オペレーティングシステムの仕組みの表紙

オペレーティングシステムの仕組み(オペレティングシステムノシクミ)

ハードウェア
著者:
河野 健二(コウノ ケンジ)
出版社:
朝倉書店
出版日:
2007年10月24日頃
ISBN:
9784254127058
シリーズ:
情報科学こんせぷつ 5
在庫:
在庫あり
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初級者向け
オペレーティングシステムプロセス管理メモリ管理スケジューリングI/O管理スレッドファイルシステムデバイスドライバセキュリティWindows

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ハードウェア
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書籍紹介

抽象的な概念をしっかりと理解できるよう平易に記述した入門書。〔内容〕 I/O デバイスと割込み/プロセスとスレッド/スケジューリング/相互排除と同期/メモリ管理と仮想記憶/ファイルシステム/ネットワーク/セキュリティ/ Windows
1. オペレーティングシステムの役割

2. I/O デバイスと割込み
2.1 コンピュータハードウェアの構成要素

2.2 I/O デバイスの仕組み

2.3 プロセッサへの動作完了通知

2.4 入出力装置とのデータ転送

2.5 入出力装置への動作依頼

2.6 デバイスドライバ

3. プロセスとスレッド
3.1 プロセスの定義

3.2 プロセスの実行時の様子

3.3 プロセスの生成と終了

3.4 プロセス切替え

3.5 プロセスの実装

3.6 カーネルの保護

3.7 スレッド

3.8 実行可能ファイル

3.9 初期プロセスの起動

3.10 シェルの仕組み

4. スケジューリング
4.1 プロセスの状態

4.2 スケジューリングの必要性

4.3 スケジューリングの評価基準

4.4 スケジューリングのタイミング

4.5 ラウンドロビンスケジューリング

4.6 優先度つきスケジューリング

5. 相互排除と同期
5.1 並行プログラミング

5.2 競合状態

5.3 相互排除の問題

5.4 排他制御のためのハードウェア支援

5.5 ロック

5.6 セマフォア

5.7 条件変数

5.8 モニタ

5.9 食事する哲学者の問題

5.10 Linux におけるロックと条件変数

6. メモリ管理と仮想記憶
6.1 共有資源としてのメモリ

6.2 素朴なメモリ管理

6.3 メモリの抽象化

6.4 マッピング不在

6.5 多段ページテーブル

6.6 ページの保護

6.7 仮想記憶

7. ファイルシステム
7.1 ハードディスクの構造

7.2 ファイルシステムの仕組み

7.3 ファイルシステムの実現

7.4 入出力装置の抽象化

8. ネットワーク
8.1 ネットワークの構成

8.2 ネットワークの階層

9. セキュリティ
9.1 アクセス制御

9.2 セキュリティの基本

9.3 セキュリティの C. I. A.

9.4 セキュリティ上の脅威

9.5 セキュリティモデル

10. ケーススタディ:Windows オペレーティングシステム
10.1 OS パーソナリティ

10.2 基本構造

10.3 プロセスとスレッド

10.4 スケジューリング

10.5 Windows における仮想記憶

10.6 セキュリティ

10.7 ファイルシステム

参考文献
索引

技書の森解説

コンピュータの中で OS が何をしているのかを、割込みという足元の仕組みから積み上げて理解させる教科書です。『オペレーティングシステムの仕組み』は河野健二氏の著書で、朝倉書店の情報科学教科書シリーズ「情報科学こんせぷつ」の第 5 巻として 2007 年 10 月に刊行されました。 A5 判のコンパクトな分量に、プロセス管理から仮想記憶、ファイルシステム、セキュリティまで OS 論の主要トピックが一通り収められています。版元は「抽象的な概念をしっかりと理解できるよう平易に記述した入門書」と位置づけており、情報系学部の講義用教科書としても、独習の 1 冊目としても使える構成です。

割込みを先頭に置く章構成

目次は、オペレーティングシステムの役割を述べた導入に続き、 I/O デバイスと割込み、プロセスとスレッド、スケジューリング、相互排除と同期、メモリ管理と仮想記憶、ファイルシステム、ネットワーク、セキュリティ、 Windows と進みます。特徴的なのは、プロセスの概念から説き起こす教科書が多いなかで、本書がハードウェアと割込みを先頭に置いている点です。デバイスドライバが I/O デバイスをどう操作し、動作の完了がどうプロセッサへ通知されるのかを最初に押さえるため、その後に出てくるプロセス切替えやスケジューリングを「割込みへの応答としてカーネルが行う仕事」という一本の線で追いかけられます。

OS 学習の難所と本書の説明順序

OS の学習が難しいのは、個々の概念が難解だからというより、プロセス、仮想記憶、排他制御 といった概念どうしの依存関係が濃く、どこから手を付けても「まだ説明されていない何か」に出くわすからです。教科書の価値は、この循環をどの順序でほどくかという設計に表れます。本書のハードウェアから上へ向かう順序は、 CPU と周辺デバイスが非同期に動くという計算機の物理的な現実を出発点にするもので、カーネルの保護やシェルがコマンドを実行する流れといった各論を、抽象論ではなく機械の動作として説明できる下地を先に作る組み立てです。プロセスの実装や実行可能ファイル、初期プロセスの起動といった、入門書では省かれがちな足回りに節を割いているのも目次から読み取れる特色です。

類書との使い分け

類書との使い分けははっきりしています。 Silberschatz らの『 Operating System Concepts 』 (通称は恐竜本) に代表される海外の定番教科書は網羅性が高い反面、分量が多く通読には相応の時間を要します。まず日本語で OS の全体像を通したい段階なら、薄い一冊で主要トピックを走破できる本書の密度が効きます。逆に、 Linux カーネルのソースコードや特定 OS の運用知識のように実装へ踏み込みたい読者には、カーネル解説書やハンズオン主体の本 が別途必要で、本書はそれらへ進む前に原理の地図を頭に入れるための位置づけになります。

2007 年刊という注意点と向いている読者

一方で、刊行が 2007 年である点は踏まえておく必要があります。目次に並ぶのは OS の原理そのものであり、コンテナや仮想化基盤のようにその後へ広がった個別技術の言葉は目次には現れません。ただし、プロセスとスレッド、仮想記憶、排他制御という土台は 2026 年の開発環境でもそのまま通用する、陳腐化の遅い知識です。低レイヤに苦手意識のあるアプリケーション開発者、断片的に覚えた OS 用語を体系へつなぎ直したい人、講義の教科書を探している情報系の学生にとって、短い分量で OS の骨格を一気に通せる本書は投資対効果の高い選択肢です。

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