LangChain と LangGraph による RAG・AI エージェント[実践]入門

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LangChain と LangGraph による RAG・AI エージェント[実践]入門の表紙
アプリケーション
著者:
西見 公宏 / 吉田 真吾 / 大嶋 勇樹(ニシミ マサヒロ / ヨシダ シンゴ / オオシマ ユウキ)
出版社:
技術評論社
出版日:
2024年11月09日頃
ISBN:
9784297145309
在庫:
在庫あり
4.2(5 件 / 楽天ブックス)

なぜ注目されているか

アプリケーション
2位
言及数
16位
総合30位 ↑ 4 ランクアップ 言及 125 件・うち記事 71 件を掲載
出版前出版日0275420222023202420252026

書籍紹介

本書では、OpenAI による AI サービスを利用するための OpenAI API、オープンソースの LLM アプリ開発ライブラリ LangChain を使って、LLM (大規模言語モデル) を活用した RAG (検索拡張生成) アプリケーション、そして AI エージェントシステムを開発するための実践的な知識を基礎からわかりやすく解説します。
OpenAI のチャット API、プロンプトエンジニアリング、LangChain の基礎知識 について解説したあと、RAG の実践的手法や評価のハンズオンを行います。今後の生成 AI システム開発で重要となる AI エージェント開発は LangGraph を使って行い、さらに AI エージェントのデザインパターンと、パターン別の AI エージェントハンズオンまで解説します。

Open AI の API とフレームワーク LangChain を学ぶことで、LLM の性質を活かしたサービスや業務システムを構築するのに必要な知識体系を習得し、業界地図を頭に描くことができるようになります。

技書の森解説

大規模言語モデル (LLM) を業務アプリケーションに組み込もうとすると、API を呼ぶだけの段階から、社内文書を検索して回答させる RAG、さらに複数の手順を自律的にこなす AI エージェントへと、求められる設計が一段ずつ変わっていきます。『LangChain と LangGraph による RAG・AI エージェント[実践]入門』 (西見 公宏、吉田 真吾、大嶋 勇樹 著、技術評論社、2024 年 11 月刊) は、OpenAI API とオープンソースのライブラリ LangChain、LangGraph を使い、この 3 段階を基礎から実装まで通して解説する技術評論社のエンジニア選書の一冊です。版元は、LLM による本格的な業務アプリ開発や、RAG と AI エージェントシステムの開発に取り組みたい人を対象に挙げています。

チャット API から Advanced RAG と評価まで、前半の構成

構成は第 1 章から第 12 章に付録が続きます。1 章で LLM アプリケーション開発の全体像と AI エージェントの知識地図を示したあと、2 章で OpenAI のチャット API の基本とトークン、Function calling、3 章でプロンプトエンジニアリングの定番の手法を扱います。4 章は LangChain の基礎として、Prompt template や Output parser、RAG に関するコンポーネントを紹介し、5 章では LangChain Expression Language (LCEL) を Runnable の組み合わせ方から掘り下げます。6 章の Advanced RAG は、HyDE や複数の検索クエリの生成といった検索クエリの工夫、RAG-Fusion とリランクモデルによる検索後の工夫、LLM によるルーティングとハイブリッド検索という複数の Retriever を使う工夫を、ハンズオンで順に試す構成です。7 章では LangSmith と Ragas を使って合成テストデータを作り、RAG アプリケーションをオフラインで評価し、利用者からのフィードバックを集めて活用する流れまでを扱います。

LangGraph によるエージェント実装と 18 のデザインパターン

後半はエージェントに軸足が移ります。8 章では Chain-of-Thought や ReAct から AutoGPT、crewAI、マルチエージェントへと至る AI エージェントの変遷と、安全に普及させるための論点を整理し、9 章で LangGraph の主要コンポーネントとステートの永続化を Q&A アプリケーションのハンズオンで学びます。10 章は要件定義書を生成するエージェントを一から組み立てる題材です。11 章では 18 のエージェントデザインパターンを全体図とともに紹介し、12 章でそのうちパッシブゴールクリエイター、セルフリフレクション、役割ベースの協調など 7 つのパターンを LangChain と LangGraph で実装します。付録には各種サービスのサインアップ手順と、12 章の各パターンの実装コードが収められています。

RAG の精度とエージェントの制御が難しい理由

RAG の基本形は、文書を 埋め込みベクトル に変換して ベクトルデータベース に格納し、質問に近い断片を取り出してプロンプトに添えるという単純なものです。ところが実務では、利用者の質問が短すぎて検索に掛からない、似た断片ばかりが上位に並ぶ、固有名詞はキーワード検索のほうが強いといった問題が次々に起きます。6 章で扱う検索前、検索後、複数の検索器の組み合わせという工夫は、まさにこの溝を埋めるための手法群で、7 章の評価とあわせて読むことで、改善が本当に効いたのかを数値で確かめる習慣が身につきます。エージェントではさらに、LLM が次に何をするかを決めるため、処理の流れが分岐やループを含む状態遷移になります。LangGraph はこの流れをノードとエッジのグラフとして明示的に書き、途中の状態を保存して再開できるようにする仕組みで、自由に動かしすぎて制御を失うことと、固定の手順に縛って柔軟さを失うことの間で、設計の落としどころを探りやすくします。

読み進めるには Python でコードを書いて動かせることが前提で、OpenAI API などの外部サービスを利用するため、ハンズオンを再現するにはアカウントの登録と API の利用料金が必要になります。また LangChain と LangGraph は更新の速いライブラリなので、掲載コードは 2024 年 11 月の刊行時点のバージョンを前提に読み、手元の環境で差異が出た場合は版元のサポート情報や公式ドキュメントで確かめる姿勢が欠かせません。LLM の仕組みそのものを基礎から理解したい人は、LLM と生成 AI の本の選び方 で読み物や実装寄りの本を先に検討すると、本書との順序を決めやすくなります。

API の呼び出しは試したものの、RAG の回答精度の改善やエージェントの設計で手が止まっている開発者にとって、本書は基礎から評価、デザインパターンの実装までを 1 冊でたどれる実践書です。社内文書の検索システムや業務を補助するエージェントを、試作で終わらせずに改善の回る形へ育てたい人には、手を動かした分だけ設計の判断材料が増えていく一冊になります。

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