純粋機械化経済 (上)

ジュンスイキカイカケイザイ ジョウ

頭脳資本主義と日本の没落

純粋機械化経済 (上) の表紙
AI / 機械学習
著者:
井上 智洋(イノウエ トモヒロ)
出版社:
日経 BP 日本経済新聞出版本部
出版日:
2022年02月03日頃
ISBN:
9784532240196
シリーズ:
日経ビジネス人文庫 B いー 31-1
在庫:
在庫あり
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書籍紹介

AI がもたらす人類の変化に、世界は震撼する。

AI の普及が生み出す純粋機械化経済。我々はこれから劇的な変化を目撃するーー。歴史・技術・思想など多角的な視点から未来を問う。

ベストセラー『人工知能と経済の未来』の著者による力作、『純粋機械化経済』を、上下刊に分けてビジネス人文庫化します。

2030 年頃に AI は、人間と同等になったり人間を超えたりはしないものの、人間の知的振る舞いをぎこちまねる程度には進歩している可能性があります。人間の知性に近いそのような AI を手にしたものが、次世代の経済的覇権や政治的覇権を手にすることになるのです。
それゆえ、AI の進歩の遅れている日本のような国は没落し、進んでいる中国のような国は飛躍的に経済力や軍事力を伸ばして、覇権国家となるでしょう。AI 時代に世界は大きく分岐するのです。

本書は、AI が持つ暴力的なまでの巨大な力の正体とそれが一体どんな便益や害悪をもたらすのかを明らかにします。

上巻では、本書を読み進めるのに必要な基本的な知識を提供。AI がどのような技術でどこまで人間の知的振る舞いを真似ることができるのかについて検討します。さらに、AI がどのように人々の雇用を奪ったり、格差を拡大させるのかを論じます。
第 1 章 AI 時代に日本は逆転できるか

第 2 章 人工知能はどこまで人間に近づけるか

第 3 章 人工知能は人々の仕事を奪うか

技書の森解説

AI の進歩が雇用や格差、さらに国の経済力の行方をどう変えるのかを、マクロ経済学を専門とする井上 智洋が論じた本の上巻が『純粋機械化経済 (上)』です。副題は「頭脳資本主義と日本の没落」で、日経ビジネス人文庫の 1 冊として日経 BP 日本経済新聞出版本部から 2022 年 2 月 3 日に発行されました。NDL の書誌は、日本経済新聞出版社が 2019 年に刊行した単行本を 2 分冊にしたものと注記しています。版元の紹介文は、ベストセラー『人工知能と経済の未来』の著者による『純粋機械化経済』を上下刊に分けて文庫化したと説明し、歴史、技術、思想など多角的な視点から未来を問う本としています。

上巻の全 3 章、日本の逆転から仕事の行方まで

上巻の目次は 3 章です。第 1 章「AI 時代に日本は逆転できるか」、第 2 章「人工知能はどこまで人間に近づけるか」、第 3 章「人工知能は人々の仕事を奪うか」と並びます。版元の紹介文によれば、上巻は本書を読み進めるのに必要な基本的な知識を提供し、AI がどのような技術で、どこまで人間の知的振る舞いを真似ることができるのかを検討します。そのうえで、AI がどのように人々の雇用を奪い、格差を拡大させるのかを論じます。

紹介文が示す著者の見通しは、2030 年頃の AI は人間と同等になったり人間を超えたりはしないものの、人間の知的振る舞いをぎこちなくまねる程度には進歩している可能性がある、というものです。紹介文は続けて、そのような AI を手にしたものが次世代の経済的覇権や政治的覇権を手にし、AI の進歩の遅れている日本のような国は没落し、進んでいる中国のような国が覇権国家となるという見立てを示し、「AI 時代に世界は大きく分岐するのです」と結んでいます。

特化型の AI と人間並みの知性の距離

AI の研究では、囲碁の対局や画像の判別のように決まった課題をこなす特化型の仕組みと、人間のように多様な課題を 1 つでこなす汎用的な仕組みを分けて考えることがよくあります。2010 年代の進歩を支えたのは、大量のデータから規則を学び取る 機械学習 で、特に多層のニューラルネットワークを使う手法が画像認識や翻訳の精度を大きく引き上げました。経済の議論で問われるのは、こうした技術がどの種類の仕事をどこまで肩代わりできるかです。技術の到達点を見積もる問いと、雇用への影響を問う問いは、上巻の第 2 章と第 3 章の題にそのまま対応しています。

経済学者の視点で AI と雇用を読む上巻

刊行時の版元の著者紹介によれば、著者は駒澤大学経済学部准教授で、専門はマクロ経済学、貨幣経済理論、成長理論です。慶應義塾大学環境情報学部を卒業し、IT 企業を経て早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、2017 年から准教授を務め、博士 (経済学) の学位を持ちます。AI 社会論研究会の共同発起人も務めています。

目次に AI の実装方法やプログラミングを扱う章はありません。上巻は議論の前提となる基本的な知識と、AI の到達点、雇用と格差への影響までの 3 章で、単行本の残りの部分は下巻に収められています。AI が仕事と所得の分配、国の盛衰に及ぼす影響を、技術の整理から経済の議論へ順に追いたい読者に合う構成です。

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