基礎から学ぶ 量子コンピューティング

キソカラマナブリョウシコンピューティング

イジングマシンのしくみを中心に

基礎から学ぶ 量子コンピューティングの表紙
AI / 機械学習
著者:
工藤 和恵(クドウ カズエ)
出版社:
オーム社
出版日:
2023年06月23日
ISBN:
9784274230509
在庫:
在庫あり
0
初級者向け
量子コンピューティングイジングマシン組合せ最適化量子コンピューターゲート型量子コンピューターアニーリング型量子コンピューター疑似量子コンピューター基礎から学ぶ応用例アルゴリズム

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書籍紹介

量子コンピューティングがやさしくわかる
「量子コンピューティング」は量子コンピュータを用いた計算手法です。量子コンピュータには、大別してゲート型量子コンピュータとアニーリング型量子コンピュータがあり、ほかにアニーリング型量子コンピュータに着想を得た疑似量子コンピュータがあります。

本書で特に力を入れて説明しているのは、イジングマシンを使った具体的な問題の解き方です。イジングマシンは、組合せ最適化問題を解く専用のコンピュータで、アニーリング型量子コンピュータと疑似量子コンピュータのことを指します。組合せ最適化問題は応用範囲が広いので、具体的な問題の解き方を知ることで、量子コンピューティングの役立つシーンがイメージしやすくなるはずです。そうしたイメージができて興味がわいてきたら、もう少し専門的な資料を読んだり、量子コンピュータを使ってみたりして、さらに上の段階に進めると思います。

量子コンピューティングのしくみと、量子コンピュータを使ってどんなように問題を解くのかを知りたい方に基礎からていねいに解説します。

1 章 量子コンピューティングの概要

2 章 イジングマシンのしくみ

3 章 イジングマシンで問題を解く

4 章 イジングマシンを使った機械学習

5 章 ゲート型量子コンピュータ

6 章 量子コンピューティングの今後

技書の森解説

『基礎から学ぶ 量子コンピューティング』 (工藤 和恵 著、オーム社、2023 年 6 月刊) は、副題「イジングマシンのしくみを中心に」が示すとおり、組合せ最適化問題を解く専用のコンピューターであるイジングマシンを軸に、量子コンピューティングの仕組みと問題の解き方を基礎から解説する入門書です。版元の紹介文は、量子コンピューターを大きくゲート型とアニーリング型に分け、ほかにアニーリング型に着想を得た疑似量子コンピューターがあると整理したうえで、イジングマシンをアニーリング型量子コンピューターと疑似量子コンピューターのことだと説明しています。本書が特に力を入れているのは、そのイジングマシンを使った具体的な問題の解き方です。

イジングマシンを軸にした全 6 章と付録 3 本の構成

第 1 章「量子コンピューティングの概要」は応用例とともに、量子を使わない量子コンピューティングという節を置いています。第 2 章「イジングマシンのしくみ」ではイジング模型と計算の仕組み、問題を解くために必要なことと解く前の注意点を扱います。中心となる第 3 章「イジングマシンで問題を解く」は、最大カット問題、画像のノイズ除去、グラフ彩色問題、クラスタリング、巡回セールスマン問題、ナップサック問題の 6 つを題材にしています。第 4 章「イジングマシンを使った機械学習」は二値分類、行列分解、ブラックボックス最適化を、第 5 章「ゲート型量子コンピュータ」は計算の仕組み、量子アルゴリズム、量子ビットと操作の方式を取り上げ、第 6 章「量子コンピューティングの今後」で締めくくります。付録は行列とベクトル、ブラックボックス最適化の補足、量子アルゴリズムの補足の 3 本で、最後の付録ではブラケット記法、ドイチュ・ジョサのアルゴリズム、グローバーの量子探索アルゴリズムを補っています。

組合せ最適化をエネルギーの最小化に書き換える考え方

イジング模型は、もともと磁石の性質を説明するために考えられた統計物理学のモデルです。上か下かの 2 つの向きをとるスピンが互いに影響し合い、系全体のエネルギーが低い配置ほど実現しやすいと考えます。イジングマシンは、このエネルギーが最も低くなるスピンの配置を探す計算を専用の仕組みで行います。現実の問題を解かせるには、選ぶか選ばないかといった 2 値の決定を変数に置き、目的の良し悪しと制約の破れをエネルギーの式に書き込む必要があります。たとえば容量の決まった袋に品物を詰める問題なら、容量を超えた詰め方ほどエネルギーが高くなる項を足し、制約を守る解が低いエネルギーに来るようにします。アニーリングは、厳密な最適解を保証する方法ではなく、良い近似解を探すための手法です。

データから モデルを学習させる手法 の多くも、誤差を最も小さくするパラメーターを探す最適化の問題として書けるため、イジングマシンの守備範囲と接点があります。一方で、量子ビットに操作を順に施して計算する方式 のゲート型は、汎用の計算を目指す点でイジングマシンとは設計の出発点が違います。本書は第 5 章でゲート型の計算の仕組みも扱います。

量子アニーリングに関心のある学部生や技術者に向く入門書

版元はおすすめの読者の筆頭に量子コンピューティングを学ぶ大学学部生と院生を挙げ、ほかに量子コンピューティングの研究者やメーカーの技術者、量子コンピューター、とくに量子アニーリングに興味のある人を挙げています。段は初級です。付録には行列とベクトルの演算、固有値と固有ベクトルの補足があります。目次に特定のクラウドサービスや開発キットの名はなく、版元のページにダウンロードデータはありません。

配送の順路、作業の割り当て、データのまとまりの発見のように、組合せの爆発に悩む問題を抱えている学生や技術者に向けて、本書は、問題をイジングマシンで解ける形に書き換える考え方を 6 つの題材で扱います。

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