RF ワールド No.43 はじめてのワイヤレス電力伝送
アールエフワールドヨンジュウサン
はじめてのワイヤレス電力伝送
- 著者:
- トランジスタ技術編集部(トランジスタギジュツヘンシュウブ)
- 注目:
- 総合 881 位
- 出版社:
- CQ 出版
- 出版日:
- 2018年12月10日頃
- ISBN:
- 9784789848589
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
ワイヤレス電力伝送 (WPT) の研究開発が静かに続いています.2007 年に米国 MIT の研究者らが成功して以来, 磁界結合, 電界結合, 電波放射など, さまざまな方式が考究されています.周波数は kHz〜GHz,電力は最大数 kW に及びます.応用分野も携帯端末充電, 産業機器, 電気自動車などに広がっています.本特集では, WPT の基礎知識や特性/性能を支配する普遍的法則を学んだうえで, 基本的な応用事例についてもご紹介します.
★ 特集
◎ 磁界結合, 電界結合, 電波放射など, 基礎と普遍的法則を知る
☆ はじめてのワイヤレス電力伝送
◎ 開発の歴史, 磁界結合, 容量結合, 電波放射などの方式と最近の動向など
● イントロダクション ワイヤレス電力伝送の世界へようこそ!
◎ WPT システムを構成する主要コンポーネントの基本を体系的に理解しよう!
● 第 1 章 ワイヤレス電力伝送の基礎
◎ S パラメータと電力効率の落とし穴
● Appendix うっかり間違えそうなポイントをご紹介
◎ 電磁誘導のおさらい, 電波法, コイルと電源の考察
● 第 2 章 磁界結合方式 1
◎ 磁界結合と磁界共振結合の比較, 回路トポロジーの比較
● 第 3 章 磁界結合方式 2
◎ 回路トポロジーの特性を利用した制御, 最大効率と所望電力の両立, 2 次側単独の最大効率と所望電力制御
● 第 4 章 磁界結合方式 3
◎ 家電製品や, 停車中給電および走行中給電への応用
● 第 5 章 磁界結合方式 4
◎ AGV 向け, EV 向け, ドローン向け, 電動工具向けなど
● Appendix 磁界共鳴方式の実例
◎ 電界結合および電界共振結合の原理と特徴, カプラ形状, kHz 帯と MHz 帯, ユース・ケースなど
● 第 6 章 電界結合方式
◎ 電界結合から電界共鳴までを実験する
● Appendix 電界によるワイヤレス電力伝送の実用化検討
◎ アクティブな電波放射型ワイヤレス給電とパッシブな電波エネルギー・ハーベスティング
● 第 7 章 電波放射方式
◎ 普及のために不可欠な利便性と安全性を国際的に実現する
● 第 8 章 ワイヤレス電力伝送の法規制と標準規格のお話
● エピローグ “Make RF Great Again”
★ 特設記事
◎ LoRa 方式のチャープ変調をリアルタイムにモニタできる!
● 920 MHz 帯 LPWA エア・モニタの仕組みと観測例
◎ 市街地, 山間部, 衛星通信など
● Appendix LoRa 無線モジュールのフィールド伝搬実験リポート
★ 製作 & 実験
◎ 電池なしで模型のドクターイエローが走る!
● IH モジュールを転用した WPT プラレール走行実験
★ 一般解説
◎ アドミッタンス・メータと同軸プローブによる測定
● 対数周期アンテナの電流分布測定を振り返る
★ 歴史読物
◎ 横須賀無線史
● 第 4 回 (最終回) トランジスタの登場, マイクロ波と衛星通信, YRP 誕生, 5G へ向けた取り組みなど
★ 折り込み付録
◎ ITU の周波数割り当て地域と世界の ISM バンド
● 無線 PAN や LPWAN などの周波数チャート 2
技書の森解説
ケーブルをつながずに電力を送るワイヤレス電力伝送 (WPT) を、基礎の仕組みから応用事例、法規制と標準規格まで一冊で見渡せるのが『RF ワールド No.43 はじめてのワイヤレス電力伝送』 (トランジスタ技術編集部 編、CQ 出版、2018 年 8 月刊) です。無線と高周波の技術解説誌 RF ワールドの特集号で、版元は、2007 年に米国 MIT の研究者らが成功して以来、磁界結合、電界結合、電波放射など多様な方式が研究され、周波数は kHz から GHz、電力は最大数 kW に及び、応用も携帯端末の充電や産業機器、電気自動車へ広がっていると紹介しています。特集のねらいは、WPT の基礎知識と特性や性能を支配する普遍的な法則を学んだうえで、基本的な応用事例を知ることだと版元は案内しています。
磁界結合、電界結合、電波放射の 3 方式を見分ける
WPT の方式は、電力を何に乗せて運ぶかで大きく分かれます。送電側と受電側のコイルを磁界でつなぐ磁界結合は、変圧器と同じ電磁誘導の原理に立ち、コイルと共振回路を組み合わせて共振させる方式では、コイルどうしの結びつきが弱い距離でも効率を保ちやすくなります。電極の間の電界でつなぐ電界結合は、コイルの代わりに金属の板などのカプラを使う方式です。これら 2 つは送電側と受電側が近い範囲で働く近傍界の方式で、送る距離が伸びると結合が急に弱まります。対して電波放射は、電波そのものにエネルギーを乗せて遠くへ送る方式で、距離を稼げる代わりに受け取れる電力は小さくなります。本特集はこの 3 方式に章を割り当てており、方式ごとの得意な距離と電力の違いを踏まえて読み進めると、各章の位置づけがつかみやすくなります。
全 8 章の構成、基礎から法規制と標準規格まで
特集はイントロダクション「ワイヤレス電力伝送の世界へようこそ!」で開発の歴史と方式を概観し、第 1 章「ワイヤレス電力伝送の基礎」で WPT システムを構成する主要な部品の基本を体系的に扱います。続く Appendix は S パラメーターと電力効率の取り違えやすい点を取り上げます。第 2 章から第 5 章は「磁界結合方式 Ⅰ」から「磁界結合方式 Ⅳ」の 4 章で、電磁誘導のおさらいと電波法、コイルと電源の考察に始まり、磁界結合と磁界共振結合の比較、回路トポロジーの特性を利用した制御と最大効率と所望電力の両立、家電製品や停車中給電と走行中給電への応用へ進みます。磁界共鳴方式の実例として AGV、EV、ドローン、電動工具向けを紹介する Appendix もあります。第 6 章「電界結合方式」は電界結合と電界共振結合の原理やカプラ形状、kHz 帯と MHz 帯を扱い、実験の Appendix が付きます。第 7 章「電波放射方式」はアクティブな電波放射型のワイヤレス給電とパッシブな電波エネルギー・ハーベスティングを取り上げ、第 8 章「ワイヤレス電力伝送の法規制と標準規格のお話」で利便性と安全性を国際的に実現する仕組みに触れ、エピローグで締めくくります。
LoRa のモニターやプラレールの走行実験など特集以外の記事
雑誌の号なので、特集の外にも記事が並びます。特設記事は、LoRa 方式のチャープ変調をリアルタイムに観測できる 920 MHz 帯の LPWA エア・モニターの仕組みと観測例で、市街地や山間部、衛星通信などでの LoRa 無線モジュールの伝搬実験の Appendix が付きます。LPWA は少ない電力で広い範囲をつなぐ無線通信の方式で、IoT のセンサー機器を遠隔で結ぶ用途に使われます。製作と実験の記事は、IH モジュールを転用した WPT で電池なしの模型のドクターイエローをプラレールの上で走らせる試みです。ほかに対数周期アンテナの電流分布測定を振り返る一般解説、横須賀無線史の第 4 回 (最終回)、ITU の周波数割り当て地域と世界の ISM バンドなどを載せた折り込み付録 2 点が収められています。
基礎から応用事例、法規制まで見渡す特集号
特集名に「はじめての」と付くとおり、本号は WPT の基礎知識と普遍的な法則から入り、そのうえで基本的な応用事例を知るという版元のねらいに沿って組まれています。WPT の方式を横断して全体像をつかみ、自分の用途に合う方式の見当を付けるための入口として使える構成です。逆に、電気回路の基礎から学びたい段階なら、回路の入門書を先に読んでおくと各章の議論に入りやすくなります。ワイヤレス給電の製品企画や試作に関わり、磁界結合だけでなく電界結合や電波放射まで比べたうえで方式を選びたい人にとって、方式の基礎と応用事例、法規制と標準規格を 1 冊で見渡せる点が本号の価値です。
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