純粋機械化経済 (下)

ジュンスイキカイカケイザイ ゲ

頭脳資本主義と日本の没落

純粋機械化経済 (下) の表紙
AI / 機械学習
著者:
井上 智洋(イノウエ トモヒロ)
出版社:
日経 BP 日本経済新聞出版本部
出版日:
2022年02月03日頃
ISBN:
9784532240202
シリーズ:
日経ビジネス人文庫 B いー 31-2
在庫:
在庫あり
0

なぜ注目されているか

総合1371位 ↑ 3 ランクアップ

書籍紹介

2030 年、産業革命を超える
「大分岐」が到来する!

AI の普及が生み出す純粋機械化経済。我々はこれから劇的な変化を目撃するーー。歴史・技術・思想など多角的な視点から未来を問う。

ベストセラー『人工知能と経済の未来』の著者による力作、『純粋機械化経済』を、上下刊に分けてビジネス人文庫化します。

2030 年頃に AI は、人間と同等になったり人間を超えたりはしないものの、人間の知的振る舞いをぎこちまねる程度には進歩している可能性があります。人間の知性に近いそのような AI を手にしたものが、次世代の経済的覇権や政治的覇権を手にすることになるのです。
それゆえ、AI の進歩の遅れている日本のような国は没落し、進んでいる中国のような国は飛躍的に経済力や軍事力を伸ばして、覇権国家となるでしょう。AI 時代に世界は大きく分岐するのです。

本書は、AI が持つ暴力的なまでの巨大な力の正体とそれが一体どんな便益や害悪をもたらすのかを明らかにします。

下巻では上巻で展開した AI の発展と影響を経済理論に基づいて議論します。さらに、過去に生じた「新石器時代の大分岐」と「工業化時代の大分岐」という 2 つの開きが国や地域の繁栄にどのような影響を与えたかということについても議論します。そのうえで間もなく訪れる「AI 時代の大分岐」について論じます。
第 4 章 技術的失業と格差の経済理論

第 5 章 新石器時代の大分岐ーー人類史上最大の愚行はこうして始まった

第 6 章 工業化時代の大分岐ーーなぜ中国ではなくイギリスで産業革命が起きたのか

第 7 章 AI 時代の大分岐ーー爆発的な経済成長

第 8 章 AI 時代の国家の役割ーー中枢を担うのは国家か、プラットフォーム企業か

技書の森解説

『純粋機械化経済 (下)』 (井上 智洋 著、日経 BP 日本経済新聞出版本部、日経ビジネス人文庫、2022 年 2 月刊) は、AI の普及が経済と国家の力関係をどう変えるかを、経済理論と経済史の両面から論じる文庫の下巻です。NDL の書誌によれば、2019 年に日本経済新聞出版社から刊行された単行本を 2 分冊にしたもので、楽天ブックスの書誌では上巻と同じ 2022 年 2 月 3 日の発売です。刊行時の著者プロフィールでは、専門はマクロ経済学、貨幣経済理論、成長理論で、IT 企業を経て経済学の研究者になったと紹介されています。

第 4 章から第 8 章、技術的失業の理論から AI 時代の国家まで

下巻は第 4 章から第 8 章の 5 章で、上巻の第 1 章から第 3 章を受けて続きます。第 4 章「技術的失業と格差の経済理論」に続き、第 5 章「新石器時代の大分岐」と第 6 章「工業化時代の大分岐」で過去の 2 つの転換点を、第 7 章「AI 時代の大分岐」で AI がもたらす次の転換点を扱います。第 6 章の副題は「なぜ中国ではなくイギリスで産業革命が起きたのか」、第 7 章の副題は「爆発的な経済成長」です。最後の第 8 章「AI 時代の国家の役割」は、副題で「中枢を担うのは国家か、プラットフォーム企業か」と問いかけます。版元の紹介文によれば、下巻は上巻で展開した AI の発展と影響を経済理論に基づいて議論し、過去の 2 つの大分岐が国や地域の繁栄にどう影響したかを検討したうえで、AI 時代の大分岐を論じる流れです。

技術的失業と格差を経済学がどう捉えるか

新しい技術が人の仕事を減らす現象は、経済学では技術的失業と呼ばれ、機械化の歴史とともに繰り返し論じられてきました。要点は、技術が人の労働を置き換えるのか、それとも人の労働と組み合わさって生産性を高めるのかという区別です。定型的な作業の 自動化 が進むと、その作業を担っていた働き手の需要は下がる一方、機械を使いこなす側や機械を所有する側の取り分は増えやすく、所得の格差が広がる経路が生まれます。人工知能の技術 は、肉体労働だけでなく事務や判断の一部まで置き換えの対象を広げうる点で、これまでの機械化と性質が異なります。版元の紹介文は、人間の知性に近い AI を手にしたものが次世代の経済的覇権や政治的覇権を握り、AI の進歩が遅れた国は没落しうると述べています。

過去の 2 つの大分岐の章と、2022 年時点の見通し

本書は、技術や生産の変化が国や地域の繁栄の差を生んだ過去の 2 つの転換点を先にたどり、そのうえで AI 時代の大分岐を論じる順に並んでいます。産業革命がなぜイギリスで起きたのかという問いは経済史で長く議論されてきた主題で、本書はその問いを第 6 章の副題に掲げています。紹介文が示す 2030 年頃の AI の水準は、刊行時点での見通しとして書かれたものです。2022 年 2 月の刊行なので、それ以降の生成 AI の広がりは本書の範囲に含まれません。

文庫の一般書の分類と、上巻の第 1 章から第 3 章

本書は文庫の一般書で、C コードも一般向けの経済の分類です。AI の仕組みや実装を学ぶ技術書ではないので、モデルの作り方を知りたい人には目的が合いません。下巻は、上巻の第 1 章から第 3 章の議論を受けて始まります。

この本に興味がある方におすすめ

関連する本

井上 智洋 の他の書籍

関連記事

関連用語

共有: