SPRESENSE ではじめるローパワーエッジ AI

スプレッセンスデハジメルローパワーエッジエーアイ

SPRESENSE ではじめるローパワーエッジ AI の表紙
著者:
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 / 太田 義則(ソニーセミコンダクタソリューションズ / オオタ ヨシノリ)
価格:
¥3,520
出版社:
オライリー・ジャパン
出版日:
2022年02月28日頃
ISBN:
9784873119670
在庫:
1
判型:
単行本

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書籍紹介

エッジ AI を基礎から学べる書籍!
本書は、ソニーセミコンダクタソリューションズの Arduino 互換ボード、SPRESENSE を使ったエッジ AI について解説する書籍です。SPRESENSE は Arduino 開発環境で開発を行うことができる省電力シングルボードコンピューターで、マルチコアプロセッサを搭載し、GPS なども内蔵。本書では、SPRESENSE の基本的な使い方に加え、ソニーが開発・提供している Neural Network Console と組み合わせて、エッジ AI を実現する方法を解説します。

技書の森解説

クラウドに画像や音を送らず、小さな省電力ボードの上で認識まで済ませる組み込み AI を、作例を通して学ぶ入門書です。『SPRESENSE ではじめるローパワーエッジ AI』 (ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社、太田 義則 著、オライリー・ジャパン、2022 年 2 月 28 日発行) が題材にする SPRESENSE は、ソニーが独自開発した IoT 向けのセンシングプロセッサーを搭載した開発ボードで、版元は省電力で高い計算能力と豊富なセンシング機能を備えている点を特徴に挙げています。紹介文では、Arduino 互換で Arduino の開発環境で開発できることも案内されています。本書はこのボードの基本的な使い方と、ソニーの AI ツール Neural Network Console を組み合わせて、学習したモデルをボード上で動かすまでを解説します。

開発環境の準備から 5 つの認識の作例まで、全 11 章の構成

1 章から 3 章はボードの側の準備です。1 章で Arduino IDE と SPRESENSE 用のドライバー、ボードパッケージ、ブートローダーを整えて LED を動かし、2 章で液晶ディスプレイ、カメラ、マイクをつなぎ、3 章で FFT の基礎とマイク入力の周波数変換、マルチコアプログラミングを扱います。4 章と 5 章は学習の側で、4 章は Neural Network Console の Windows アプリ版とクラウド版の準備から、データセットの登録、ネットワークの編集、学習と評価、学習済モデルの出力まで、5 章は全結合や畳み込みの構造、出力層と損失関数を確かめたうえで、ネットワークを組み込み向けに最適化する方法と学習データの不足を補う方法を取り上げます。6 章で学習済モデルをボードに転送して DNNRT ライブラリで動かす手順を押さえたら、7 章から 11 章が作例です。カメラによるリアルタイムの画像認識、マイクとオートエンコーダによるパイプの異常検知、バイナリのセマンティックセグメンテーションによる物体抽出、スペクトログラムを使った音声コマンドの認識、加速度 / ジャイロセンサーによるジェスチャーの認識と続き、この 5 つの章はいずれも、学習データの収集や生成を扱う節を含んでいます。

小さな省電力ボードで推論を動かす意味と難しさ

推論を端末の上で済ませると、データをネットワーク越しに送る時間と通信の手間がかからず、映像や音声を外に出さずに済み、電池で長く動く機器にも組み込みやすくなります。一方で、こうしたボードが使えるメモリと計算能力はパソコンやクラウドとは桁違いに小さく、大きなモデルをそのまま載せることはできません。認識の精度を保ちながら ニューラルネットワーク を小さく組む工夫が欠かせず、本書が 5 章をネットワークの組み込み向けの最適化に充てているのはこのためです。もう一つの壁は学習データで、工場の異音や特定の手の動きのような用途では公開のデータセットがまず見つからず、自分の機器で集めたデータが精度を左右します。作例の章がそろってデータの集め方を扱っているのは、IoT 機器 に AI を載せる仕事の多くが、モデルの設計と同じくらいデータの準備に時間を取られることを反映した構成と読めます。

Arduino と GUI のツールで始める前提と注意点

版元は、Arduino IDE と GUI ベースの Neural Network Console を組み合わせることで、AI の初学者でも組み込み AI を実現できると紹介しています。ネットワークの編集や学習は画面上の操作で進められるため、深層学習のフレームワークでコードを書いた経験は必須ではありませんが、Arduino のスケッチを読み書きする基本と、電子部品を配線する手間には付き合う必要があります。作例を再現するには、メインボードに加えて、章に応じてカメラ、液晶ディスプレイ、マイク、加速度 / ジャイロセンサーを用意することになります。また本書は 2022 年 2 月の刊行で、開発環境やツールの画面は 2022 年時点のものを前提にしているため、手元で試す際は SPRESENSE と Neural Network Console の公式の案内で手順の変化を確かめてください。逆に、深層学習の理論や数式を体系的に学びたい場合は、ディープラーニング本の選び方 を参考に、原理を扱う本を別に選ぶほうが目的に合います。

センサーやカメラを使った試作品に認識の機能を足したい組み込みの技術者や、AI をクラウドではなく機器の側で動かす感覚を手を動かしてつかみたい人にとって、ボードの準備から 5 種類の認識の作例までを 1 冊で通せる本書は、最初の一歩を踏み出しやすい入門書です。1 章から 6 章で土台を固めたら、興味のある作例の章から進めていく読み方ができます。

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