独習 C++ 新版

ドクシュウシープラスプラスシンバン

独習 C++ 新版の表紙
プログラミング
著者:
高橋 航平 / επιστημη(エピステーメー)(タカハシ コウヘイ / エピステーメー)
出版社:
翔泳社
出版日:
2019年11月11日頃
ISBN:
9784798150239
在庫:
在庫あり
0
初級者向け
C・C++・C#プログラミングC++独習書基礎学習サンプルプログラム練習問題コア言語学習教材プログラミング言語

なぜ注目されているか

言及数
1199位
総合1837位 ↓ 2 ランクダウン 言及 1 件

書籍紹介

本書は 13 の章と付録から構成。全 13 章を通して、C++のコア言語を中心とした基礎的な知識・概念・機能を、さまざまなサンプルプログラムを例示しながら詳細かつ丁寧に解説している。また、各章には「Note」などの囲み記事がいくつかあり、これらでは、特定の話題に関する補足情報や、本文で扱いきれなかった情報をまとめている。さらに、学習する内容について、具体的な操作例やサンプルプログラム、実行結果などを示している。実際に手を動かして、確認しながら学習を深めることができる。各章は、細かな内容の節に分かれており、節の末尾には、それまで学習した内容を確認する「練習問題」がある。

技書の森解説

C++ は、C 譲りの 低水準なメモリ制御 と、テンプレートによる高度な抽象化が同居する、習得負荷の高い言語です。『独習 C++ 新版』 (高橋航平著、επιστημη 監修、翔泳社、2019 年 11 月刊) は、この言語を独学で正面から学ぶための解説書で、翔泳社の学習書シリーズ「独習」の C++ 編を 9 年ぶりに完全書き下ろしで刷新した一冊です。対応規格は C++17。著者の高橋航平氏は C++ の準標準ライブラリ群 Boost のコミッターであり、版元は本書をシステム開発者やゲームプログラマーを含むすべての C++ 学習者に向けた解説書と位置づけています。

解説 / 例題 / 練習問題の 3 ステップ構成

構成は全 13 章と付録で、独習シリーズ共通の「解説・例題・練習問題」という 3 ステップの学習メソッドを採ります。概念をサンプルプログラム付きで解説し、実行結果を確かめる例題で手を動かし、節末の練習問題と章末の理解度チェックで定着を測る流れです。目次は基本的な言語機能 (変数 / 演算子 / 条件分岐 / ラムダ式 / 型推論) から始まり、クラス、分割コンパイルとビルド、配列 / ポインターと右辺値参照、演算子オーバーロード、継承、入出力システム、テンプレート、例外処理、実行時型情報、データ構造とアルゴリズム、文字列処理へと進みます。

読みどころはモダン C++ を本編に置く設計

C++ の独学で最初につまずくのは、言語そのものより教材の世代差です。2011 年制定の C++11 で右辺値参照 / ラムダ式 / auto による型推論などが導入され、言語の書き方は大きく変わりました。それ以前に書かれた入門書で学ぶと、教わった書き方と現行のコードベースで使われる書き方が食い違う、という遠回りが起きます。本書の価値はまさにここにあり、C++17 を前提にゼロから書き下ろされているため、ラムダ式と型推論が第 2 章、右辺値参照が第 5 章という具合に、モダン C++ の要素が応用編ではなく本編の早い段階に織り込まれています。

もう 1 つの山場はメモリ管理です。C++ にはガベージコレクションがなく、new と delete によるオブジェクトの生成と破棄、コンストラクターとデストラクターの対応関係、コピーとムーブの区別を理解しないと安全なコードは書けません。本書は第 5 章でこの領域を右辺値参照まで含めて掘り下げます。後半の テンプレート / 例外処理 / 実行時型情報は、標準ライブラリや実務のフレームワークを読み解くための土台であり、通読すれば実務の C++ コードを文法面で読み切る基礎体力が一冊で身につく設計です。

必要な前提知識と向かない読者

第 1 章は Hello, world から始まるため文法知識ゼロから読めますが、進度は速く密度も高めです。プログラミング自体が初めての人が最初の一冊にするには歯応えが強く、他の言語で変数や関数の概念を掴んでいる人、あるいは C の経験者が C++ へ進む局面で最も効率よく働きます。逆に、手早くアプリを作る体験から入りたい人や、C++20 以降で導入されたコンセプト・モジュール・コルーチンまで学びたい人には向きません。2019 年刊のため、カバー範囲はあくまで C++17 までです。

読了後の接続先

読了後の接続先としては、モダン C++ の実践的な作法を項目形式でまとめた『Effective Modern C++』 (Scott Meyers 著、オライリー・ジャパン、2015 年) が定番ですが、あちらは入門書ではなく本書レベルの文法理解が前提になります。順序は本書が先です。仕事や研究で C++ と長く付き合う見込みがあり、雰囲気ではなく仕様の裏付けを持ってコードを書けるようになりたい人にとって、 練習問題 で足場を固めながら C++17 の全体像を一周できる本書は、最初の投資として堅実な選択です。

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