Python 自動化簡単レシピ Excel ・ Word ・ PDF などの面倒なデータ処理をサクッと解決(パイソンジドウカカンタンレシピ エクセルワードピーディーエフナドノメンドウナデータショリヲサクットカイケツ)
アプリケーション- 著者:
- 森 巧尚(モリ ヨシナオ)
- 出版社:
- 翔泳社
- 出版日:
- 2022年05月23日頃
- ISBN:
- 9784798166124
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
技書の森解説
毎月届く請求書の PDF から必要な文字列を抜き出す、数百のファイル名を一括で置き換える、 Excel の特定のセルを探して書き換える。こうした面倒だが単純な仕事を Python の短いコードに任せる方法を、目的別のレシピ形式で示したのが『 Python 自動化簡単レシピ Excel ・ Word ・ PDF などの面倒なデータ処理をサクッと解決』 (森巧尚 著、翔泳社、 2022 年 5 月刊) です。著者は『 Python1 年生』をはじめとする翔泳社の「 1 年生」シリーズを手がけてきた人物で、大学や高等部の非常勤講師も務めています。版元が読者対象として掲げるのは、ビジネスで Python を利用している人と、これから利用しようと考えている人で、日常でありがちな面倒な仕事を数十行のコードで解決し、さらにアプリ化してボタン 1 つで実行できる方法を併記する点が本書の売りです。
全 11 章の構成、ファイル操作から Web データ取得まで
構成は全 11 章です。 Chapter 1 で Python による仕事の自動化という発想を示し、 Chapter 2 で Python の基本と、レシピで使うライブラリの一覧を押さえ、 Chapter 3 で作ったプログラムをアプリにする方法を本編より先に扱います。 Chapter 4 以降が本編のレシピ集で、ファイルの操作、テキストファイルの検索・置換、 PDF ファイルの検索、 Word ファイルの検索・置換、 Excel ファイルの検索・置換、画像のリサイズ・保存、音声や動画の再生時間、 Web データの取得と、扱うデータの種類ごとに章が分かれています。版元が挙げるレシピの例は、年月を指定するだけでカレンダーを作る、すべてのファイルの特定文字を一括置換する、特定の PDF ファイルから任意の文字を抜き出す、というもので、いずれも手作業では時間を食うのにコードにすれば数十行で済む粒度の課題です。サンプルファイルはダウンロードで提供されます。
数十行で済む理由、文書形式とライブラリの層、アプリ化の発想
Python がこの種の業務自動化に向くのは、言語自体の簡潔さに加えて、ファイル形式ごとの読み書きを引き受ける外部の ライブラリ が pip で導入できる形で揃っているからです。 Excel や Word の文書形式は、中身が XML を束ねた ZIP 圧縮ファイルであり、ライブラリがその構造を隠してくれるので、利用者はセルや段落をリストや辞書のように扱えます。 PDF は印刷用のレイアウト情報が主体でテキストの抽出には本来向かない形式ですが、検索用途に限れば文字列の取り出しは短いコードで書けます。 Web データの取得は Web スクレイピング の入口にあたり、取得先の利用規約と負荷への配慮が前提になります。本書がもう一段踏み込んでいるのは Chapter 3 のアプリ化で、 GUI ライブラリの PySimpleGUI を使ってボタン 1 つで実行できる小さなアプリに仕立てる手順を示している点です。コマンドを打てない同僚にも配れる形にすることで、自分の時短が職場の時短に広がります。
PySimpleGUI 終了と FreeSimpleGUI 移行の注意
刊行後の注意点を 1 つ挙げておきます。アプリ化に使う PySimpleGUI は 2025 年 2 月 27 日をもってプロジェクトが終了しており、翔泳社の書籍ページの正誤表と FAQ (2025 年 3 月更新) は後継の FreeSimpleGUI へ移行する手順を案内しています。版元の確認では import 文を書き換えるだけで本書の全プログラムが動作したとされ、テスト環境の記載も PySimpleGUI 4.56 から FreeSimpleGUI 5.1.1 へ差し替えられています。 Excel や PDF といった文書形式そのものの仕様は年単位で大きく変わらないため、この 1 点を押さえておけば、 2022 年刊のレシピの考え方は 2026 年でも通用します。
ビジネスで Python を始める人の前提知識と、向かない使い方
前提知識として、 Python の基本は Chapter 2 でおさらいされるものの、変数や関数という言葉をまったく聞いたことがない人には、同じ著者の『 Python1 年生』のような入門書を先に読むほうが安全です。逆に、文法は学んだが仕事に使う場面が見つからない人には、業務の具体例が並ぶ本書はちょうどよい橋渡しになります。向かないのは、言語仕様やオブジェクト指向、テストや例外処理といった設計面を体系的に学びたい人と、 Excel の関数や VBA の細部を極めたい人です。前者には言語の入門書や中級書、後者には Excel VBA の専門書が適切で、Python 本の選び方 では学習段階ごとの候補を整理しています。
毎週の定型作業に 1 時間以上を取られている人なら、レシピを 1 本動かすだけで投じた時間と本代の元が取れる見込みです。ファイル形式ごとに章が分かれているので、目の前の作業に近い章から読み始め、動いたコードをアプリ化して同僚に渡すところまでたどり着けば、戻ってくる時間は職場全体に広がります。
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