創って学ぶ CPU の基本の表紙

創って学ぶ CPU の基本(ツクッテマナブシーピーユーノキホン)

3bit プロセッサを作りながらゼロから仕組みを理解する

その他
著者:
檀上京之介(ダンジョウキョウノスケ)
出版社:
日経 BP
出版日:
2026年03月27日頃
ISBN:
9784296071289
価格:
¥3,300
在庫:
1
判型:
単行本
初級者向け
CPUハードウェアプロセッサー設計デジタルロジックロジック回路組み込みシステム自作 CPUコンピュータアーキテクチャエレクトロニクス教育用

なぜ注目されているか

総合1172位

書籍紹介

コンピューターの要 (かなめ) であるプロセッサ (CPU) の創り方をゼロから学べる入門書が登場!
基本的な CPU (3 ビット・プロセッサ) をイチから創りながら、その仕組みをゼロから理解して、「コンピュータの超基本」を身につけよう!

本書は、デジタル時代に欠かせない道具となった CPU について、その「使い方」ではなく「創り方」をゼロから説明します。目指すべきところは、CPU の動作原理を理解することです。
そこで、本書のために新しい CPU を設計しました。この CPU は動作原理を理解するためにイチから創ったものです。そのため、複雑な構造を持ちません。とてもシンプルで分かりやすい CPU です。そして、まったくブラックボックスがありません。本書ではこの CPU の設計の流れを追いながら、その動作原理について理解を深めていきます。

理解をさらに深めるには、手を動かすことも大切です。そのため、CPU を実際に製作できる「自作 CPU 組み立てキット」 (別売) も用意しています。実物を作って手に取り、動かしてみてはいかがでしょう。理解が深まること間違いなしです。

いつの時代にも通用する普遍の知識を楽しみながら学んでみませんか。

■こんな人におすすめです
・CPU をつくってみたい方

・コンピュータの基本原理を疎かにしたままエンジニアになった方

・ソフトウェアには詳しいけど、ハードウェアには自信がない方

■はじめに

■1 章 論理回路

1 『1』と『0』または『H』と『L』

2 2 進数

3 順序回路

4 組み合わせ回路

5 複数のレジスタを接続する

■2 章 コンピュータ

1 コンピュータとは何か

2 CPU

3 メモリ

4 I/O

■3 章 CPU 基本設計

1 設計

2 コンセプト設計と仕様設計

3 ブロック図設計

■4 章 CPU 論理回路 詳細設計

1 回路図設計への導入

2 レジスタの回路図設計

3 ALU の回路図設計

4 メモリと命令デコーダの回路設計

5 プログラム入力部の回路設計

■5 章 CPU 電子回路 詳細設計

1 電子回路

2 電源の回路設計

3 クロックジェネレータの回路設計

4 リセット回路の回路設計

5 LED

6 基板図設計

■補章

1 仕様書・ブロック図・回路図・部品表・基板図

2 サンプルプログラム

3 参考文献

■おわりに

技書の森解説

CPU を「使う」側から「創る」側に回って、動作原理を自分の手で確かめるための本です。『創って学ぶ CPU の基本』 (檀上京之介 著、日経 BP 発行、日経 BP マーケティング発売、2026 年 3 月刊) は、副題に「3bit プロセッサを作りながらゼロから仕組みを理解する」と掲げるとおり、本書のために新しく設計した 3 ビットのプロセッサを題材に、CPU の「使い方」ではなく「創り方」をゼロから説明する入門書です。版元の紹介文は、この CPU は動作原理を理解するためにイチから創ったもので複雑な構造を持たず、まったくブラックボックスがないと述べ、その設計の流れを追いながら動作原理の理解を深めていく構成だと説明しています。著者の檀上京之介は、版元プロフィールによれば名古屋工業大学大学院修士課程を修了し、ブラザー工業株式会社でハードウェアエンジニアとして電子回路設計や RTL (FPGA) 設計に従事しながら、個人ではサークル「みやこ電子工房」を主宰して Maker Faire へ出展するメイカーでもあります (刊行時点)。

全 5 章と補章の構成、論理回路から基板図設計まで

構成は、はじめにと 1 章から 5 章、補章、おわりにからなる全 5 章 + 補章です。1 章「論理回路」は『1』と『0』または『H』と『L』、2 進数、順序回路、組み合わせ回路、複数のレジスタを接続する、という土台の 5 節で、2 章「コンピュータ」でコンピュータとは何か、CPU、メモリ、I/O を押さえます。3 章「CPU 基本設計」は設計、コンセプト設計と仕様設計、ブロック図設計と、作る前に決めることを扱う章です。4 章「CPU 論理回路 詳細設計」では回路図設計への導入からレジスタ、ALU、メモリと命令デコーダ、プログラム入力部の回路図設計へ進み、5 章「CPU 電子回路 詳細設計」で電子回路、電源、クロックジェネレータ、リセット回路の回路設計、LED、基板図設計と、実物として動かすための電子回路側を仕上げます。補章には仕様書・ブロック図・回路図・部品表・基板図、サンプルプログラム、参考文献が収められています。

3 ビットのプロセッサをブラックボックス無しで設計する意味

CPU の中身は、値を保持するレジスタ、計算を行う ALU、命令を読み解いて各部を動かす命令デコーダ、そして命令とデータを置くメモリと外部とやり取りする I/O で構成され、全体がクロックの刻みに合わせて状態を進めます。1 章で順序回路と組み合わせ回路を分けて学ぶのはこのためで、組み合わせ回路は入力が決まれば出力が決まる計算の部分、順序回路はクロックに同期して状態を保持する部分にあたり、レジスタを複数接続して初めて、前の結果を次の計算に使うというコンピュータらしい動きが生まれます。3 ビットという幅を選ぶ利点は、回路の規模を目で追える範囲に抑えられることです。ビット幅が広くなるほど配線と部品は増えますが、レジスタや ALU の原理そのものはビット幅に依存しないので、小さな規模に絞ればブラックボックスを残さず全段を理解できます。さらに本書は論理の設計で終わらず、電源、クロックジェネレータ、リセット回路、基板図設計まで踏み込みます。これは電子回路として実物を動かすときに避けられない工程で、版元は CPU を実際に製作できる「自作 CPU 組み立てキット」 (別売) も用意していると案内しています。

ハードウェアに自信がないエンジニアの前提知識と、別売キットの扱い

版元が挙げる読者像は、CPU をつくってみたい方、コンピュータの基本原理を疎かにしたままエンジニアになった方、ソフトウェアには詳しいけどハードウェアには自信がない方の 3 つで、ソフトウェア側の経験を持つ人が 低レイヤ へ降りていく入口として設計されています。1 章が『1』と『0』から始まるため論理回路の予習は必須ではありませんが、5 章の電子回路と基板図設計は実物の部品と電源を扱う内容で、電子工作に触れたことがない人は手が止まりやすい部分です。組み立てキットが別売である点も含め、読んで理解するところまでにするのか、実物を作るところまで踏み込むのかを先に決めておくと、必要な投資が見えます。反対に、版元公開の目次にはパイプラインやキャッシュのような性能向けの話題は見当たらず、複雑な構造を持たないシンプルな CPU を題材にした本なので、高性能プロセッサの内部を知りたい人には守備範囲が違います。そうした主題は、動作原理を本書で掴んだ後に OS や低レイヤーの技術書の選び方 を参考に次の一冊へ進む方が効率的です。

CPU の創り方を学ぶと元が取れる人

元が取れるのは、日々コンパイラや OS の上でソフトウェアを書いていて、その下で何が起きているかを一度自分の手で組み上げて確かめたい人です。仕様設計からブロック図、回路図、基板図へ降りていく本書の流れをたどると、CPU が命令を読んで状態を進める回路であることが抽象的な図ではなく配線の水準で理解でき、その後に読むアーキテクチャの教科書の受け取り方が変わります。版元が、いつの時代にも通用する普遍の知識と表現するとおり、特定の製品やバージョンに依存しない内容なので、刊行から時間が経っても価値が減りにくい一冊です。ハードウェアに自信がないまま来たエンジニアが、その不安を一度で解消するための投資として、費用に見合う本です。

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