オペレーティングシステム

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オペレーティングシステム

オペレーティングシステムの表紙
ハードウェア
著者:
前川 守(マエカワ マモル)
出版社:
岩波書店
出版日:
1988年01月01日頃
ISBN:
9784000103466
シリーズ:
岩波講座 ソフトウェア科学 〔環境〕6
在庫:
在庫あり
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書籍紹介

CPU スケジュリング、並行プロセス、主記憶管理、仮想記憶、ファイルシステムなどのオペレーティングシステムの基本機能を、資源の仮想化の観点から丁寧に解説する。その上で実際のシステムとして MVS と UNIX の要点を紹介する。読者が自払のレベルに応じて読み進められるように工夫し、プログラムは主に C 言語で示した。オペレーティングシステムについて日本語で書かれた初の本格的な解説書。

技書の森解説

OS の機能をばらばらの暗記項目ではなく、一つの考え方で整理して学びたい人に向けた日本語の体系書です。『オペレーティングシステム』は前川 守 著、岩波書店が 1988 年に刊行した「岩波講座 ソフトウェア科学」の 1 冊 (巻次は〔環境〕6) で、書誌の紹介文によると、CPU スケジューリング、並行プロセス、主記憶管理、仮想記憶、ファイルシステムといったオペレーティングシステムの基本機能を、資源の仮想化の観点から解説しています。そのうえで実際のシステムとして MVS と UNIX の要点を紹介し、プログラムは主に C 言語で示したと案内されています。

資源の仮想化を軸に OS の基本機能を読む構成

「資源の仮想化」という見方は、OS を理解するうえで強力な整理の軸です。計算機が持つ CPU、主記憶、ディスクといった物理資源は限られていますが、OS はそれを複数のプログラムに分け与え、それぞれのプログラムがあたかも資源を専有しているかのように見せます。CPU スケジューリングは 1 台の CPU を時間で分け合って多数のプロセスに見せる仕組みであり、仮想記憶は物理的な主記憶の大きさに縛られないアドレス空間を各プロセスに与える仕組みであり、ファイルシステムはディスク上のブロックの並びを名前の付いたファイルとして見せる仕組みです。こう並べると、個別に見える機能が「限られた資源をどう見せるか」という同じ問いへの答えとして読めます。紹介文が挙げる題材の並びは、この軸で基本機能を一つずつ取り上げる構成になっていると読めます。

並行プロセスと C 言語のプログラム例

資源を分け与えると、複数のプロセスが同じ資源に触れる場面が必ず生じます。並行プロセス の分野では一般に、共有された資源を一度に一つの処理だけが使えるようにする相互排除、処理の順序をそろえる同期、互いに相手の資源を待ち合って止まってしまうデッドロックといった問題が中心的な論点になり、OS の学習で最もつまずきやすいところでもあります。本書は紹介文のとおりプログラムを主に C 言語 で示しているため、アルゴリズムを擬似的な記法でなく実際のコードの形で追える点が手掛かりになります。紹介文は、読者が自分のレベルに応じて読み進められるよう工夫したとも述べています。

MVS と UNIX、1988 年刊の教科書として読む前提

原理の解説の後に置かれる実システムの紹介は、大型計算機向けの汎用 OS である IBM の MVS と、UNIX の 2 つです。性格の大きく異なる 2 つの OS を並べることで、同じ原理が異なる設計の中でどう具体化されるかを確かめられる配置と読めます。紹介文は本書を、オペレーティングシステムについて日本語で書かれた初の本格的な解説書と位置づけています。一方で 1988 年の刊行であり、記述は当時の計算機環境を前提にしています。手元の Linux で動くカーネルのソースコードを読み解きたい、あるいは特定の現行 OS の設定や運用を学びたいという目的には、実装寄りの別の本を選ぶほうが近道です。巻末には参考書の一覧が付いています。

情報系の講義で OS を学び、個々の用語は覚えたものの全体のつながりが見えないと感じている学生や、実装の知識は豊富でも原理の側から OS を捉え直したい技術者にとって、資源の仮想化という一本の軸で基本機能を通して読める本書は、知識を構造として組み立て直す助けになります。日本語の OS 教科書の源流の一つを手元で確かめたい人にも、選ぶ価値のある 1 冊です。

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