ゼロからわかる量子コンピュータ

ゼロカラワカルリョウシコンピュータ

ゼロからわかる量子コンピュータの表紙
セキュリティ
著者:
小林 雅一(コバヤシ マサカズ)
出版社:
講談社
出版日:
2022年06月15日頃
ISBN:
9784065282991
シリーズ:
講談社現代新書
在庫:
在庫あり
3.71(18 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
量子コンピューター量子アルゴリズム量子物理コンピュータサイエンス技術トレンド産業応用社会影響セキュリティビッグテック未来技術

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言及数
250位
総合449位 ↑ 3 ランクアップ 言及 11 件
出版前出版日01220222023202420252026

書籍紹介

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経済安全保障の最優先課題

「量子コンピュータ」について

わかりやすく解説した入門書!

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自動車・金融・化学・製薬・物流

メタバース・AI……

量子コンピュータは

世界をどう変えるのか?

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いま世界各国では、既存のスーパーコンピュータを
遥かに凌ぐとされる「量子コンピュータ」の

大規模な開発プロジェクトが進み始めている。

本書はそれを無条件に肯定したり、あるいは
逆に頭ごなしに否定するといった内容ではない。

量子コンピュータの基本的な原理から産業的側面、
さらには社会・政治的インパクトに至るまで、

多面的な事実を積み上げ考察を加えることにより、

その際どい実現可能性を検証していくのが

本当の狙いである。

はたして「夢の超高速計算機」は
本当に実現するのかーー。

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IBM,グーグル、

マイクロソフト、アマゾン……

ビッグテック参入のウラで

報じられていない実態とは?

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・・・本書のおもな内容・・・

第 1 章 巨額の投資対象に変貌した「科学の楽園」
ーー量子コンピュータとは何か

「経済安全保障」の最優先課題

これから高まる“量子人材”の必要性

2023 年が実用化へのターニングポイント

グーグル vs.IBM の激しい応酬

別路線を歩むマイクロソフトの意図

猛追するアマゾンの焦り ほか

第 2 章 現実離れした「量子コンピュータ」のしくみ
ーー謎の超高速計算機はどう動いているのか

量子力学の基本法則

全知全能の神ですらわからない「真の不確実性」

量子ビットの作り方

量子コンピュータ開発の技術的難題

量子コンピュータ=汎用性が高いとは言えない理由

巡回セールスマン問題は解けるのか?

「P≠NP 予想」とは ほか

第 3 章 量子コンピュータは世界をどう変えるのか
【自動車】渋滞を解消しサプライチェーンの最適化

【金融】投資ビジネスの競争優位性を高める

【化学】最適な組み合わせを見つけバッテリー開発に活かす

【製薬】創薬にかかる膨大な時間とコストを圧縮

【物流】配達ルートや輸送手段の効率化

【メタバース】巨大な仮想経済圏を難なく支える超並列コンピューティング

暗号破りコンテストの結果と次世代暗号導入を急ぐ理由

暗号をめぐる中国と米国の駆け引き ほか

技書の森解説

量子コンピューターは何がすごく、何がまだできないのか。その実現性をどう見積もればよいのかを、原理と産業と政治の 3 つの面から一冊で確かめたい人に向いた新書が、『ゼロからわかる量子コンピュータ』 (小林 雅一 著、講談社 (講談社現代新書)、2022 年 6 月刊) です。版元は本書を、経済安全保障の最優先課題である量子コンピューターを分かりやすく解説した入門書と紹介しています。そのうえで、開発を無条件に肯定も否定もせず、基本的な原理から産業的側面、社会 / 政治的インパクトまでの事実を積み上げて、「その際どい実現可能性を検証していくのが本当の狙い」だと説明しています。

第 1 章から第 3 章の主な内容、開発競争から産業への応用まで

版元が示す「本書のおもな内容」は第 1 章から第 3 章までで、各章の項目はいずれも末尾が「ほか」で省略されています。第 1 章「巨額の投資対象に変貌した「科学の楽園」」は、量子コンピューターとは何かを入口に、経済安全保障上の位置づけ、量子人材の必要性、グーグルと IBM の応酬、別路線を歩むマイクロソフト、追いかけるアマゾンといった開発競争の構図を扱います。刊行時点の 2022 年から見て、2023 年を実用化の転機と見る項目も置かれています。第 2 章「現実離れした「量子コンピュータ」のしくみ」は、量子力学の基本法則、量子ビットの作り方、開発の技術的難題、そして汎用性が高いとは言えない理由や巡回セールスマン問題、P≠NP 予想へと進みます。第 3 章「量子コンピュータは世界をどう変えるのか」は、自動車、金融、化学、製薬、物流、メタバースという分野ごとの応用の見込みと、暗号破りのコンテストや次世代暗号の導入、暗号をめぐる中国と米国の駆け引きを取り上げます。

量子ビットの強みと限界、暗号への影響という技術背景

量子コンピューター の理解でつまずきやすいのは、すべての計算が桁違いに速くなるという誤解です。量子ビットは 0 と 1 の重ね合わせの状態を取り、量子の干渉をうまく使えると、特定の構造を持つ問題では古典的な計算機より少ない手順で答えに近づけます。しかし速くなる問題は限られ、量子の状態は外部の雑音で簡単に壊れるため、誤りを抑えながら量子ビットの数を増やすことが開発の大きな壁になります。巡回セールスマン問題のような組合せ最適化は、どれだけ効率のよい アルゴリズム を考えても計算量が爆発しやすい問題の代表で、量子計算でこれが一気に解決するわけではありません。第 2 章が汎用性の限界と P≠NP 予想を並べているのは、この期待と実際の差を読者に押さえさせる配置と読めます。一方で、素因数分解のように量子計算が大きく効く問題もあり、それが公開鍵を使う 暗号化 の安全性を揺るがすため、量子計算でも破られにくい次世代の暗号へ置き換える動きにつながっています。第 3 章で暗号が独立した話題として扱われているのは、この背景によるものです。

刊行時のプロフィールと、向く読者 / 向かない読者

刊行時の著者紹介によると、著者は KDDI 総合研究所リサーチフェロー、情報セキュリティ大学院大学客員准教授で、専門は IT やライフ・サイエンスなど先端技術の動向調査です。東京大学理学部物理学科を卒業し同大学院理学系研究科を修了したのち、雑誌記者などを経ています。版元の紹介文が IBM、グーグル、マイクロソフト、アマゾンの参入の裏側に触れているとおり、本書は技術の原理だけでなく、企業と国家の動きを含めて量子コンピューターを捉える構成です。そのため、量子回路をコードで組みたい人や、量子アルゴリズムを数式で追いたい人には目的が合いません。版元が紹介する主な内容にも、量子プログラミングの開発環境の項目は見当たらないため、実装に進むなら専門書を別に選ぶ必要があります。

逆に、量子コンピューターへの投資や提携の報道を自分の頭で評価したい会社員、産業への影響を見積もりたい企画や調査の担当者、技術の全体像を新書でつかみたい学生にとっては、期待と限界の両方を一冊で整理できる新書です。報道の見出しに振り回されずに量子コンピューターの実現性を判断する足場を作りたい人は、手に取る価値があります。

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