギー、防犯を制御しようとする構想も、同じ仕組みを街全体へ広げたものと見ることができます。技術の側から見れば便利な機能の積み重ねでも、社会の側から見ると、誰がデータを持ち、誰が条件を決めるのかという問いになります。本書はその問いを章ごとに異なる現場から立てています。

作る側の技術者が読む意味と、合わない目的

推薦や広告配信、検索の仕組みを作る仕事をしている技術者にとって、本書は自分の書くコードが組み込まれている経済の構造を、労働や環境、都市の側から扱います。一方で、本書は社会科学の本であり、目次にプログラミングやシステム設計の手順を扱う章はありません。また、取り上げられる事例や制度は 2023 年 6 月の刊行時点までのものです。巻末の文献ガイドは、関心を持った章から 次に読む本を選ぶ道しるべ として使えます。

便利なサービスを使い、作りながらも、その仕組みが働き方や街のあり方をどう変えているのかを言葉にしたい人にとって、12 の切り口を 1 冊で見渡せる本です。Chapter 11 の利用規約のワークブックは、自分のアカウントで試す形になっています。

この本に興味がある方におすすめ

関連する本

関連記事

関連用語

共有: