FortiGate完全攻略の表紙

FortiGate 完全攻略(FortiGateカンゼンコウリャク)

セキュリティ
著者:
椎屋淳伸(シイヤ アツノブ)
出版社:
技術評論社
出版日:
2015年03月
ISBN:
9784774172668
在庫:
在庫あり
3(1 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
セキュリティサイバーセキュリティネットワークセキュリティUTMFortiGateセキュリティ対策企業セキュリティセキュリティ運用セキュリティ設定セキュリティソリューション

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書籍紹介

某国内大手企業の個人情報漏洩事件が明らかになって以降、企業におけるサイバーセキュリティ対策はさらに重要な位置づけとなりました。現在、そこで使われるツールは UTM (統合脅威管理) と呼ばれ、「 FortiGate 」は同分野で 2004 年以降、国内シェア 1 位を維持しています。本書は、 FortiGate の導入/運用を担当する技術者に向けて、基本から応用的な設定方法以外に、業務/業種別のソリューションや運用 Tips などを盛り込んで解説しています。

技書の森解説

ファイアウォール、 VPN 、アンチウィルス、 IPS 、 Web フィルタ。かつて個別の機器で積み上げていた境界防御を 1 台に束ねる UTM (統合脅威管理) アプライアンスは、専任のセキュリティ部隊を置けない組織のネットワークを支える定番の構成になりました。『 FortiGate 完全攻略』 (椎屋淳伸 著、技術評論社、 2015 年 3 月刊、 B5 変形 272 ページ) は、その代表的な製品である Fortinet 社の FortiGate を導入・運用する技術者に向けた日本語の解説書で、当時の FortiOS 5.2 を対象に書かれています。著者は刊行時点でフォーティネットジャパンに在籍するネットワークセキュリティのアーキテクトで、メーカーの中の人が設定の意図まで含めて書いた本という点が性格を決めています。

全 3 部 12 章の構成

構成は 3 部立てです。 Part 1 で FortiGate のアーキテクチャを押さえます。機能とライセンスの体系、ハードウェア、 OS にあたる FortiOS 、シグネチャ配信基盤の FortiGuard 、そして導入前に検討すべき事項までが対象です。 Part 2 が中核で、ファイアウォールポリシーと NAT 、 IPsec VPN と SSL-VPN 、アンチウィルス・ IPS ・ DoS 防御・アプリケーションコントロール・ Web フィルタ・ SSL インスペクションといった 多層防御 の各機能、 FGCP による冗長化 (HA) 、仮想システム (VDOM) 、 FortiAP を使ったセキュア無線 LAN 、ロギングまでを設定手順込みで解説します。 Part 3 は運用者向けの上級編で、パスワードリカバリやパケットキャプチャなどの小技集と、 CLI コマンドを使ったトラブルシューティング、公式資料の探し方をまとめています。

マニュアルの行間を埋める読みどころ

この種の商用アプライアンスは公式マニュアルが機能の辞書に徹しがちで、「どの機能をどう組み合わせて守るのか」という設計の視点は現場任せになりやすい領域です。本書は GUI と CLI の対応関係や、 FortiASIC によるハードウェア処理の確認方法のような、マニュアルの行間にあたる運用知識を日本語でまとめている点に価値があります。対象読者は版元が明示するとおり、 FortiGate の導入に携わるネットワークインテグレータのエンジニアと、導入後に運用管理を担うネットワーク・セキュリティエンジニアで、ネットワークの基礎用語 (ルーティング、 NAT 、 VPN 程度) が分かることが前提です。なお版元は 2015 年の刊行時点で、 FortiGate を UTM 市場でシェア No.1 を継続する製品と紹介しています。

FortiOS の世代差という注意点

はっきり踏まえるべきなのは FortiOS の世代差です。本書が詳解する FortiOS 5.2 は 2015 年時点の版であり、 FortiOS はその後 6 系・ 7 系とメジャーバージョンを重ねて、管理画面の構成も機能名も設定手順も大きく変わりました。 SD-WAN のように後の世代で主要機能になった領域は本書の射程外です。したがって、手元の機器の画面と突き合わせながら手順書として使う読み方は成り立ちません。使えるのは、ポリシー設計・多層防御の機能の選び方・ VDOM や HA の考え方・ CLI での切り分けの型といった、世代を越えて持ち越せる部分です。

向いている読者と現実的な使い方

FortiGate の導入プロジェクトを任されて全体像から掴みたい人、 CLI での診断方法を体系的に押さえたい運用者にとっては、刊行年を理解した上で読む価値が残る一冊です。逆に、手元の FortiOS の画面通りの操作手順を求めるなら、本書ではなく Fortinet の公式ドキュメントが第一の参照先になります。本書で骨格を掴み、細部の手順は公式資料で補う、という役割分担で使うのが 2026 年時点での現実的な活かし方です。

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