Scratch で楽しく学ぶアート & サイエンス 改訂第 2 版
スクラッチデタノシクマナブアートアンドサイエンスカイテイダイニハン
- 著者:
- 石原 淳也 / 阿部 和広(イシハラジュンヤ / アベカズヒロ)
- 注目:
- 総合 1151 位
- 出版社:
- 日経 BP
- 出版日:
- 2021年08月26日頃
- ISBN:
- 9784296070145
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
Scratch は子ども向け? ゲームばかり? いえいえ、そんなことはありません。
奥深さと実力を手軽に楽しみましょう!
本書では、「アート」と「サイエンス」という一見高度で難しそうなテーマを選んでいます。このテーマを支える題材となる、等加速度運動、確率、2 進法、論理回路、三角関数、モンテカルロ法、再帰 (フラクタル図形)、疑似 3D 表示、を用いたさまざまな作品 (プログラム) をつくりながら、「わからなかったことがわかる! 」「できなかったことができる! 」楽しみを味わってください。
第 2 版に改訂するにあたり、すべての章を Scratch 3.0 に対応させた上で、新たに第 6 章 (3D 迷路) と終章 (独自拡張機能) を追加しました。さらに、第 1 版での 1 章から 5 章までの内容を見直し、簡単なプロジェクトから少しずつ難易度が高くなっていくように章を入れ替えています。
■「おわりに (ふたたび、ホビープログラミング)」から抜粋
プログラミングは、本来は楽しいもの、面白いものであったはずです。そこには、明確な目的や合理性はなく、ただ自分がやりたいからやっていただけでした。
本書で取り上げているさまざまなプログラム例は、それをやったからと言って、直ちに何かの役に立つというものではありません。これで、資格が得られたり、お金がもらえたりするわけでもありません。 ただ、その過程において、知的な興奮が得られるはずです。わからなかったことがわかるようになる、できなかったことができるようになる、そして、ひとつのことがわかっても、さらに新しい疑問が生まれるという連鎖を、ぜひ経験してもらえればと思います。
ーー阿部和広
作る楽しさを「すべての年齢の子どもたち」に
「こんなこともできるんだ! 」という驚きと奥深さ、楽しさを
序章 「跳ねるボール」を作りながら、Scratch の操作に慣れよう
1 章 40 人クラスで同じ誕生日の人がいる確率は
2 章 ダーツを 4 万本投げて円周率を求めよう
3 章 三角関数を使って万華鏡のような模様を作ろう
4 章 フラクタル図形を描いてみよう
5 章 コンピューターのキホン、加算器を作ってみよう
6 章 レイキャスティングを使って 3D 迷路を作ってみよう
終章 Scratch を改造して独自拡張機能を作ってみよう
補章 Scratch 3.0 の始め方
ふたたび、ホビープログラミング
技書の森解説
Scratch のブロックを組み合わせて、確率や円周率、三角関数、フラクタル図形、論理回路、3D 表示といった数理の題材を作品として形にしていく本が『Scratch で楽しく学ぶアート & サイエンス 改訂第 2 版』です。著者は石原淳也、監修は阿部和広で、日経 BP から 2021 年 8 月 26 日に発売されました。国立国会図書館の書誌には初版が 2018 年に日経 BP 社から刊行されたと記録されており、この改訂第 2 版は Scratch 3.0 に対応しています。版元の紹介文は「Scratch は子ども向け? ゲームばかり? いえいえ、そんなことはありません。」と問いかけ、Scratch の奥深さを作品づくりで確かめる一冊と位置づけています。
跳ねるボールから 3D 迷路まで、序章と全 6 章の題材
本文は序章と 1 章から 6 章、終章、補章の構成です。跳ねるボールを作りながら Scratch の操作に慣れる序章のあと、1 章「40 人クラスで同じ誕生日の人がいる確率は」、2 章「ダーツを 4 万本投げて円周率を求めよう」、3 章「三角関数を使って万華鏡のような模様を作ろう」、4 章「フラクタル図形を描いてみよう」、5 章「コンピューターのキホン、加算器を作ってみよう」、6 章「レイキャスティングを使って 3D 迷路を作ってみよう」と進みます。終章は「Scratch を改造して独自拡張機能を作ってみよう」で、補章「Scratch 3.0 の始め方」が付き、最後は「ふたたび、ホビープログラミング」と題したおわりにで締めくくられます。版元の紹介文が挙げる題材は、等加速度運動、確率、2 進法、論理回路、三角関数、モンテカルロ法、再帰、疑似 3D 表示です。
改訂第 2 版で加わった 3D 迷路と独自拡張機能
紹介文によると、改訂第 2 版ではすべての章を Scratch 3.0 に対応させたうえで、6 章の 3D 迷路と終章の独自拡張機能が新たに加わりました。あわせて、第 1 版の 1 章から 5 章までの内容を見直し、簡単なプロジェクトから少しずつ難易度が高くなるように章を入れ替えています。
モンテカルロ法、再帰、加算器の背景にある考え方
題材の多くは、計算機科学の基本的な考え方とつながっています。ダーツで円周率を求める方法はモンテカルロ法と呼ばれ、正方形の中に一様に点を打ち、内側の円に入った点の割合から面積比を推定します。試行を増やすほど推定は真の値に近づきますが、精度を 1 桁上げるには試行を約 100 倍に増やす必要があり、乱数による近似の性質が現れる題材です。フラクタル図形は、図形の一部が全体と同じ形を繰り返す構造で、自分自身を呼び出す 再帰 と相性のよい対象です。加算器は 2 進数の足し算を論理ゲートの組み合わせで実現する回路で、CPU の演算回路の基本部品です。レイキャスティングは、視点から画面の列ごとに光線を飛ばし、壁までの距離に応じて描く壁の高さを変えることで、平面の地図から奥行きのある画面を作る手法です。
数理を作品で確かめたい人に向く理由
目次は「すべての年齢の子どもたち」に作る楽しさを、という言葉で始まり、序章と補章で Scratch の操作と始め方を扱っています。題材は確率や三角関数、2 進法のように学校の数学や情報の授業とつながる内容が中心で、問題集のように答えを覚えるのではなく、動く作品を作りながら確かめる形です。阿部和広は刊行時のプロフィールで Squeak Etoys と Scratch の日本語版を担当したと紹介されており、石原淳也は CoderDojo 調布の主宰や、子どもたちにプログラミングを教える活動を続けてきたと紹介されています。おわりにの抜粋で阿部和広が書くとおり、資格やお金に直結する本ではありません。業務で使う言語の習得や、試験対策を目的にする人には別の本が合います。
反対に、数学の概念を目に見える形で動かしてみたい学生や、Scratch でゲーム以外の作品に挑戦したい人、授業やプログラミング教室で使える題材を探している指導者にとっては、作品ごとに数理の考え方を確かめられる題材集です。