TCP/IP の絵本 第 2 版 ネットワークを学ぶ新しい 9 つの扉

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TCP/IP の絵本 第 2 版 ネットワークを学ぶ新しい 9 つの扉の表紙
ネットワーク
著者:
株式会社アンク(カブシキガイシャ アンク)
出版社:
翔泳社
出版日:
2018年07月11日頃
ISBN:
9784798155159
在庫:
在庫あり
4.71(7 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
TCP/IPネットワーク入門書絵本スタイル基礎学習コンセプト理解ビジュアル学習ネットワークプロトコルインターネット技術学習ガイド

なぜ注目されているか

総合615位 ↑ 3 ランクアップ 言及 7 件・うち記事 3 件を掲載
言及数
691位
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書籍紹介

絵でイメージ! 概念が分かる。基礎から学びたい人のネットワーク入門書。

技書の森解説

ネットワークの入門でつまずく原因の多くは、目に見えないデータの流れと、それを支える層の分担を頭に描けないことにあります。『TCP/IP の絵本 第 2 版』 (株式会社アンク 著、翔泳社、2018 年 7 月刊) は、翔泳社の「絵本」シリーズに属する TCP/IP の入門書で、副題は「ネットワークを学ぶ新しい 9 つの扉」です。版元はこの本を、イラストを見ながら理解できるやさしい TCP/IP の解説書で、予備知識なしで読め、「ネットワークとは何か」というところから理解を進められる本と紹介しています。説明は 2 ページを単位とし、内容を基礎に絞り込んでいるため、短い時間でも区切りよく読み進められる作りです。

前置きと全 8 章の構成、TCP/IP の概要から層別にセキュリティまで

目次は「TCP/IP の勉強をはじめる前に」という前置きの章に続いて、全 8 章と付録で構成されています。第 1 章「TCP/IP の概要」と第 2 章「通信サービスとプロトコル」で、通信規約としてのプロトコルの考え方と TCP/IP 全体の見取り図をつかみ、第 3 章「アプリケーション層」、第 4 章「トランスポート層」、第 5 章「ネットワーク層」、第 6 章「データリンク層と物理層」と、利用者に近い上の層から配線に近い下の層へ順に降りていきます。第 7 章「ルーティング」でネットワークどうしをつなぐ経路の話題を、第 8 章「セキュリティ」で守りの話題を扱い、付録で締める構成です。版元の紹介文によれば、この第 2 版は旧版を見直して各種の記述を改め、IPv6 などの新しい要素を盛り込み、ファイアウォールなどのセキュリティの話題にも触れています。

層で分けて考える意味、TCP/IP を絵で学ぶ効き目

TCP/IP を学ぶうえで最初に越えるべき壁は、通信が一枚岩ではなく、役割の異なる層の積み重ねで成り立っていると理解することです。アプリケーション層はブラウザやメールソフトが相手とやり取りする内容の形式を決め、トランスポート層はそのデータをどのアプリケーションに届けるかを ポート番号 で区別しながら、届いたことを確認して順番を保証する TCP か、確認を省いて速さを優先する UDP かを担います。ネットワーク層は IP アドレスを使って別のネットワークにいる相手までパケットを運び、データリンク層と物理層はケーブルや無線の上で隣の機器までビットを送り届けます。この分担があるからこそ、Wi-Fi でも有線でも同じ Web サイトが開き、アプリケーションを作る人は配線の種類を意識せずに済みます。本書のように各層を章ごとに絵で追う構成は、読者に「どの層の話をしているのか」を常に意識させる点で、用語を丸暗記するより長く残る理解につながります。

改訂版で盛り込まれた IPv6 と、セキュリティの話題

IPv6 は、IPv4 のアドレスの不足に対応するために設計された次の世代の IP で、アドレスの空間を大きく広げ、表記の見た目も IPv4 とは大きく異なります。仕組みの根幹である「アドレスで相手を特定し、経路を選んでパケットを運ぶ」という考え方は変わらないため、IPv4 で層の役割を理解していれば IPv6 は差分として学べます。改訂版がこの話題を盛り込んだことで、入門の段階から IPv6 の存在を知った上でアドレスの考え方を学べます。セキュリティについても同じことが言え、ファイアウォールが IP アドレスやポート番号といったどの層の情報を見て通信を許可し、あるいは遮断するのかは、層の分担を知っていれば自然に理解できます。第 8 章が最後に置かれているのは、第 1 章から第 7 章で積み上げた層の知識をセキュリティの文脈で使う配置と読めます。

予備知識ゼロで読める前提と、絵本シリーズが向かない人

版元は予備知識を不要とし、「ネットワークってなんだろう」から説明すると案内しています。翔泳社の絵本シリーズ自体も、豊富なイラストと簡潔な解説でコンピュータ技術に入門できる初心者向けのシリーズで、言語や技術の超初心者、手軽に習得したい人に向けたものと位置づけられており、『C の絵本』『Java の絵本』を皮切りにラインナップが刷新されてきました。その一方で、基礎に絞り込んだ内容と版元が説明しているとおり、プロトコルの詳細な仕様や機器の設定手順を求める読者にとって、本書は入口であって到達点ではありません。資格試験の出題範囲を網羅する目的や、コマンドを打ちながら検証する実務演習を期待する読者には、本書で全体像をつかんだ後に厚い教科書や実務書へ進む二段構えが適切です。

読み終えたときに手に入るのは、IP アドレスとポート番号の違い、ネットワーク層とトランスポート層の役割の分担、ルーティングとは何をすることなのかを、絵として頭に残した状態で自分の言葉で説明できる力です。ネットワークの部署に配属されたばかりの人、Web サービスの運用や開発で通信の用語が飛び交う会議に戸惑っている人、厚い教科書で一度挫折した人には、投じた時間に対して得られる見通しの良さが大きい一冊です。次の一冊を選ぶときの段階分けは ネットワーク本の選び方 も参考にしてください。

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