創るための AI(ツクルタメノエーアイ)
機械と創造性のはてしない物語
AI・機械学習- 著者:
- 徳井直生(トクイナオ)
- 出版社:
- ビー・エヌ・エヌ
- 出版日:
- 2021年01月20日頃
- ISBN:
- 9784802512008
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
Artificial Intelligence (AI) =人工知能を用いたアートや音楽など創作に関する取り組みを題材に、人間の創造性と AI の関係、その未来像について考察した一冊。
社会における注目度が急速に増し、日常の何気ない会話の中にも登場するほど、私たちの生活に浸透しつつある AI 。一方で、 AI の実像について理解できている人はそう多くありません。「近いうちに AI が人間の能力を凌駕する」、「 AI が仕事を奪う」といった話がマスメディアでまことしやかに囁かれ、「 AI 時代」を生き抜くために必要な能力を議論する書籍をよく目にするようになりました。機械的な計算を超人的なスピードと正確性でこなす AI に対して、「人間のアドバンテージは機械にはない創造性にある」、「 AI 時代を生き抜くためには創造性を養う必要がある」、そんな議論もよく耳にします。
本書はこうした話とは、趣旨が大きく異なります。創造性を持つ人間と、持たない AI という二項対立で捉えるのではなく、まずは「機械は創造性を持ち得ない」という先入観を疑ってみることとします。その上で、「 AI も人とは違う創造性を持ち得るのではないか」という仮説に基づいて議論を進めます。
AI とは何か。ただの道具か。 AI によって人の能力、特に創造性をどのように拡張できるのか。そもそも、創造性とは何か──。機械による模倣が人の創造性を拡張してきた歴史を紐解きながら、世界中で行われている現在進行形の取り組みに注目し、より豊かな AI と創造性の未来を照らし出します。
創造性という極めて人間的な心の働きを、新しい人工物の上で模倣することで、私たち人間の創造性について、新しい視座を得ようとする試みともいえます。 AI というレンズを通すことで、創造するという行為が全く新しい姿を見せてくれることに驚くはずです。
技書の森解説
「創造性こそ機械に奪われない人間の砦だ」という言い方は、 AI をめぐる議論の定番です。徳井直生氏によるビー・エヌ・エヌ刊の本書 (2021 年 1 月) は、まさにその前提を疑うところから始まります。人間対 AI という二項対立ではなく、 AI にも人とは異なる形の創造性がありうるのではないかという仮説を立て、アートや音楽の創作に AI を用いる世界中の実践を手がかりに、機械と創造性の関係を掘り下げていく試みです。
サブタイトルに「機械と創造性のはてしない物語」とあるように、議論は歴史と進行中の取り組みの間を往復します。機械による模倣が人間の創造性をむしろ拡張してきた系譜をたどり、そのうえで「そもそも創造性とは何か」という問いに戻ってくる構成で、技術解説書というより、実践に裏打ちされた思索の書に近い読み味です。刊行後に画像生成や大規模言語モデルが一般化したことで、ここで立てられた問いはむしろ切実さを増しており、 Qiita では GPT-2 と ChatGPT によるキャッチコピー自動生成の比較記事からも参照されています。
コードや数式の前提知識は不要ですが、問いを抱えたまま読み進める体力は求められます。生成 AI をツールとして使うだけでは物足りなくなったエンジニア、 AI との協働に可能性と不安の両方を感じているクリエイターにとって、自分の立ち位置を言語化するための足場になる本です。
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