はじめてでもできる Git と GitHub の教科書(ハジメテデモデキル ギットトギットハブノキョウカショ)
ソフトウェア工学・設計- 著者:
- たにぐち まこと(タニグチ マコト)
- 出版社:
- SBクリエイティブ
- 出版日:
- 2022年07月25日頃
- ISBN:
- 9784815615390
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
技書の森解説
Git の学習が難しいのは、コマンドを覚える前に「そもそもバージョン管理とは何で、なぜファイルのコピーではだめなのか」という概念の段差があるからです。『はじめてでもできる Git と GitHub の教科書』 (SB クリエイティブ、 2022 年 7 月刊) は、その一番手前の段差から埋めていく入門書です。著者のたにぐちまこと氏は、 Web 制作会社エイチツーオー・スペースと学習コンテンツのともすた合同会社を率い、『よくわかる PHP の教科書』をはじめ入門書の執筆を重ねてきた書き手で、ターミナルに慣れていない読者を置き去りにしない運びが持ち味です。
SourceTree とコマンドラインの二段構え
本書の設計で効いているのは、 GUI クライアントの SourceTree による視覚的な操作と、コマンドラインによる操作の両方を扱う二段構えです。 Git の難所であるブランチやマージは、履歴が枝分かれして合流する「絵」として理解できるかどうかが分かれ目で、最初に SourceTree の画面で構造を目に焼き付けてからコマンドに対応づけると、`git` と黒い画面への恐怖心がほどけていきます。構成も Git とは何かから始まり、使ってみる、ブランチを理解する、 GitHub を使ってみる、そして Git と GitHub それぞれを使いこなす章へと、一本道で進みます。
想定読者はチーム開発の入口に立つ人
読者として想定できるのは、プログラミング学習を始めたばかりでポートフォリオを GitHub に置きたい人、そしてエンジニアと同じリポジトリで仕事をすることになったデザイナー・ディレクター・テクニカルライターといった非エンジニア職です。チーム開発の入口で求められるのは高度な Git 操作ではなく、クローン・コミット・ブランチ・プルリクエストという一連の流れを事故なく回せることで、本書の範囲はちょうどそこに照準が合っています。「日常的に使ってはいるが、 ブランチ運用 やマージの仕組みを一度も体系的に学んでいない」という自己流の人の再入門にも向きます。
留意点は画面の更新と守備範囲の 2 つ
留意点は 2 つです。第 1 に、 GitHub のような Web サービスの画面や機能は更新されていくため、 2022 年刊行時点のスクリーンショットと手元の画面が部分的に異なることは織り込んでおく必要があります (Git 自体のコマンド体系は安定しており、この層は古びにくい部分です) 。第 2 に、 rebase を駆使した歴史の整理や Git の内部構造といった中級以降の話題は本書の守備範囲ではなく、実務でチーム運用を設計する立場になったら 次の一冊 が要ります。
最初の一冊としての価値
それでも、「 Git が怖い」を「 Git は道具」に変える最初の一冊としての完成度は高く、視覚操作とコマンドの橋渡しという設計は独学との相性が良好です。バージョン管理を避けてきたことが学習や転職の足かせになりかけている人にとって、数時間の読書と演習でチーム開発の入場券が手に入るなら、安い投資と言えます。
言及 Qiita 記事 (2 件)
この本に興味がある方におすすめ
この本に関連
関連記事
技術書のサンプルコードが動かないときの対処法
技術書のサンプルコードがエラーで動かない原因と、自力で解決するための具体的な手順を解説します。バージョン違い、環境差異、誤植への対応方法。
Git / GitHub 本ガイド - マンガ / GUI / 仕組み理解の 3 つの入口で選ぶ
Git と GitHub を学ぶ本の選び方を「入口の違い」で整理。マンガで概念を掴む本、GUI から入る本、仕組みを腹落ちさせる本、チーム開発の作法を学ぶ本、手元に置くリファレンスまで、2026 年 8 月時点の定番書で独学ルートを解説します。
Linux 本ガイド - コマンドライン / しくみ / 性能の 3 層で選ぶ技術書
Linux を学ぶ技術書の選び方を 3 層 (コマンドラインの操作 → カーネルのしくみ → 性能と運用) で整理。新しい Linux の教科書や [試して理解] Linux のしくみなどの定番書の使い分けと、学ぶ順番を解説します。
関連用語
CodePipeline
AWS のマネージド CI/CD サービスで、ソースからデプロイまでのパイプラインを自動化する
GitHub
Git を基盤としたソースコードのホスティング / 共同開発プラットフォーム
GitHub Actions
GitHub に統合された CI/CD プラットフォームで、ワークフローを YAML で定義して自動実行する
GitHub Flow
main ブランチとフィーチャーブランチだけで運用するシンプルなブランチ戦略
Git Flow
feature、develop、release、hotfix、main の 5 種類のブランチで開発を管理するブランチ戦略
Git
分散型バージョン管理システムで、ソースコードの変更履歴を管理する