ネットワークセキュリティ
ネットワークセキュリティ
- 著者:
- 高橋 修 / 関 良明 / 河辺 義信 / 西垣 正勝 / 岡崎 直宣 / 岡崎 美蘭(タカハシ オサム / セキ ヨシアキ / カワベ ヨシノブ / ニシガキ マサカツ / オカザキ ナオノブ / オカザキ ミラン)
- 出版社:
- 共立出版
- 出版日:
- 2017年09月21日頃
- ISBN:
- 9784320123564
- シリーズ:
- 未来へつなぐ デジタルシリーズ 36
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
我々がインターネットを利用する上で, 守るべき資源 (コンピュータ, ネットワーク, データ, 等),これらの資源に対する脅威, 脅威から資源を守る技術とその限界を含めたネットワークセキュリティを学ぶことは今後 IoT を含む情報システムの研究・開発・実用化を行う上で必須になっている。
本書は, 線形代数学, 情報ネットワーク, アルゴリズムとデータ構造, オペレーティングシステムに関する基本的な知識を有する情報系学科/コースの 3 年生を想定して, ネットワークセキュリティを体系的に学習する事を前提に, 技術要素, 実システム, 関係する法律などに関して具体的な事例を取り上げながら解説している入門書である。
技書の森解説
共立出版の『ネットワークセキュリティ』は、暗号の基礎から認証、ネットワークの防御、組織のセキュリティ管理、プライバシーと法律までを 1 冊で体系的に学ぶ、大学の情報系学科向けの教科書です。高橋 修 監修、関 良明ほか 6 名の執筆で、「未来へつなぐ デジタルシリーズ」の 36 巻として 2017 年 9 月に刊行されました。版元の紹介文は、線形代数学、情報ネットワーク、アルゴリズムとデータ構造、オペレーティングシステムの基本的な知識を持つ情報系学科 / コースの 3 年生を想定した入門書と位置づけています。
全 11 章の構成、古典暗号から日本の情報セキュリティ法まで
第 1 章「ネットワークセキュリティ序説」でインターネットの発展と潜在する脅威を整理したあと、第 2 章から第 5 章が暗号に充てられます。第 2 章の古典的な暗号 (転置暗号と換字暗号)、第 3 章の共通鍵暗号 (DES とその解読法、トリプル DES、AES)、第 4 章と第 5 章の公開鍵暗号 (RSA、ハイブリッド暗号、デジタル署名、公開鍵の配送) という順です。第 6 章はユーザー認証で、認証情報と認証への脅威、認証の強化、CAPTCHA を扱います。第 7 章は組織内ネットワーク、第 8 章はインターネットのセキュリティで、ここで Web、電子メール、リモート接続、仮想プライベートネットワークが取り上げられます。第 9 章は情報セキュリティマネジメント、第 10 章はプライバシーの保護、第 11 章は日本の情報セキュリティ法です。暗号の原理から始めて、最後は法制度で締めくくる並びになっています。
共通鍵と公開鍵の使い分けを古典暗号から積み上げる
暗号の学び方として、古典暗号から入る構成には理由があります。転置と換字という 2 つの操作は、現代の共通鍵暗号でも部品として使われている考え方で、ここを手で確かめておくと DES や AES の内部構造が単なる手順の暗記になりません。共通鍵暗号は速い一方で、通信相手と同じ鍵を事前に安全に共有しなければならないという問題を抱えます。第 4 章の節題「はじめに: 共通鍵の問題」は、まさにこの鍵配送の問題を公開鍵暗号への入口に置いていることを示しています。実際の通信では 2 種類の暗号を組み合わせて使うのが基本です。さらに、受け取った公開鍵が本当に相手のものかを確かめる仕組みが要り、Web の HTTPS で使われる TLS 証明書 はその仕組みの代表例です。
防御の現場から管理と法制度まで視野を広げる
第 7 章ではネットワーク機器のセキュリティ対策、ファイアウォールと侵入検知システム、無線 LAN のセキュリティを、第 8 章では Web や電子メールなど利用者が日常的に触れる経路の防御を扱います。パスワードのような単一の秘密に頼る危うさはよく知られており、所持している端末や生体の情報を組み合わせる 多要素認証 が広く使われるようになりました。第 6 章で認証への脅威と対策を押さえておくと、こうした仕組みが何を防ぎ、何を防げないのかを判断できます。防御の技術に続いて、本書は第 9 章で体制の構築、ポリシーの策定、監視、評価、見直しと改善という組織の運用サイクルへ進み、第 10 章と第 11 章で電子署名法、著作権法、個人情報保護法、損害賠償責任までを扱います。法律の章は 2017 年の刊行時点の制度を前提にしているので、実務に当てはめる時は条文の改正履歴を別に確かめる必要があります。
情報系 3 年生の前提知識と、この教科書が合う読者
前提として版元が挙げる 4 分野は、情報系の専門課程で学ぶ基礎科目です。入門書と位置づけられてはいますが、セキュリティの話題を読み物として知りたい一般の読者向けではなく、計算機科学の基礎を持つ学生が講義で体系を作るための本です。特定の製品の設定手順や攻撃手法の実演を求める人にも向きません。一方で、暗号、認証、ネットワーク防御、組織の管理、法律というばらばらに学びがちな領域を 1 冊の目次の上で結び付けたい学生や、実務で個別の製品に触れてきたエンジニアが基礎から全体像を組み直したい場合には、章の順に読み進めることで全体の見取り図を組み立てられる教科書です。実務寄りの本と組み合わせる場合の選び方は セキュリティ本ガイド も参考になります。講義の教科書として、また基礎を固め直すための 1 冊として手元に置く価値があります。
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