現場のプロがわかりやすく教える位置情報エンジニア養成講座

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現場のプロがわかりやすく教える位置情報エンジニア養成講座の表紙
プログラミング
著者:
井口奏大(イグチカナヒロ)
出版社:
秀和システム
出版日:
2023年02月28日
ISBN:
9784798068923
在庫:
在庫あり
0
中級者向け
プログラミングモバイル開発位置情報ウェブ開発サーバーサイドクライアントサイドPWAデータ処理APIベストプラクティス

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総合236位 ↓ 3 ランクダウン 言及 13 件・うち記事 10 件を掲載
言及数
269位
出版前出版日02420222023202420252026

書籍紹介

ウェブで位置情報を扱う際は、大規模なデータを利用するため、クライアントサイドとサーバーサイドの両面で多くの工夫・発明が日々なされており、そのことが初学者にとって理解を難しくしています。しかし、これらを体系的に整理した資料や書籍が少ないというのが現実です。そこで本書では、最短距離で「位置情報アプリケーションを開発できるようになる」「要件に応じたベストプラクティスを学べる」「最新のトレンドを把握できる」ように構成しており、この一冊で位置情報エンジニアとしての知識がすべて身に付きます。
まずは位置情報を使ったサービス・アプリ開発に必須となる知識や概念を説明し、次にアプリケーション開発に必要となる技術やデータの入手・加工方法などを解説します。独特の概念や、通常のウェブ開発では使わない技術などがあるため、しっかりと解説しています。

次に、基礎知識として学んだことを利用して、実際に単純なウェブアプリケーションを開発しながら、サーバ側とデバイス側の実装に必要なプログラミング技術を解説します。さらに、実用的なサンプルウェブアプリケーションを構築し、さらに PWA としてスマートフォンにも対応させます。

また、サンプルアプリケーションのソースコードはすべて公開されているので、まずは動作を確認して概念を理解し、それから自分で再実装してみて、さらにカスタマイズを行ってオリジナルアプリケーションを構築するといったように、ステップバイステップで学ぶことができます。

第 1 章 位置情報の世界

第 2 章 位置情報の基本

第 3 章 位置情報データの取得・加工

第 4 章 位置情報アプリケーション開発: 入門編

第 5 章 位置情報アプリケーション開発: 実践編

技書の森解説

Web で地図や位置情報を扱う仕事は、普段の Web 開発とは別の知識を求めます。井口 奏大 著『現場のプロがわかりやすく教える位置情報エンジニア養成講座』 (秀和システム、2023 年 2 月発売) は、副題「GIS の基礎からオリジナル地図作成・PWA アプリ制作まで」のとおり、経緯度や地図投影法といった基礎から、データの取得と加工、ブラウザーで動く地図アプリケーションの開発、スマートフォン対応までを全 5 章で通して学ぶ入門書です。版元は、位置情報技術は進化が速いうえに古くからの仕様や規格も理解しておく必要があり、それを体系的に整理した資料がほとんどないと述べ、初学者向けに基礎から解説すると案内しています。

経緯度と投影法から地図タイルまで、全 5 章の構成

第 1 章「位置情報の世界」は、地理院地図、気象庁ナウキャスト、Google マップを例に位置情報アプリケーションの姿を示し、FOSS4G と OpenStreetMap を紹介します。第 2 章「位置情報の基本」は、経緯度、ウェブメルカトルと平面直角座標系、ベクトルデータとラスターデータの違い、GeoJSON や ESRI Shapefile、ベクトルタイル、GeoTIFF といったファイル形式を扱い、配信方法として地図タイルの仕組みと Cloud Optimized GeoTIFF (COG) まで進みます。第 3 章「位置情報データの取得・加工」は QGIS を使い、OpenStreetMap、地理院タイル、国土数値情報、基盤地図情報などのデータをライセンスの確認から入手し、属性の編集、形式や投影法の変換、tippecanoe によるベクトルタイル化、陰影図や傾斜量図の作成までを手順で追います。第 4 章「位置情報アプリケーション開発: 入門編」は Leaflet、MapLibre GL JS、Turf.js を中心に、ピンや図形を地図に載せるテーマ別のハンズオンを重ね、第 5 章「位置情報アプリケーション開発: 実践編」で防災マップを作ります。

地図タイルとベクトルタイルが要る理由

位置情報のデータは、国全体の道路や建物になると一度にブラウザーへ送れる量を超えます。そこで Web 地図では、地図を縮尺ごとに決まった大きさの区画へ分割して、表示している範囲の分だけを取りに行く地図タイルの方式が広く使われています。画像として配るラスタータイルは描画が軽い反面、色や表示の切り替えのたびに作り直しが要ります。ベクトルタイルは図形と属性のまま配るため、ブラウザー側でスタイルを変えられ、拡大しても線がぼやけません。本書の第 2 章が配信方法に節を割き、第 3 章でタイル化の手順まで踏むのは、この配信の工夫を理解しないと大量のデータを扱う地図アプリケーションが作れないからだと読めます。地図投影法も同様で、Web 地図の標準であるウェブメルカトルと、測量で使う平面直角座標系の違いを知らないまま重ね合わせると、データの位置がずれる原因になります。

防災マップの開発と PWA 化、実践編の読みどころ

第 5 章は Node.js と npm で開発環境を整え、MapLibre GL JS の背景地図に、ハザードマップポータルサイトの地図タイルを重ね、QGIS で作った指定緊急避難場所のベクトルタイルを表示します。利用者の居場所の表示、Turf.js による最寄りの避難場所までの距離計算、地形データを使った陰影図と 3D 地形の表示を加え、最後に PWA として設定して iOS と Android での挙動を確かめます。書誌の紹介文によると、サンプルアプリケーションのソースコードはすべて公開されており、動作を確認してから自分で再実装し、カスタマイズしてオリジナルのアプリケーションへ広げる進め方を想定しています。第 3 章で加工したデータが第 5 章の画面に載るまでを一続きで経験できるのが、この本の組み立ての強みです。

Web 開発の経験がある初学者に向く理由と、別の本を選ぶ場面

第 4 章以降は JavaScript の地図ライブラリを使うため、HTML と JavaScript でページを組んだ経験があると入りやすい構成です。一方で、扱うのはデータ加工の QGIS と tippecanoe、表示側のライブラリが中心で、目次には空間データベースを使ったサーバー側の検索や集計を扱う節は見当たりません。位置情報をデータベースで大量に検索するバックエンドの設計を学びたい場合は、別の本で補う必要があります。版元のページでは、同じ著者の『位置情報を扱う人のための実践 QGIS』と『現場のプロがわかりやすく教える位置情報デベロッパー養成講座』が関連書籍として挙がっており、QGIS を深く使いたい人はそちらも候補になります。

地図アプリケーションの開発を任されたものの、投影法やタイルという言葉の段階でつまずいている Web エンジニアや、OSS の地図ツールを組み合わせて自分の地域のデータを地図にしてみたい人にとって、基礎の理屈からスマートフォンで動く成果物までを 1 冊で通せる本書は、遠回りを減らせる入口になります。

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