ネットカルマ 邪悪なバーチャル世界からの脱出(ネットカルマ ジャアクナバーチャルセカイカラノダッシュツ)
その他- 著者:
- 佐々木 閑(ササキ シズカ)
- 出版社:
- KADOKAWA
- 出版日:
- 2018年08月10日頃
- ISBN:
- 9784040821450
- シリーズ:
- 角川新書
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
(目次)
はじめに ネットカルマとはなにか
第一章 現代社会が生んだ新しい苦
仏教はストレスと闘うために生まれた
仏教前夜ーー古代インドでは何が「苦」だったか
ブッダの考えた業と因果
ブッダは「生きることは苦しみだ」と気づいた
「ニュートラル」に生きるとは
善の仏教的二重構造
善のインスタント化
日本的業の世界
現代社会に現れた新しい「業」と「苦」
技術には良いも悪いもない
インターネットと業
あらゆる場面が刻々と記録されていく
業の世界に神はいない
より悪質な業
いびつな因果システム
すべての人間が「歴史上の人物」になる?
忘れてもらえない恐ろしさ
世代を超えてしまう業
くり返し降りかかる業の報い
ネットに縛られた苦しみの世界を抜け出すために
第二章 ネットカルマに対抗するために
善と悪の基準は何か
ネットの中にある善悪の二重構造
ネットの価値観から離れるために
すべて建前で生きる
ネット上のサンガ
自分自身の価値観を築く
第三章 ネットカルマが襲いかかってきたら
子どもたちに負の側面を教える
「ばれないだろう」はすでに古い考え
ネット業の報いを受けている人たちをどう受け止めるか
生老病死インターネット
ネットで苦しむ人たちへの言葉
世界観の転換
共感者がいるという確信
同じ境遇の人との連携
新たな世界を作っていこうという意志
第四章 ブッダの言葉に学ぶ
時代を超えて普遍的な価値を持つ言葉
ブッダの言葉
ダンマパダ一六〇、一〇三、五〇、二五二、一五八ほか
スッタニパータ第三ー八五七、第三ー四五ほか
真の賢人の言葉
あとがき
技書の森解説
ネット上の失言や失敗はほぼ永久に記録され、時を置いて何度でも掘り返される。この構造がもたらす苦しみを、仏教の「業」の枠組みで読み解こうとするのが、佐々木閑氏が 2018 年に角川新書として刊行した本書です。書名のネットカルマとは、インターネットが生んだ新しい業、つまり一度の行為の記録が本人を縛り続け、世代すら超えて報いを及ぼしかねない仕組みを指しています。
全 4 章の運びは周到で、まず古代インドで仏教がどんな苦と向き合って生まれたかを説き、ブッダの考えた業と因果の理屈を押さえたうえで、あらゆる場面が刻々と記録されていくネット社会を「忘れてもらえない」新種の苦として位置づけます。続く章では、ネットの価値観から離れて自分の基準を築く対抗策、実際に矛先が向いたときの受け止め方や子どもへの教え方を論じ、最終章ではダンマパダやスッタニパータの言葉に立ち返ります。
仏教の予備知識は不要で、基礎概念は本文中で順に説明されます。炎上や誹謗中傷への対処を法律や設定変更の手前、生き方の水準で考えたい人に向く新書で、技術書が扱わない側面から SNS 時代を照らす読書になるはずです。
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