わかばちゃんと学ぶ サーバー監視

ワカバチャントマナブサーバーカンシ

わかばちゃんと学ぶ サーバー監視の表紙
クラウド / インフラ / DevOps
著者:
湊川あい(ミナトガワアイ)
出版社:
シーアンドアール研究所
出版日:
2020年12月22日頃
ISBN:
9784863543218
在庫:
在庫あり
4(2 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
サーバー監視マッカーエルモニタリング初心者向け実践学習マンガ学習システム管理リソース監視パフォーマンス監視IT 監視ツール

なぜ注目されているか

総合674位 ↑ 2 ランクアップ 言及 4 件・うち記事 2 件を掲載
言及数
814位

書籍紹介

初心者でも監視のいろはがわかる! Mackerel で始めるモダンな監視。マンガ+実践でサーバー監視がよくわかる!

技書の森解説

監視はいつか学んだほうがよいと思いながら、難しそうで後回しにしてきた人に向けて、マンガと図解で監視の考え方から監視ツールの導入までを通して解説した本です。『わかばちゃんと学ぶ サーバー監視』 (湊川あい 著、粕谷大輔 監修、シーアンドアール研究所、2020 年 12 月刊) は『わかばちゃんと学ぶ』シリーズの一冊で、版元は初心者を対象とし、インフラの前提知識がなくても読めると案内しています。前半で監視の目的と考え方を固め、後半ではサーバー監視サービスの Mackerel を実際に導入しながら、アラートの設定やクラウド環境での監視まで手を動かして確かめる構成です。

全 9 章と付録、監視の目的から Mackerel の実践まで

目次は全 9 章と付録で構成され、どの章も最後の節がその章のまとめになっています。第 1 章「そもそも監視って何? なぜ必要なの?」は、サーバー監視とは何か、監視の本当の目的は何か、サーバーが重い、軽いとはどういうことかを確かめ、ユーザー視点のもっとも簡単な監視を試すところから始まります。第 2 章はクラウド時代の監視を扱い、サーバーをペットと家畜にたとえる話題と、モノリシック・アーキテクチャとマイクロサービス・アーキテクチャを取り上げます。続く第 3 章「監視のあるある問題と、解決するための考え方」、第 4 章「統計の基本を学ぼう」、第 5 章「監視ツールの選び方」までが考え方の部分です。第 6 章「Mackerel で監視を始めよう」から第 8 章「クラウド環境に Mackerel を導入してみよう」までが実践の部分で、Mackerel の仕組みと導入、システムメトリックの確認、アラートの設定、はてなでの実例、公式プラグインの利用とプラグインの自作、Amazon Web Services や Microsoft Azure との連携、Docker の監視を扱います。第 9 章はオブザーバビリティとその成熟度を取り上げ、付録「Mackerel であそぼう!」では部屋の温度を監視して暑くなったら LINE に通知する例が紹介されています。

平均だけでは見えない遅さと、使い捨てのサーバーを監視する考え方

監視を学ぶ最初の段階で統計の基本を押さえることには、実務上の意味があります。応答時間を平均だけで眺めると、大多数の速い応答に一部の極端に遅い応答が埋もれ、利用者が感じている遅さがグラフに現れません。中央値やパーセンタイル値を見れば、遅い側の何割の利用者がどれだけ待たされているかを数字で捉えられ、標準偏差はばらつきの大きさを示します。アラートのしきい値をどの指標に掛けるかで、鳴るべき時に鳴らない監視にも、鳴りすぎて誰も見なくなる監視にもなり得るため、この基礎は道具を選ぶ前に押さえておく価値があります。もう一つの背景は、クラウドでサーバーを使い捨てにする運用が広がったことです。1 台ずつ名前を付けて世話をするサーバーを ペットと家畜 のたとえでいう家畜として扱うようになると、特定の 1 台が生きているかよりも、サービス全体が利用者に応えられているかを見る必要が出てきます。さらに、あらかじめ決めた項目を見張るだけでは原因の分からない障害に向き合うために、システムの内部の状態を外から問い直せるようにしておく オブザーバビリティ という考え方が求められるようになりました。

Mackerel で手を動かしたい人に向く理由と注意点

監修の粕谷大輔は、刊行時の版元の紹介によれば、はてなでサーバー監視サービス Mackerel の開発に携わり、同チームのディレクターを務めていた人物で、第 6 章には、はてなでの実例を紹介する節もあります。実践の章で使う道具は Mackerel なので、エージェントを入れたサーバーのメトリックを眺め、アラートを設定し、プラグインを自作するところまでを一つの道具で通して経験できます。一方で、別の監視ツールの設定手順を詳しく学びたい人には目的が合いません。第 5 章で監視ツールの選び方は扱いますが、手を動かす章で導入する道具は Mackerel です。また本書は 2020 年 12 月の刊行で、Mackerel の画面やクラウドとの連携の手順はその時点のものなので、実際に導入する際は Mackerel の公式のヘルプと見比べながら進める必要があります。

監視の担当を任されたばかりで何から見ればよいか分からない人や、開発者としてサービスの状態を自分の目で確かめられるようになりたい人にとって、監視の目的と統計の基礎から実際のアラート設定までを一冊で通せる本書は、監視の全体像と最初の実践を同時に手に入れられる一冊です。インフラやクラウドの学び方をほかの本も含めて考えたい場合は、インフラとクラウドの技術書の選び方 もあわせて参考にしてください。

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