Python で理解する統計解析の基礎
パイソン デ リカイ スル トウケイ カイセキ ノ キソ
プログラミングの力を使って直感的に理解できる
- 著者:
- 辻真吾 / 谷合廣紀(ツジ, シンゴ / タニアイ, ヒロキ)
- 出版社:
- 技術評論社
- 出版日:
- 2018年10月
- ISBN:
- 9784297100490
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
統計解析を学びたいと考える方に向けて、データを確認しながら学習できる新時代の入門書。複雑な計算やグラフの描画が簡単にできる Python をフル活用。
技書の森解説
『Python で理解する統計解析の基礎』は、これから統計解析を学びたい人に向けて、Python で実際にデータを確かめながら直感的な理解を促す入門書です。谷合廣紀が著し、辻真吾が監修した技術評論社の「Python × Math」シリーズの 1 冊で、NDL の書誌では 2018 年 10 月刊、版元の書籍ページの発売日は 2018 年 9 月 21 日です。版元が挙げる読者は「統計解析を学びたい Python ユーザ」で、Python の文法を一から学ぶ本ではなく、Python を道具として統計の考え方を身につける本と読めます。
全 12 章、記述統計から推定と検定、回帰分析まで
第 1 章「データについて」でデータの大きさと変数の種類を整理したあと、第 2 章「1 次元データの整理」と第 3 章「2 次元データの整理」で、中心とばらつきの指標、データの正規化、視覚化、2 つのデータの関係性の指標を扱います。第 3 章にはアンスコムの例を取り上げる節もあります。第 4 章「推測統計の基本」で母集団と標本、確率モデルを導入し、第 5 章から第 8 章で離散型と連続型の確率変数、ベルヌーイ分布や二項分布から正規分布、カイ二乗分布、t 分布、F 分布までの代表的な確率分布を学びます。第 9 章「独立同一分布」で和の分布と標本平均の分布を押さえたうえで、第 10 章「統計的推定」で点推定と区間推定、第 11 章「統計的仮説検定」で 2 標本問題を含む検定、第 12 章「回帰分析」で単回帰と重回帰、モデルの選択と妥当性へ進みます。
確率分布の章を厚く挟んでから推定と検定へ進む構成
記述統計は手元のデータを要約する技術ですが、推測統計は一部のデータから全体について判断する技術です。区間推定の幅や検定の結論は、標本平均のような統計量がどのような分布に従うかが分からなければ意味を持ちません。t 分布やカイ二乗分布、F 分布は、平均や分散の比較、回帰モデルの評価で繰り返し使われる分布です。本書が推定と検定の前に確率変数と確率分布の章を 5 章分置いているのは、この土台を先に固めるためと読めます。統計学 の入門で公式の丸暗記に終わりがちな部分ですが、プログラムで乱数から標本を何度も取り出し、標本平均のばらつきがどう収まっていくかを確かめれば、理屈と結果を結びつけて理解しやすくなります。アンスコムの例も、平均や相関係数がほぼ同じでも散布図にするとまったく違う形をした 4 組のデータとして知られており、要約の数値だけで判断しない姿勢を視覚化で教える題材です。
Python を使う利点と、前提にしておきたいこと
版元は概要で、Python がシンプルで可読性が高く逐次実行できること、統計解析に関するライブラリが充実していて複雑な計算やグラフの描画がかんたんにできること、汎用的な言語なのでシステムに組み込めることを、Python で統計解析を解説する利点として挙げています。逆に言えば、Python の基本的な書き方は読者の側で用意しておく前提です。プログラミングそのものが初めてなら、先に Python の入門書の選び方 を参考に 1 冊を終えておくと、統計の内容に集中できます。目次にはベイズ統計や機械学習の章は無く、扱うのは推定、検定、回帰分析までの古典的な統計解析の基礎です。刊行時の著者プロフィールによると、著者は東京大学大学院の修士課程に在籍しながら将棋の奨励会の三段リーグに身を置き、統計検定準 1 級を持っていました。版元ページには、刊行後に谷合廣紀四段として PyCon JP 2021 で基調講演をする告知も載っています。
Python は書けるが、統計の検定や回帰分析を自信を持って説明できない人、あるいは データサイエンス の仕事に入る前に統計の土台を固めておきたい人にとって、記述統計から回帰分析までを一続きの流れで学べる本書は、最初に通読する 1 冊として手堅い選択です。章を追いながら、手元のデータで同じ計算を試していく読み方が向いています。
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