Visual Thinking with TouchDesigner

ビジュアルシンキングウィズタッチデザイナー

プロが選ぶリアルタイムレンダリング & プロトタイピングの極意[改訂第 2 版]

Visual Thinking with TouchDesigner の表紙
プログラミング
著者:
松山周平 / 松波直秀 / サムワンズガーデン / ベン・ヴォイト(マツヤマシュウヘイ / マツナミナオヒデ / サムワンズガーデン / ベンヴォイト)
出版社:
ビー・エヌ・エヌ
出版日:
2021年07月29日頃
ISBN:
9784802512244
在庫:
在庫あり
0
中級者向け
TouchDesignerビジュアルプログラミングデジタルアートリアルタイム映像インスタレーションノードベース開発クリエイティブコーディングライブパフォーマンスアーティストインタビュー制作プロセス

なぜ注目されているか

総合483位 言及 4 件
言及数
591位

書籍紹介

TouchDesigner は、リアルタイム映像出力やインスタレーション制作で威力を発揮する、ノードベースのビジュアルプログラミングツールです。表現のアイデアを素早く形にでき、かつ拡張性と安定性にも優れた、アートとテクノロジーの結節点たりうる開発環境です。

本書は、これから TouchDesigner を始めようとしている入門者、そしてもっと使いこなしたいと思っている初・中級者に向けて、基礎テクニックから実践的な応用法までを網羅した解説書です。

先駆者たちへのインタビュー、著名デジタルアーティストたちの制作プロセスと設計思想に迫ったコンテンツも掲載。また、今回の改訂版では、さまざまなアーティストのライブ映像演出を手掛ける BACKSPACE Productions Inc.による解説コンテンツも収録しています。

技書の森解説

リアルタイムの映像出力やインスタレーションを組み立てる道具として、TouchDesigner をこれから始める人、あるいはもっと使いこなしたい人に向けた解説書が、『Visual Thinking with TouchDesigner 改訂第 2 版』 (松山 周平、松波 直秀 著、ベン・ヴォイト 監修、サムワンズガーデン 編集、ビー・エヌ・エヌ、2021 年 7 月刊) です。副題は「プロが選ぶリアルタイムレンダリング & プロトタイピングの極意」で、版元は本書を、入門者と初 / 中級者に向けて基礎テクニックから実践的な応用法までを網羅した解説書と紹介しています。NDL の書誌によれば初版は 2017 年にビー・エヌ・エヌ新社から刊行されています。版元によると、この改訂版では、さまざまなアーティストのライブ映像演出を手掛ける BACKSPACE Productions Inc. による解説コンテンツも収録されています。監修のベン・ヴォイトは、版元のプロフィールでは Derivative 社のプロダクトマネージャーで、ver.007 から TouchDesigner に関わってきた人物と紹介されています。

基本操作から作品事例まで、5 章と付録の構成

本文は CHAPTER 1 から CHAPTER 5 までの 5 章で、章の間には制作者へのインタビューが挟まれています。CHAPTER 1 は TouchDesigner の歴史と PRISMS / Houdini からの系譜、設計コンセプト、ライセンスとインストールを扱う導入です。CHAPTER 2 は操作画面とオペレータのつなぎ方に始まり、TOP による画像合成、CHOP を使った数値処理、SOP と COMP を使った 3D プログラミング、ユーザーインターフェイスへと基本を一巡します。CHAPTER 3 は 16 節からなる応用編で、漫画カメラやオーディオビジュアライズ、3D モデルビューア、プロジェクションマッピングのほか、Leap Motion、Azure Kinect DK、OSC、Arduino とのデバイス連携、VR 端末の利用、ジオメトリ・インスタンス、PBR (物理ベースレンダリング) までを作例で扱います。CHAPTER 4 は実際の 3 つの作品のシステム構成とワークフローを読み解き、CHAPTER 5 は Moment Factory を含む 4 組のアーティストとスタジオの仕事現場を紹介します。巻末の付録はキーボード・ショートカット、オペレータ・ディクショナリと、TouchDesigner における Python を扱う 4 本です。

ノードをつないで毎フレーム描き直すという発想

TouchDesigner の特徴は、処理の単位であるオペレータをノードとして画面上でつなぎ、その結果を毎フレーム描き直しながら確認できる点にあります。あらかじめ時間をかけて映像を書き出すオフラインのレンダリングと違い、パラメーターを動かした瞬間に出力が変わるため、表現の試行錯誤と試作を同じ画面の上で回せます。オペレータは画像を扱うもの、時間とともに変わる数値を扱うもの、立体の形状を扱うものといった系統に分かれており、センサーや音の入力を数値として受け取り、それを映像のパラメーターへ流し込む設計を、データの流れとして目で追える形に組めるのが強みです。一方で、ノードの数が増えると全体の見通しは急速に悪くなります。部品をまとめて再利用する仕組みや、ノードでは表しにくい細かな手続きを内蔵の Python で書き足す方法を早い段階で身に付けられるかどうかが、小さな作例から展示に耐える作品へ進めるかの分かれ目になります。

機材と Python の素養、2021 年時点の版という前提

CHAPTER 3 の作例の一部は Leap Motion や Azure Kinect DK、VR 端末、Arduino といった機材を前提にしているため、手を動かして再現したい場合は、どの節の機材を用意できるかを先に確かめておくと無駄がありません。付録では TouchDesigner における Python を 4 本に分けて扱っていますが、Python を書いた経験が無い場合は、Python の入門書 を先に一冊通しておくと付録を読み進めやすくなります。また本書は 2021 年 7 月時点の TouchDesigner を前提にした解説なので、手元のバージョンと画面や挙動が違う箇所は公式のドキュメントで確かめながら読む必要があります。コンピュータグラフィックスの理論そのものを体系的に学びたい人や、テキストのコードだけで映像を組む手法を探している人には、目的とずれる一冊です。

ライブの映像演出やインスタレーション、展示のための試作を自分の手で組み立てたい人にとって、操作の基本から機材との連携、プロの現場の構成例までを一冊で通せる本書は、手探りで学ぶ時間を大きく縮められる選択です。CHAPTER 2 で基本のオペレータに慣れたあと、自分の用意できる機材に合う CHAPTER 3 の作例から手を付けると、作品づくりへの最短の道筋が見えてきます。

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