新 C 言語入門 (シニア編) 新訂
シン シー ゲンゴ ニュウモン
- 著者:
- 林晴比古(ハヤシ, ハルヒコ)
- 注目:
- 総合 2871 位
- 出版社:
- SB クリエイティブ
- 出版日:
- 2004年02月
- ISBN:
- 9784797325621
- シリーズ:
- C 言語実用マスターシリーズ
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
C 言語入門の究極の決定版!! C99 (標準 C 第 2 版) のポイントについても解説。
技書の森解説
C の入門書を 1 冊終えて簡単なプログラムは書けるようになったものの、記憶クラスや型変換のふるまいを説明できるほどには言語を把握していない。そうした段階の読者に向けた C 言語 の解説書が『新 C 言語入門 シニア編 新訂』 (林晴比古 著、ソフトバンクパブリッシング、2004 年 2 月刊、500 ページ) です。書誌上は「C 言語実用マスターシリーズ」の第 2 巻に位置づけられ、巻名は「シニア編」、版表示は「新訂」です。版元は「C 言語入門の究極の決定版」と紹介し、C99 (標準 C 第 2 版) のポイントについても解説すると明記しています。書店に掲載された出版社内容情報では、本格的なプログラム作成に欠かせない C 言語の仕様をわかりやすく解説し、文法やプログラミングルールの体系的な知識の習得によって「C 言語の思想」も理解できる本、困ったときのリファレンスとしても長く活用できる本と案内されています。
公開目次の冒頭に並ぶ定数 / データ型 / 記憶クラス / ポインタ
公開されている目次は冒頭部分のみで、「C の基本的な知識」から始まり、定数、変数とデータ型、配列と文字列、型変換、記憶クラス、初期化、演算子、制御文、ポインタと続き、それ以降は省略されています。したがって全体の章数や後半の項目をここで断定することはできませんが、公開部分だけでも並び方には特徴があります。多くの入門書が制御文を早い段階で教えて「動くプログラム」を先に書かせるのに対し、本書は定数、データ型、型変換、記憶クラス、初期化という値と変数の性質を先に固め、演算子と制御文を経てポインタへ進みます。これは、言語の文法を手順として覚えるのではなく、値がどの型で保持され、どこに置かれ、いつまで生きているかという仕様の側から C を組み立て直す順序で、版元が掲げる「体系的な知識の習得」という言葉と符合します。500 ページという分量は、こうした仕様の説明を省かずに積み上げる余地があることを意味します。
C の仕様を体系的に学ぶ意味、暗黙の型変換と記憶クラスが分かれ道
C は文法そのものは小さい言語ですが、書いたとおりに動かない場面の多くは、明示していない規則に起因します。異なる型の値を演算したときに暗黙に行われる型変換、符号付きと符号なしの整数を比較したときの結果、配列名と文字列リテラルの扱いの違い、初期化を書かなかった変数にどの値が入っているかは、いずれも入門書の演習では表面化しにくく、実務のコードで初めて不具合として現れます。記憶クラスは変数の寿命と可視範囲、そして メモリレイアウト 上でどの領域に置かれるかを決める概念で、ポインタの理解はこの土台の上に成り立ちます。本書の目次が型変換、記憶クラス、初期化を演算子や制御文より前に置いているのは、こうした「動くけれど理由を説明できない」領域を、ポインタに入る前に片づける設計だと読めます。仕様を体系的に押さえることは、コンパイラの警告の意味が分かる、他人のコードを読んで型の意図を推測できる、移植や保守で環境が変わっても壊れにくいコードを書けるという形で、日々の作業に効いてきます。
C の基礎を一度学んだ人向け、2004 年刊と C99 時点の前提
「入門」と題されていますが、シリーズ第 2 巻でシニア編という位置づけと、版元が「本格的なプログラム作成に欠かせない C 言語の仕様」を掲げていることから、C の文法に初めて触れる人が最初に手に取る本ではなく、一度 C を書いた経験がある人が仕様を体系的に学び直すための本と考えるのが妥当です。プログラミング自体が初めての人は、最初の言語の入門書の選び方 を踏まえて、まず手を動かす入門書から始めるほうが挫折しにくいでしょう。また 2004 年 2 月刊という時点も踏まえる必要があります。版元が解説対象として挙げる規格は C99 (標準 C 第 2 版) までで、それ以降の規格改訂や、その後に登場した開発環境の話は含まれません。一方で、型、記憶クラス、初期化、ポインタといった C の中核の意味論は規格の改訂で根本から書き換わることはなく、本書が掲げる仕様の体系的な理解は刊行年による陳腐化が小さい領域です。特定の処理系の使い方や、組み込み / ネットワークといった応用分野の実践を求める人には、言語仕様の理解を掲げる本書とは目的がずれます。
C の入門書を終えたあとに「ポインタは何となく使えるが、なぜそう書くのか説明できない」「型変換や記憶クラスの規則を調べようとしても、どの本を開けばよいか分からない」という状態にある人にとって、仕様を順序立てて積み上げた本書は、断片的な知識を 1 本の体系につなぎ直す助けになります。手元に置いて困ったときにリファレンスとして引く使い方まで含めれば、500 ページの分量に投じた時間は、C を書き続ける限り回収し続けられます。C を「書ける」から「分かって書ける」に進めたい人に向いた一冊です。
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