人工知能システムのプロジェクトがわかる本 企画・開発から運用・保守まで
ジンコウチノウシステムノプロジェクトガワカルホン キカクカイハツカラウンヨウホシュマデ
- 著者:
- 本橋 洋介(モトハシ ヨウスケ)
- 出版社:
- 翔泳社
- 出版日:
- 2018年02月15日頃
- ISBN:
- 9784798154053
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
自社システムに人工知能を導入したいときに読む本!
機械学習をはじめとする人工知能への期待は増加していますが、
人工知能が搭載されたシステムを開発するプロジェクトマネージャの数は足りておらず、その数は今後さらに必要になっていきます。
また、大規模システムに人工知能が入るようになっていくと、それを運用・保守する仕事も必要となります。
大規模なシステムになるほど、「開発工程において何をするのか」を規定することが重要であり、
人工知能が搭載されたシステムの開発で行うことを体系的に理解しなければなりません。
本書では、人工知能システムを企画・開発し、運用・保守したい人向けに、
企画から運用までの一連のプロセスのノウハウを解説します。
【本書のポイント】
・人工知能システムの開発を行うエンジニアやプロマネ向けのノウハウ集
・人工知能システムの企画書や開発計画書が書けるようになる
・人工知能のトライアルを計画・実施できるようになる
・人工知能システムの開発および運用・保守の一連のプロセスを把握できる
Chapter1 実用化されつつある人工知能
人工知能の定義
人工知能の歴史
人工知能の利用用途
認識の具体例
分析の具体例
対処の具体例
Chapter2 通常のシステムと人工知能システムの開発プロセスの違い
人工知能システムの開発プロセス
企画フェーズでの特徴
トライアルフェーズでの特徴
開発フェーズでの特徴
運用・保守フェーズでの特徴
Chapter3 人工知能システムの企画
目的の設定
システム構成の検討
業務フローの作成
データ選び
スケジュール検討
運用・保守方針の検討
Chapter4 人工知能プロジェクトのトライアル
トライアルのプロセス
分析内容定義
データ観察
モデル設計
データの加工
結果の評価 (1)-評価指標の決定
結果の評価 (2)-精度の評価
結果の評価 (3)-解釈性の評価
結果の評価 (4)-過学習度合いの評価
結果の評価 (5)-CASE STYDY での評価例
Chapter5 人工知能システムの開発
開発フェーズのプロセス
要件定義工程 (1)-計画作りー
要件定義工程 (2)-精度の確認ー
要件定義工程 (3)-データ量の決定ー
要件定義工程 (4)-更新方法の決定ー
要件定義工程 (5)-学習データが少ないときの対応方法
要件定義工程 (6)-異常値処理方法の決定
設計工程
テスト工程
Chapter6 人工知能システムの運用・保守
人工知能を見守る
人工知能を育てる (1)-自動再学習ー
人工知能を育てる (2)-忘れさせるー
人工知能を育てる (3)-新しい知識を教えるー
人工知能と人の協調
付録
提案依頼書
開発提案書
トライアル分析提案書
トライアル分析報告書
WBS
機能要件定義書・非機能要件定義書
要件定義のためのデータ分析結果報告書
技書の森解説
人工知能を組み込んだシステムを、企画から開発、運用 / 保守までどう進めればよいかを、プロジェクトの工程に沿って解説した本が『人工知能システムのプロジェクトがわかる本』 (本橋洋介 著、翔泳社、2018 年 2 月 15 日発売) です。副題は「企画・開発から運用・保守まで」です。版元の紹介は「自社システムに人工知能を導入したいときに読む本!」と打ち出し、本書のポイントの最初に「人工知能システムの開発を行うエンジニアやプロマネ向けのノウハウ集」を挙げています。ほかのポイントとして、企画書や開発計画書が書けるようになること、人工知能のトライアルを計画 / 実施できるようになること、開発と運用 / 保守の一連のプロセスを把握できることが並びます。
人工知能の定義から運用 / 保守まで、全 6 章と付録の構成
Chapter1「実用化されつつある人工知能」は人工知能の定義、歴史、利用用途を押さえ、認識、分析、対処のそれぞれに具体例を添えます。Chapter2「通常のシステムと人工知能システムの開発プロセスの違い」は、開発プロセスの全体像に続いて、企画、トライアル、開発、運用 / 保守の各フェーズの特徴を示します。そのあと Chapter3「人工知能システムの企画」、Chapter4「人工知能プロジェクトのトライアル」、Chapter5「人工知能システムの開発」、Chapter6「人工知能システムの運用・保守」と、Chapter2 で示したフェーズの順に章が続きます。付録には提案依頼書、開発提案書、トライアル分析提案書、トライアル分析報告書、WBS、機能要件定義書 / 非機能要件定義書、要件定義のためのデータ分析結果報告書の 7 項目が収められています。
開発の前にトライアルを置く理由と、評価の観点
通常の業務システムでは、要件として書いた振る舞いをプログラムで実現できるかどうかを、作る前にかなりの程度まで見積もれます。機械学習 を組み込んだシステムは事情が違い、どこまでの精度が出るかは手元のデータで実際に学習させてみるまで分からず、データの量や質しだいで同じ手法でも結果が大きく変わります。開発の本工程に入る前に小さく試して見込みを確かめる段階を設けるのは、この不確かさを先に減らすためです。Chapter4 はトライアルのプロセス、分析内容定義、データ観察、モデル設計、データの加工に続き、結果の評価を評価指標の決定、精度の評価、解釈性の評価、過学習度合いの評価、事例での評価例の 5 つに分けています。学習に使ったデータには高い精度を示すのに未知のデータでは崩れるモデルは、業務に載せた途端に期待外れになるため、精度の数字だけで判断しない観点を並べた構成です。
要件定義で決めるデータの扱いと、運用で育てるモデル
Chapter5 の要件定義工程は、計画作り、精度の確認、データ量の決定、更新方法の決定、学習データが少ないときの対応方法、異常値処理方法の決定の 6 つに分かれ、そのあとに設計工程とテスト工程が続きます。Chapter6 は人工知能を見守ることから始まり、育てる話題として自動再学習、忘れさせること、新しい知識を教えることを挙げ、人工知能と人の協調で締めくくります。学習済みのモデルは、入力されるデータの傾向が業務の変化とともにずれていくと、作った時点の精度を保てなくなります。そのため、どの頻度でどのデータを使って作り直すかは、運用に入ってからではなく作る前の段階で決めておく必要があります。モデルの学習、配備、監視、再学習を継続的に回すための実践の体系は MLOps と呼ばれます。本書の目次にこの語は出てきません。
AI 導入を進めるエンジニアとプロジェクトマネージャーに向く理由
版元が想定する読者は、人工知能システムを企画 / 開発し、運用 / 保守したい人で、ポイントにはエンジニアとプロマネ向けと明記されています。目次にはプログラミング言語やライブラリの名前を冠した章や節は無く、アルゴリズムを実装する力を伸ばしたい人には向きません。2018 年の刊行なので、大規模言語モデルを組み込んだシステムを扱う章や節も目次にはありません。機械学習の手法そのものを学ぶ本の選び方は 機械学習とディープラーニングの本の選び方 にまとめています。社内で人工知能を使ったシステムの導入を任され、提案依頼書や計画書をどう書き、トライアルで何を確かめ、運用でモデルをどう保つかを工程ごとに整理したいエンジニアやプロジェクトマネージャーにとって、本書は手元に置いて工程を確かめながら使える一冊です。
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