人工知能と経済の未来 2030 年雇用大崩壊

ジンコウチノウトケイザイノミライ ニセンサンジュウネンコヨウダイホウカイ

人工知能と経済の未来 2030 年雇用大崩壊の表紙
AI / 機械学習
著者:
井上 智洋(イノウエ トモヒロ)
出版社:
文藝春秋
出版日:
2016年07月21日頃
ISBN:
9784166610914
シリーズ:
文春新書
在庫:
在庫あり
3.73(96 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
人工知能経済社会影響雇用ベーシックインカム未来予測技術倫理シンギュラリティ労働市場マクロ経済

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書籍紹介

「人工知能によって経済は、社会は、政治はどこに向かうのか? 未来を知るための必読書」--飯田泰之氏絶賛!

人工知能 (AI) が目覚しい発展を遂げています。小説を書いたり、囲碁をしたり、日々ニュースを賑わせています。
また、AI を搭載したロボットも活躍しています。pepper は感情を読み取れますし、ダヴィンチは外科手術をこなしますし、iPhone に搭載されている Siri は道案内もしてくれます。

このまま技術開発が進んでいくとどうなるのか……? 2045 年に起こると噂される「シンギュラリティ」より前、2030 年には、AI が人間の頭脳に追いついてしまう可能性があるのです。

ホワイトカラー事務職は真っ先に職を奪われます。医者も弁護士も失業の危機に瀕しています。最大で人口の 9 割が失業する可能性もあると筆者は推計しています。一部の資本家以外の労働者は飢えて死ぬしかないのでしょうか?

AI によって奪われた労働は、BI で補完しよう! マクロ経済学者である筆者はそう訴えます。BI とはベーシックインカムのこと。社会保障を BI に一元化して、子供から大人まで一律の生活保障を支給するという仕組みです。

AI の未来、資本主義の未来、労働の未来、社会保障の未来まで、気鋭の経済学者が語りつくします!

技書の森解説

『人工知能と経済の未来 2030 年雇用大崩壊』は、人工知能 (AI) の発展が雇用と経済に何をもたらすかを、マクロ経済学者の井上 智洋が論じた新書です。文藝春秋の文春新書の 1 冊として 2016 年 7 月に刊行されました。版元の作品紹介によれば、2045 年に起こると噂されるシンギュラリティより前の 2030 年に AI が人間の頭脳に追いつく可能性を示し、最大で人口の 9 割が失業する可能性もあるという著者の推計を紹介したうえで、AI に奪われた労働をベーシックインカム (BI) で補完するよう訴える内容です。AI の実装を学ぶ技術書ではなく、技術の紹介から経済の分析までを通して、AI が経済と社会保障の仕組みにどう効いてくるかを考えるための本です。

全 5 章の構成、人類と機械からベーシックインカムまで

版元の目次は全 5 章です。第 1 章「人類 vs.機械」、第 2 章「人工知能はどのように進化するか?」と続き、第 3 章「イノベーション・経済成長・技術的失業」で技術革新と成長、失業の関係を扱います。第 4 章は第二の大分岐と第四次産業革命後の時代を題にした章で、最後の第 5 章「なぜ人工知能にベーシックインカムが必要なのか?」で BI の必要性を論じます。作品紹介は、AI の未来、資本主義の未来、労働の未来、社会保障の未来までを語る本と位置づけています。

技術的失業という経済学の古い問いと AI

新しい技術が人の仕事を奪うのではないかという問いは、経済学では古くからあるものです。ケインズは 1930 年の小論 Economic Possibilities for our Grandchildren で、労働の使用を節約する手段の発見が、労働の新しい使い道を見つける速さを上回ることで生じる失業を技術的失業と呼び、それを一時的な調整の局面と見ていました。機械に置き換えられた仕事の代わりに新しい産業と職種が生まれるという見方は、この懸念への代表的な反論として繰り返し挙げられてきました。AI をめぐる議論が改めてこの問いを呼び起こしたのは、置き換えの対象が肉体労働や定型の手作業にとどまらず、事務や専門職の知的な作業にまで広がりうると考えられたためです。本書の作品紹介がホワイトカラー事務職、医者、弁護士の名を挙げているのも、この論点にあたります。BI は、働いているかどうかにかかわらず全員に一律の現金を給付する制度で、所得の減少を労働市場の外で支える案として論じられてきましたが、必要な財源の規模や既存の社会保障との置き換え方、働く意欲への影響といった点では賛否が分かれる論点でもあります。

2016 年時点の予測として読む AI と雇用の議論

本書の予測と推計は、2016 年時点の技術の状況を前提にしたものです。2030 年に AI が人間の頭脳に追いつく可能性や失業の規模は、著者の推計として示されています。AI の仕組みや実装を学びたい人、機械学習の手法を身につけたい人には目的が合いません。また BI は本書が支持する 1 つの処方箋で、制度の比較や財源の試算を詳しく扱う本ではありません。

向いているのは、AI と雇用の関係を経済学の枠組みで考えたい人や、技術の進歩が所得と社会保障の仕組みに何を迫るのかを 1 冊の新書で見通したい人です。本書は、技術から雇用、そして BI という制度の提案までを全 5 章で一続きに論じています。

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