ヒューマンインタフェース

ヒューマンインタフェース

ヒューマンインタフェースの表紙
セキュリティ
著者:
増井 俊之 / 小池 英樹(マスイ トシユキ / コイケ ヒデキ)
出版社:
放送大学教育振興会
出版日:
2023年03月20日頃
ISBN:
9784595324161
シリーズ:
放送大学教材
在庫:
在庫あり
4(1 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
ヒューマンインタフェースUI/UX情報視覚化VRARセキュリティユーザー体験インタフェース設計知覚型インタフェース実世界インタフェース

なぜ注目されているか

言及数
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書籍紹介

コンピュータを人間が利用するための技術の歴史と現状を学び、何故そういう技術が使われてきたのか、どういう技術や社会が理想なのか、理想に近づくためにはどのような考察が必要なのか、などを幅広く解説する。ヒューマンインタフェースの歴史と現状、ヒューマンインタフェース関連の各種の最新技術について学び、理想のヒューマンインタフェースを追及するための基本的知識を得ることを目標とする。
※この科目は、インターネット配信限定で視聴する科目です。インターネット配信は、放送大学の学生の方が視聴できます。

1.ヒューマンインタフェースとは何か 2.ヒューマンインタフェースの歴史 3.インタフェースの入出力装置 4.情報検索のインタフェース 5.テキスト入力のインタフェース 6.予測 / 例示インタフェース 7.実世界インタフェース 8.ヒューマンインタフェースのソフトウェア開発 9.Web とインタフェース 10.情報視覚化 11.知覚型ユーザインタフェース 12.バーチャルリアリティ (VR) とオーグメンテッドリアリティ (AR) 13.コミュニケーションとヒューマンインタフェース 14.セキュリティとヒューマンインタフェース 15.ヒューマンインタフェースから人間拡張へ

技書の森解説

使いやすい画面の作り方を教えるハウツー本とは違い、『ヒューマンインタフェース』 (増井俊之 / 小池英樹 著、放送大学教育振興会、2023 年 3 月刊) が扱うのは、人間がコンピュータを利用するための技術がなぜその形になり、どこへ向かうべきかという一段深い問いです。放送大学教材シリーズの一冊で、書誌上は情報コースの専門科目に位置づけられ、同名の授業科目に対応するテキスト (印刷教材) として刊行されました。版元の紹介文は、技術の歴史と現状を学び、どういう技術や社会が理想なのか、理想に近づくためにどのような考察が必要なのかを幅広く解説する、と本書の狙いを述べています。

全 15 章の構成、入出力装置から人間拡張まで

構成は第 1 章から第 15 章までの全 15 章です。第 1 章と第 2 章でヒューマンインタフェースとは何か、その歴史を押さえた後、第 3 章から第 6 章で入出力装置、情報検索、テキスト入力、予測 / 例示インタフェースという、日常的に触れている入力と検索の技術を扱います。第 7 章の実世界インタフェース、第 8 章のソフトウェア開発、第 9 章の Web とインタフェース、第 10 章の情報視覚化、第 11 章の知覚型ユーザインタフェースと進み、第 12 章でバーチャルリアリティ (VR) とオーグメンテッドリアリティ (AR)、第 13 章でコミュニケーション、第 14 章でセキュリティとの関係を取り上げ、第 15 章「ヒューマンインタフェースから人間拡張へ」で研究の先端に到達します。

インタフェースの「なぜ」を歴史から学ぶ意味

キーボードの配列、マウスとウィンドウによる直接操作、文字を打つと候補が並ぶ予測入力といった慣習は、いずれも歴史のある時点で誰かが選んだ設計判断の積み重ねであり、当時の装置の制約や研究上の発想を知らないと、単なる決まりごとに見えてしまいます。たとえばスマートフォンの文字入力で次の語の候補が出る予測インタフェースや、人間が例を示すと計算機が手順を汲み取る例示インタフェースは、限られた入力手段で意図を伝えるという古くからの問題に対する研究の答えです。実世界の物体や身体の動きを入力に使う実世界インタフェースや知覚型の ユーザーインタフェース、視野に情報を重ねる AR も、同じ問題を画面の外へ広げたものとして一本の系譜に並びます。セキュリティの仕組みが使いにくいと利用者に回避されてしまうという課題も、インタフェース研究が扱う典型的な問題の一つで、本書も第 14 章で セキュリティ とヒューマンインタフェースの関係に一章を割いています。この系譜を歴史と現状から理想像まで通して見せる構成のため、断片的に知っている技術がどの問いへの答えなのかを位置づけ直せる点に、本書の価値があります。

放送大学の印刷教材という性格と、向かない読者

放送大学教材は、授業科目を独習できるように書かれた大学のテキストで、本書の版元紹介文には、この科目がインターネット配信限定で視聴する科目であり、配信は放送大学の学生が視聴できる旨の注記があります。在学生でない読者にとっては、この本が科目の内容に触れる主な手段になります。国立国会図書館の書誌には参考文献ありと記録されており、章ごとの文献から原論文や関連書へ進む足がかりにもなります。一方で、特定のデザインツールの操作や、画面レイアウトの具体的なガイドラインをそのまま業務へ持ち帰りたい人には、研究的な視点で書かれた本書は遠回りに感じられるでしょう。プログラミングの前提は書誌情報からは読み取れませんが、情報コースの専門科目という位置づけからは、情報系の基礎的な素養を持つ読者が想定されていると考えられます。

UI や UX の現場で、なぜこの慣習があるのかを自分の言葉で説明できるようになりたい開発者やデザイナー、あるいは情報系の学部で人とコンピュータの接点を体系的に学びたい学生にとって、研究の系譜を一冊で見渡せる本書は、目の前の設計判断に根拠を与えてくれる投資です。VR / AR や人間拡張のように、製品企画で新たに向き合う分野の見取り図を先に持っておきたい人にも、放送大学教材ならではの整った構成が効きます。

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