Python 実践レシピ = Python Practical Recipes
- 著者:
- 鈴木, たかのり 筒井, 隆次 寺田, 学 杉田, 雅子 門脇, 諭 福田, 隼也 Python エンジニア育成推進協会
- 出版社:
- 技術評論社
- 出版日:
- 202202
- ISBN:
- 9784297125769
なぜ注目されているか
技書の森解説
Python の基本的な文法を学び終え、実際のプログラムを書く段階に入った人が、やりたいことに合う機能やライブラリを探して使い方を確かめるためのレシピ集です。『Python 実践レシピ』は鈴木たかのり、筒井隆次、寺田学、杉田雅子、門脇諭、福田隼也の 6 名による共著で、一般社団法人 Python エンジニア育成推進協会の監修のもと、技術評論社から 2022 年 1 月に発売されました。版元の紹介では、Python が提供する実践で役立つ機能を幅広く押さえたうえで、標準ライブラリとよく使われるサードパーティライブラリの活用法を、よくある使い方やよくあるエラー、周辺知識とともに紹介する本と説明されています。なお、版元からは 2026 年 3 月に改訂新版が発売されています。
全 19 章の構成、環境と言語仕様から並行処理まで
目次は Chapter1 の Python の環境で pip と venv を扱い、Chapter2 のコーディング規約で PEP 8、Flake8、Black を取り上げるところから始まります。Chapter3 から Chapter5 は言語そのものの章で、例外処理や with 文、内包表記、ジェネレーター、デコレーター、class 構文と dataclass、型ヒントと mypy を順に解説します。Chapter6 以降はライブラリのレシピが中心で、テキスト、数値、日付と時刻 (zoneinfo と dateutil を含む)、collections や itertools などのデータ型とアルゴリズム、os や argparse、pathlib によるファイル操作、圧縮とアーカイブと永続化、CSV や JSON、YAML、Excel、画像といったデータ形式、Requests による HTTP の取得、lxml や Beautiful Soup 4 による HTML と XML の処理へ進みます。後半の Chapter16 から Chapter19 はテスト、デバッグ、暗号関連、並行処理と並列処理で、unittest と pytest、pdb と logging、hashlib と cryptography、asyncio と concurrent.futures と subprocess を扱います。
標準ライブラリを知っているかで書く量が変わる
Python は標準ライブラリが充実していることで知られますが、その分、目的の処理がすでに用意されていることに気づかず、文字列の加工や日付の計算、ファイルパスの組み立てを自前で書いてしまうことがよくあります。たとえばタイムゾーンを伴う日時は、Python 3.9 で標準に加わった zoneinfo を使えば外部の仕組みに頼らずに扱え、パスの操作も pathlib を使うと文字列の連結より読みやすく安全に書けます。本書が各節に、よくある使い方だけでなくよくあるエラーと対処法の項を置いているのは、こうした道具を初めて使うときにつまずきやすい点まで先回りするためと読めます。型ヒントと mypy、Flake8 といった 静的解析 の道具や、asyncio による 非同期プログラミング まで同じ本の中で引けるため、規模の大きいコードに進むときの入口にもなります。
前提になる知識と、改訂新版との選び方
版元が対象として挙げるのは、Python でプログラミングしている人と、基本的な文法を学んで実際にプログラムを書きたい人です。変数や制御構文、関数をまだ自力で書けない段階なら、先に入門書で基礎を固めるほうが効率的で、本の選び方は Python 本の選び方 が参考になります。また、本書は 2022 年 1 月時点の Python とライブラリを前提にしており、その後に版元から改訂新版が出ています。これから新しく買う場合は、版元のページで改訂新版の内容を確かめてから選ぶのが確実です。
一方、本書が扱う pip や venv、PEP 8、標準ライブラリの多くの機能は、基本の使い方が大きく変わりにくい部分です。机の脇に置いて、必要なモジュールの使い方とよくある失敗を手早く確かめたい人、入門書を終えて自分の書くコードの道具箱を広げたい人にとっては、目次から目的のレシピを引ける実用的な一冊です。
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