メタバース進化論ーー仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界
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- 著者:
- バーチャル美少女ねむ(バーチャルビショウジョネム)
- 注目:
- 総合 1073 位
- 出版社:
- 技術評論社
- 出版日:
- 2022年03月19日頃
- ISBN:
- 9784297127558
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
大須賀美恵子氏 (大阪工業大学特任教授・日本バーチャルリアリティ学会会長[2020/21 年度])、深津貴之氏 (note CXO) 推薦!
メタバース発、人類を別次元にいざなう衝撃のルポルタージュ!
【メタバースは我々に何をもたらすのか? “原住民”が語るメタバース解説の決定版】
メタバースでは「新たな人類」が文化を築きつつあるーー期待が膨らむメタバースの本当の姿、そして真の可能性とは? 仮想現実世界の住人が物理現実世界の私たちに伝える、衝撃のルポルタージュ!
Meta (旧 Facebook) の事業計画と社名変更の発表以来、注目度が急上昇した「メタバース」。本書は、特にソーシャル VR に焦点をあてて、メタバースについて解説します。ただし、単なるソーシャル VR の概説ではありません。メタバースが人間の在り方を劇的に進化させる可能性を考察する、仮想現実住民である著者が物理現実に住む私たちへおくるディープで刺激的な「別次元のルポルタージュ」です。
前半では現状の主なソーシャル VR サービスの概要の紹介や、VR ゴーグル、トラッキング、アバターといった関連技術の簡単な解説を行います。現在最もメタバースを実現していると考えられる「ソーシャル VR」とはそもそもどのような世界なのでしょうか? 住民ならではの視点で基本的な事項をわかりやすく整理します。
後半では、ソーシャル VR ユーザーへのアンケート調査や著者本人の経験にもとづき、アバターをまとうことによるアイデンティティやコミュニケーションの変化を考察します。また、アバターと事実上無限で自由な空間性に注目して、経済分野における可能性も指摘します。これらを通じて、肉体や空間に縛られてきた人間社会がメタバースによって劇的に変化しうること、そしてそうした「進化」の萌芽が現在のソーシャル VR にはすでにみられることを論じます。
仮想現実では多くの人が「美少女」になる?
アバターをまとった人間同士の恋愛関係が生まれる?
存在しないはずの「しっぽ」を触られたと感じる人たちがいる?
ーー本書が扱う内容は仮想現実の文化のほんの一側面にすぎません。物理現実とは違った「別の現実」の在り方を目撃してください。
【推薦!】
大須賀美恵子氏 (大阪工業大学特任教授・日本バーチャルリアリティ学会会長[2020/21 年度])
「1,200 人を対象とした調査と広い知識に基づいた論理的展開がすばらしい。」
深津貴之氏 (note CXO)
「メタバースを理解したいなら、メタバースで生活している人々の生の声を聞こう。」
技書の森解説
メタバースと呼ばれる仮想空間の中でも、とくにソーシャル VR に焦点を当て、その世界で日々を過ごす著者が内側から実情と可能性を伝える本です。『メタバース進化論ーー仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』はバーチャル美少女ねむ 著で、技術評論社から 2022 年 3 月に発売されました。版元はこの本を、仮想現実の住人が物理現実の読者に向けて書いたルポルタージュと紹介しており、版元のページによれば「IT エンジニア本大賞 2023」のビジネス書部門で大賞を受賞しています。版元が挙げる読者像は、メタバースの可能性について深く知りたい / 考えたい人と、フィクションで描かれた仮想現実世界が好きな人です。
はじめにと全 7 章の構成、定義と技術から身体からの解放まで
はじめにでは、1,200 人のメタバース原住民を分析した「ソーシャル VR 国勢調査」が紹介されます。後半の考察は、版元の紹介によればこうしたアンケート調査と著者本人の経験にもとづいています。第 1 章「メタバースとは何か」はメタバースという言葉の由来と前史をたどり、実現に必要な七要件という定義を示したうえで、SNS、オンラインゲーム、AR と VR、NFT とブロックチェーンのいずれともメタバースは同じではないと整理し、アイデンティティ、コミュニケーション、経済の「三つの革命」を提示します。第 2 章「ソーシャル VR の世界」は VRChat、Neos VR、cluster、バーチャルキャストを七要件に基づいて比べ、利用者のプロファイルと Meta の Horizon Worlds にも触れます。第 3 章「メタバースを支える技術」は VR ゴーグル、トラッキング技術、アバター技術の 3 つを扱います。第 4 章から第 6 章が三つの革命をそれぞれ論じる部分で、第 4 章「アイデンティティのコスプレ」は名前、アバター、声、第 5 章「コミュニケーションのコスプレ」は距離感やスキンシップ、恋愛、第 6 章「経済のコスプレ」は分人経済と超空間経済、メタバースで生まれる職業を取り上げます。第 7 章「身体からの解放」はファントムセンスと呼ばれる感覚の実態調査から、触覚スーツや BMI によるフルダイブ VR への期待までを扱い、おわりにで締めくくられます。
トラッキングとアバターの規格が体験を左右する理由
ソーシャル VR の体験の質は、映像の美しさ以上に、自分の動きがどれだけ正確にアバターへ伝わるかで決まります。頭の向きだけを追う 3DoF に対し、6DoF は頭の位置の移動まで追うため、しゃがむ、のぞき込むといった動作がそのまま仮想空間に反映されます。追跡の方式も、部屋に置いた外部のセンサーで測るアウトサイドイン方式と、ゴーグル自体のカメラで周囲を測るインサイドアウト方式で準備の手間と精度の釣り合いが変わり、腰や足にセンサーを付けて全身を動かすフルトラッキングまで進むと、身ぶりによる非言語のやり取りが一段と豊かになります。本書の第 3 章はこうした要素に加え、アバターの統一規格である VRM も取り上げています。アバターのデータ形式が共通であれば、1 つの姿を複数のサービスで使い続けられるため、名前や声と並んでアバターがその人のアイデンティティとして定着しやすくなります。
メタバースの企画に関わる人と仮想世界に関心がある人へ
この本は VR アプリケーションの開発手順や、特定のサービスの操作を学ぶ技術書ではありません。また、はじめにで著者自身が「投資期待で本書を手にとった方などは失望するかもしれません」と書いているとおり、短期的な投資の判断材料を求める人にも向きません。扱われるサービスや機器、調査の数字は 2022 年 3 月の発売時点のものなので、その時点の記録として読む前提も必要です。
一方で、この本は、メタバースに関わる企画や事業、サービス開発に携わる人のうち、その空間に実際に暮らす人々がアバターや声をどう使い分け、どのような距離感で付き合っているのかを、調査の数字と当事者の言葉の両方で知りたい人に向く本です。仮想世界を描いたフィクションが好きな人にとっても、物語の中の出来事に近い文化がすでに形になっている様子を確かめられる 1 冊です。