いちばんやさしい量子コンピューターの教本
イチバン ヤサシイ リョウシ コンピューター ノ キョウホン
人気講師が教える世界が注目する最新テクノロジー
- 著者:
- 湊雄一郎(ミナト, ユウイチロウ)
- 出版社:
- インプレス
- 出版日:
- 2019年05月
- ISBN:
- 9784295006077
- 在庫:
- メーカー取り寄せ
なぜ注目されているか
書籍紹介
量子コンピューターの仕組みから活用事例、導入ノウハウまで幅広く網羅。複雑な計算原理を豊富な図解を用いて丁寧に解説。量子回路を実際に作って計算結果をシミュレートできる実践的な内容。
技書の森解説
量子コンピューターが従来のコンピューターと何が違い、どのような場面で役に立ちそうかを、計算の原理から活用事例、導入の進め方まで一冊で見渡すための入門書が『いちばんやさしい量子コンピューターの教本』です。著者は湊雄一郎、版元はインプレスで、2019 年 5 月に刊行されました。楽天ブックスの書誌に載る紹介文は、本書を「量子コンピューターの仕組みから活用事例、導入ノウハウまで幅広く網羅」した本と説明し、複雑な計算原理を豊富な図解で解説すると案内しています。
量子回路を作って計算結果を確かめる入門の範囲
同じ紹介文が特徴として挙げるのは、「量子回路を実際に作って計算結果をシミュレートできる」点です。量子ビットや量子ゲートの説明を読むだけで終わらせず、ゲートを並べた回路がどのような結果を返すかを読者が手元で確かめる流れが、本書の案内に含まれています。
量子ビットと量子ゲートを理解するための技術背景
量子コンピューター の出発点は、情報の単位が変わることにあります。従来のコンピューターのビットは 0 か 1 のどちらかですが、量子ビットは 0 と 1 の重ね合わせの状態をとり、測定した瞬間に確率に従ってどちらかに確定します。複数の量子ビットの間にはもつれと呼ばれる相関も生まれます。量子ゲートはこの状態を操作する基本の部品で、ゲートを順に並べたものが量子回路です。計算を速くする鍵は、重ね合わせた状態どうしを干渉させて、正しい答えが測定で出る確率を高めるように アルゴリズム を組むことにあります。そのため、どんな計算でも速くなるわけではなく、速くなる問題は限られます。方式の面では、量子ゲートを組み合わせて汎用の計算を目指すゲート型と、組合せ最適化の問題に的を絞った量子アニーリングが別の系統として語られることが多く、ニュースで同じ量子コンピューターと呼ばれていても中身が違う場合があります。
量子回路を従来のコンピューターでシミュレートする学び方には、はっきりした利点と限界があります。数個から十数個の量子ビットなら普通のパソコンでも状態を追えるので、ゲートを 1 つ足すと結果の確率がどう変わるかを何度でも試せます。一方で、n 個の量子ビットの状態を書き表すには 2 の n 乗個の数が要るため、量子ビットが 1 つ増えるごとに必要な記憶量は 2 倍になります。30 個で約 10 億個の数を扱う計算になることを知っておくと、実機が求められる理由と、シミュレーターが学習の道具として役に立つ範囲の両方が見えてきます。
2019 年刊の入門書を仕事の検討に使う人へ
量子コンピューターを自社の課題に使えるかを検討する立場の人や、技術記事に出てくる量子ビットや量子回路といった言葉を自分で読み解けるようになりたい人にとって、原理の図解と活用事例、導入の観点が同じ本に入っている点が判断材料になります。注意したいのは、活用事例や導入の話が 2019 年 5 月の刊行時点の情報に基づくことです。刊行後に各社の機種やクラウドでの提供の形は変わり得るため、具体的なサービスを試す時は提供元の案内で手順を確かめてください。量子力学を線形代数で定式化する理論や量子誤り訂正まで進みたい人は、本書で全体像をつかんだ後に専門の教科書へ進む順番になります。
量子コンピューターについて断片的なニュースを追うだけで全体像がつかめずにいる人が、仕組みと使いどころを図解と回路のシミュレーションで一度通して確かめるための一冊として、手に取る価値があります。
言及した記事 (9 件)
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