ネットカルマ 邪悪なバーチャル世界からの脱出
ネットカルマ ジャアクナバーチャルセカイカラノダッシュツ
- 著者:
- 佐々木 閑(ササキ シズカ)
- 注目:
- 総合 1476 位
- 出版社:
- KADOKAWA
- 出版日:
- 2018年08月10日頃
- ISBN:
- 9784040821450
- シリーズ:
- 角川新書
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
(目次)
はじめに ネットカルマとはなにか
第一章 現代社会が生んだ新しい苦
仏教はストレスと闘うために生まれた
仏教前夜ーー古代インドでは何が「苦」だったか
ブッダの考えた業と因果
ブッダは「生きることは苦しみだ」と気づいた
「ニュートラル」に生きるとは
善の仏教的二重構造
善のインスタント化
日本的業の世界
現代社会に現れた新しい「業」と「苦」
技術には良いも悪いもない
インターネットと業
あらゆる場面が刻々と記録されていく
業の世界に神はいない
より悪質な業
いびつな因果システム
すべての人間が「歴史上の人物」になる?
忘れてもらえない恐ろしさ
世代を超えてしまう業
くり返し降りかかる業の報い
ネットに縛られた苦しみの世界を抜け出すために
第二章 ネットカルマに対抗するために
善と悪の基準は何か
ネットの中にある善悪の二重構造
ネットの価値観から離れるために
すべて建前で生きる
ネット上のサンガ
自分自身の価値観を築く
第三章 ネットカルマが襲いかかってきたら
子どもたちに負の側面を教える
「ばれないだろう」はすでに古い考え
ネット業の報いを受けている人たちをどう受け止めるか
生老病死インターネット
ネットで苦しむ人たちへの言葉
世界観の転換
共感者がいるという確信
同じ境遇の人との連携
新たな世界を作っていこうという意志
第四章 ブッダの言葉に学ぶ
時代を超えて普遍的な価値を持つ言葉
ブッダの言葉
ダンマパダ一六〇、一〇三、五〇、二五二、一五八ほか
スッタニパータ第三ー八五七、第三ー四五ほか
真の賢人の言葉
あとがき
技書の森解説
一度ネットに残った言動は簡単には消えず、何年たっても掘り返されます。『ネットカルマ 邪悪なバーチャル世界からの脱出』は、この仕組みがもたらす苦しみを仏教の業 (カルマ) と因果の考え方で読み解き、ネットの価値観から距離を取る道を探る新書です。著者は仏教学者の佐々木 閑で、KADOKAWA の角川新書 (K-224) として 2018 年 8 月 10 日に発売されました。刊行時の著者プロフィールによると、著者は京都大学の工学部工業化学科と文学部哲学科仏教学専攻を卒業し、花園大学文学部仏教学科教授を務め、NHK の番組「100 分 de 名著」で講師を担当しています。版元ドットコムの書評掲載情報では、刊行後に朝日新聞と日本経済新聞の朝刊に書評が載っています。
はじめにと全 4 章、ブッダの業の理屈からネットの苦へ
目次は「はじめに ネットカルマとはなにか」に始まり、全 4 章とあとがきで構成されています。第一章「現代社会が生んだ新しい苦」は「仏教はストレスと闘うために生まれた」「ブッダの考えた業と因果」で仏教の側の理屈を押さえてから、「技術には良いも悪いもない」「インターネットと業」へ進み、「忘れてもらえない恐ろしさ」「世代を超えてしまう業」といった節でネット社会の苦を描きます。第二章「ネットカルマに対抗するために」には「すべて建前で生きる」「ネット上のサンガ」「自分自身の価値観を築く」などの節が並びます。第三章「ネットカルマが襲いかかってきたら」は「子どもたちに負の側面を教える」から「同じ境遇の人との連携」「新たな世界を作っていこうという意志」まで、報いを受けた人や周りの人の受け止め方を扱います。最後の第四章「ブッダの言葉に学ぶ」では、ダンマパダとスッタニパータの言葉を引いています。
ネットの記録が消えにくい技術的な理由
本書の問題意識を支えているのは、ネット上の記録が人の記憶とは違う形で残り続けるという性質です。投稿は送った瞬間に配信元のサーバーだけでなく、閲覧した人の端末、転載先、検索エンジンの索引、ページを保存するサービスなどへ複製されていきます。元の投稿を削除しても、こうした複製の一つひとつを消す手段は投稿者の手元にありません。画面の写しは画像として出回るため、文字の検索から外れても人の手で再び拡散されます。さらに検索は、時間がたった出来事を名前と結びつけていつでも呼び出せるようにします。人の記憶なら時とともに薄れる出来事が、ネットでは鮮度を保ったまま何度でも目の前に戻ってくるわけです。仏教の業は、行為がその後の結果を生む力として残り続けるという考え方です。目次には「業の世界に神はいない」「いびつな因果システム」という節題が並びます。
削除や法的手続きの手引きではなく、受け止め方を考える本
目次に、投稿の削除依頼や SNS の設定、法的な対応の手順を扱う項目はありません。2018 年の刊行なので、取り上げられるネットの姿はその時点のものです。本書が扱うのは、ネットの記録が生む苦しみの受け止め方です。第二章に「自分自身の価値観を築く」、第三章に「子どもたちに負の側面を教える」「同じ境遇の人との連携」の節があり、ブッダ以来の仏教の思索を借りて、報いを受けた人と周りの人の向き合い方を考えます。
この本に興味がある方におすすめ
関連する本
関連記事
ネットワーク本ガイド - TCP/IP の教科書からプロトコル各論や実務書までの選び方
ネットワークを学ぶ技術書の選び方を 3 段階 (全体像の教科書 → HTTP や DNS のプロトコル各論 → 実務と運用) で整理。マスタリング TCP/IP や図解入門 TCP/IP などの定番書の使い分けと、ネットワーク本の賞味期限の考え方を解説します。
OS / 低レイヤー本ガイド - コンピューターの仕組みを学ぶ技術書の選び方
OS、コンパイラー、ネットワークなど低レイヤーを学べる技術書の 4 ジャンルと、どこから始めるべきかの指針、賞味期限の見極め方を紹介します。
インフラ / クラウド本ガイド - AWS や Docker を本で学ぶ
クラウドインフラ、コンテナ、IaC を学べる技術書の選び方と学習順序を紹介。インフラ本の賞味期限問題と公式ドキュメントとの使い分けも解説します。