ディープラーニング
ディープラーニング
- 著者:
- 谷田部 卓(ヤタベ タカシ)
- 出版社:
- 創元社
- 出版日:
- 2018年03月26日頃
- ISBN:
- 9784422400341
- シリーズ:
- やさしく知りたい先端科学シリーズ 2
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
ディープラーニング (機械学習、深層学習) は AI、人工知能の急速な進化に寄与している。知能とは何かを問うということは、人間の考え方や視覚、聴覚、言語といった普段なにげなく使っている感覚と脳の関係を一から考え直すことにほかならない。本書はディープラーニングとはどういう技術なのか、そのしくみと最新の動向をわかりやすい文章とイラストで解説する。話題の先端科学に触れたいという知的好奇心に応えるイラスト図解シリーズ第 2 弾。
◇Chapter1 機械学習とは
機械の勉強方法とはーー機械学習の原理
〈DL Talk〉何でも解決できる万能アルゴリズムは存在しない
機械が言葉を操る方法ーー自然言語処理
〈DL Talk〉言葉は生き物なのでお世話が必要
〈AI Story〉天才チューリングの栄光と悲劇
◇Chapter2 ディープラーニングのしくみ
どちらも学習する機械ーー機械学習とディープラーニング
〈DL Talk〉認識とは分類することと見つけたり
深い学習とはーーディープラーニングの原理
〈DL Talk〉ディープラーニングは数式ばかり
機械に眼を与えるしくみーー CNN とは
〈DL Talk〉眼の獲得で生物も AI も一気に進化
機械に耳を与えるしくみーー RNN とは
〈DL Talk〉RNN は最も古いディープラーニング
機械にも創造力をーー画像生成と GAN
〈DL Talk〉お手本があれば絵も描ける AI
〈AI Story〉人工知能の父ミンスキーの功績とその罪
◇Chapter3 AI アプリケーションの開発方法
AI を使うためにはーー AI 技術の活用環境
〈DL Talk〉ビジネスで AI はツールでしかない
AI を導入するにはーー機械学習の開発
〈DL Talk〉クラウド ML のメリットとデメリット
AI のつくり方ーーディープラーニングの開発
〈DL Talk〉ディープラーニングを試してみよう
手軽な AI 利用法ーー API サービス
〈DL Talk〉手軽な API サービスでも注意が必要
〈AI Story〉格闘するニューラルネットワーク研究者たちの歴史
◇Chapter4 AI 技術とビジネス
ビジネス利用の実態とはーー AI 技術の応用と課題
〈DL Talk〉AI ビジネスの将来は広がるはず
AI は使えるのかーーディープラーニングのビジネス
〈DL Talk〉元気な企業だけが AI を使いこなせる
AI は言葉を理解できるかーー自然言語処理のビジネス
〈DL Talk〉チューリング・テストはもう突破できるか
AI ビジネスは成り立つのかーー AI 技術のビジネス課題
〈DL Talk〉目指せ AI エンジニア
AI は人類の敵か味方かーー AI が与える社会的影響
〈DL Talk〉人類の未来は AI が握るのか
〈AI Story〉AI の未来とは
主要クラウド企業の API サービス
日本企業の API サービス
さくいん
参考文献
技書の森解説
ディープラーニングがどういう技術で、何に使われ、ビジネスにどう入り込んでいるのかを、数式の導出やプログラムではなく文章とイラストで一通りつかむための入門書が、谷田部 卓 著『ディープラーニング』 (創元社、2018 年 3 月刊) です。創元社の「やさしく知りたい先端科学シリーズ」の第 2 弾にあたり、版元は先端科学に触れたいという知的好奇心に応えるイラスト図解シリーズと位置づけています。刊行時の著者プロフィールによれば、著者はソフトウェア会社で Web サービスの企画開発と IT コンサルティングに長く携わり、機械学習の社内講師を務めたのち、人工知能に関する IT コンサルティングとデータサイエンティストの業務に就いていました。
機械学習の原理から CNN、RNN、GAN まで、前半 2 章の流れ
目次は全 4 章です。Chapter1「機械学習とは」は 機械学習 の原理と、機械が言葉を扱う 自然言語処理 から入ります。Chapter2「ディープラーニングのしくみ」では、機械学習とディープラーニングの関係を整理したうえで、深い学習の原理、画像を扱う CNN、機械に耳を与えるしくみとして紹介される RNN、画像生成の GAN へと進みます。各節には「DL Talk」という短い囲み話が添えられ、章末には「AI Story」としてチューリングやミンスキーの話が置かれています。技術の説明と、その技術を生んだ人と時代の話を交互に読ませる作りと読めます。
技術の背景を少し補うと、ディープラーニングは ニューラルネットワーク の層を深く重ね、特徴の取り出し方そのものをデータから学ばせる手法です。かつては人が設計していた画像の輪郭や音の周波数といった特徴量を、多層のネットワークが段階的に獲得することで、画像認識や音声認識の精度が大きく伸びました。CNN は画像の局所的な模様を、RNN は順番を持つデータの前後関係を扱うための構造で、GAN は生成する側と見分ける側の 2 つのネットワークを競わせて本物らしいデータを作る仕組みです。本書の前半は、この 3 つの代表的な構造の違いを概念として押さえる地図の役割を担っています。
AI 開発の進め方とビジネス活用を扱う後半 2 章
後半は技術そのものより、使う側の視点に重心が移ります。Chapter3「AI アプリケーションの開発方法」は、AI 技術の活用環境、機械学習の開発、ディープラーニングの開発、手軽に使える API サービスを順に取り上げ、囲み話ではクラウドの機械学習サービスのメリットとデメリットや、API サービスを使う際の注意にも触れ、章末の「AI Story」はニューラルネットワーク研究者たちの歴史です。Chapter4「AI 技術とビジネス」は、応用と課題、ディープラーニングと自然言語処理のビジネス、AI ビジネスの課題、AI が社会に与える影響までを扱います。巻末には主要クラウド企業と日本企業の API サービスの一覧が付いています。自社で AI を導入するかどうかを考える立場の人が、作る、借りる、の選択肢を整理するための章立てと読めます。
2018 年刊の図解入門として、向く読者と向かない読者
出版社の分類 (C コード) は一般向けで、プログラミングの経験を前提にした本ではありません。ディープラーニングという言葉は聞くが仕組みのイメージがない人、AI を使った企画や発注に関わる人が、技術者と話すための共通の語彙を手早くそろえるのに向いています。反対に、Python で手を動かしてモデルを作りたい人や、誤差逆伝播法などの理論を数式で理解したい人には、この本だけでは足りません。また 2018 年 3 月の刊行なので、目次に大規模言語モデルを扱う項目はなく、巻末の API サービスの一覧も刊行時点の情報として読むのが前提です。実装書や理論書へ進む順序は ディープラーニング本の選び方 で整理しています。
ディープラーニングの全体像と、それが仕事の現場でどう使われるのかを、専門書に入る前に短い時間で見渡しておきたい人には手に取りやすい一冊です。CNN、RNN、GAN という名前を聞いたときに何をする仕組みかを思い浮かべられるようになることが、この本から得られるいちばん確かな成果です。
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