ソフトウェア品質知識体系ガイド (第 3 版)
ソフトウェアヒンシツチシキタイケイガイドダイサンパン
SQuBOK Guide V3
- 著者:
- 飯泉紀子 / 鷲崎弘宜 / 誉田直美 / SQuBOK 策定部会(イイズミ ノリコ / ワシザワ ヒロノリ / ホンダ ナオミ / スクーボックサクテイブカイ)
- 出版社:
- オーム社
- 出版日:
- 2020年11月21日頃
- ISBN:
- 9784274226311
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
ソフトウェア品質に関する膨大な技術を整理、体系化
本書は、ソフトウェア、IT システムの専門家である著者らが長年取り組んできたソフトウェアの品質について体系立てて整理し、簡潔に解説したものです。第 1 版発行から 13 年、第 2 版から 6 年が経過し、ソフトウェアを取り巻く環境は大きく変化しました。これを踏まえ、従来の内容を見直し、最新の技術 (AI、IoT など) の品質についても大幅に加筆しました。本書の情報をもとに、ソフトウェアの品質がどのようなものであるのか、どのように品質を確保するか、といった検討が可能になります。ソフトウェアに携わるすべての方におすすめの一冊です。
技書の森解説
ソフトウェアの品質について、何をどこまで知っておけばよいのかを一冊の地図にまとめたのが『ソフトウェア品質知識体系ガイド (第 3 版)』 (飯泉 紀子、鷲崎 弘宜、誉田 直美 監修、SQuBOK 策定部会 編、オーム社、2020 年 11 月 21 日発売) です。副題は SQuBOK Guide V3 で、英文の書名 Software Quality Body of Knowledge が書誌に併記されています。版元は、専門家である著者らが長年取り組んできたソフトウェアの品質について体系立てて整理し、簡潔に解説した本と紹介しています。第 1 版の発行から 13 年、第 2 版から 6 年を経た改訂で、従来の内容を見直したうえで AI や IoT などの技術の品質についても大幅に加筆したと案内されています。
序章と全 5 章、基本概念からマネジメント、品質技術、応用領域へ
構成は序章「SQuBOK ガイド 概略」と全 5 章です。第 1 章「ソフトウェア品質の基本概念」は品質の概念、品質マネジメントの概念、ソフトウェアの品質マネジメントの特徴の 3 節で土台を固めます。第 2 章「ソフトウェア品質マネジメント」は最も節の多い章で、組織レベル、プロジェクトレベル (共通)、プロジェクトレベル (個別) の 3 区分に 2.1 から 2.21 までの節が並び、品質マネジメントシステムの構築と運用、検査や監査、法的権利および法的責任から、調達、リスクマネジメント、構成管理、レビューとテストのマネジメント、リリース可否判定、運用および保守までを扱います。第 3 章「ソフトウェア品質技術」は工程に共通な技術としてメトリクス、モデル化の技法、形式手法を置き、工程に個別な技術として要求分析から運用および保守までの技法を並べます。第 4 章「専門的なソフトウェア品質の概念と技術」はユーザビリティ、セーフティ、セキュリティ、プライバシーの 4 節、第 5 章「ソフトウェア品質の応用領域」は人工知能システム、IoT システム、アジャイル開発と DevOps、クラウドサービス、オープンソースソフトウェア利活用における品質の 5 節です。
品質を後から確かめるのでなく、つくり込むための知識
ソフトウェアの品質の話は、動かして確かめる テスト に集約されがちです。しかしテストで見つかるのは作り込まれた欠陥であり、欠陥が入り込まない進め方を組み立てるには、組織の仕組み、計画、上流の工程の作法、記録と測定がそろっている必要があります。実際、手戻りの大きな問題の多くは 要件定義 の段階の誤解や漏れに由来し、後の工程で見つかるほど直す費用が膨らみます。知識体系の形で全体を見渡す価値は、自分のチームがどの領域を手当てできていて、どこが手薄なのかを点検できることにあります。品質、検証、レビューといった言葉の意味がメンバーの間でずれていると、議論そのものがかみ合いません。共通の見取り図を置くことは、改善の議論を始める前提づくりでもあります。
第 4 章と第 5 章の題材は、従来の機能の正しさだけでは測れない品質です。学習によって振る舞いが決まるシステムでは、あらゆる入力に対する正解をあらかじめ書き出せず、どの程度の誤りを許すのかを利用者と合意する作業が欠かせません。機器、通信、クラウドが組み合わさるシステムでは、どこか 1 か所の不具合や遅延が全体の安全や安心に波及します。リリースの頻度を上げる開発の進め方では、出荷の可否を判断する時点と方法そのものを設計し直す必要があります。こうした領域ごとの論点を、基本概念と同じ枠組みの上で参照できるのが第 4 章と第 5 章です。第 5 章の人工知能システムと IoT システムの節は、版元が大幅に加筆したと案内する AI や IoT などの技術の品質にあたります。
初級の読者にも開かれた案内書、深掘りは個別の本で
版元が挙げる読者はソフトウェア開発者、管理者、品質保証に携わる技術者などで、おすすめの段は初級としています。知識領域を体系立てて簡潔に解説する本なので、個々の技法を演習で身に付けるための本ではありません。テストケースの設計や自動化の手順を手を動かして学びたい場合は、テスト設計を学べる技術書の選び方 を参考に、個別の分野の本を組み合わせる方が近道です。この本は、その組み合わせを選ぶときに、どの領域の本が足りていないかを確かめる目次の役目を果たします。
品質保証の担当になったばかりの人、開発チームの品質の取り組みを点検して改善の優先順位を付けたい管理者、品質の議論で用語をそろえたい組織にとって、序章と全 5 章で品質の全体像を一度に見渡せるこの第 3 版は、手元に置いて繰り返し参照する価値のある一冊です。
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