サイトリライアビリティワークブック

サイトリライアビリティワークブック

SRE の実践方法

サイトリライアビリティワークブックの表紙
プログラミング
著者:
Betsy Beyer / Niall Richard Murphy / David K. Rensin / Kent Kawahara / Stephen Thorne / 澤田 武男(ベッツィ ベイヤー / ナイル リチャード マーフィー / デビッド レンシン / ケント カワハラ / ステファン ソーン / サワダ タケオ)
出版社:
オライリー・ジャパン
出版日:
2020年06月16日頃
ISBN:
9784873119137
在庫:
在庫あり
5(1 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
プログラミングSREサイトリライアビリティエンジニアリングシステム運用オペレーション信頼性エンジニアリング組織設計パフォーマンスチューニング障害対応事例研究

なぜ注目されているか

言及数
335位
総合407位 ↑ 5 ランクアップ 言及 9 件・うち記事 8 件を掲載
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書籍紹介

SRE を組織で実践するためのノウハウを網羅し、事例を数多く紹介!
SRE の考え方や原則を組織に導入するための具体的な方法を事例とともに解説する書籍です。既刊書の『SRE サイトリライアビリティエンジニアリング』は SRE の考え方について理論を中心に書いた本でしたが、本書 Workbook はそれとペアになる実践編として書かれた書籍です。Google 内の事例だけでなく、Evernote、The Home Depot、New York Times などを掲載。

技書の森解説

SRE の原則を読んだあと、自分たちの組織で何から始めればよいのかという問いに答える本です。『サイトリライアビリティワークブック』 (Betsy Beyer、Niall Richard Murphy、David K. Rensin、Kent Kawahara、Stephen Thorne 編、澤田武男、関根達夫、細川一茂、矢吹大輔 監訳、玉川竜司 訳、オライリー・ジャパン、2020 年 6 月 15 日発行) は、原書 The Site Reliability Workbook の日本語版で、副題は「SRE の実践方法」です。版元は本書を、既刊書『SRE サイトリライアビリティエンジニアリング』の実践編であり副読本でもある本と位置づけ、SRE を組織やプロジェクトに導入する時に必要な具体的な方法や手順を解説すると案内しています。Google 内部で得た技術的なノウハウに加えて、Evernote、The Home Depot、New York Times などの企業の事例を紹介している点も版元が挙げる特徴です。

全 21 章を基礎、実践、プロセスの 3 部に分けた構成

1 章「SRE と DevOps との関係」で両者の背景と比較を整理したあと、本文は 3 部に分かれます。第 Ⅰ 部「基礎」は SLO の実装、SLO エンジニアリングのケーススタディ、モニタリング、SLO に基づくアラート、トイルの撲滅、単純さの 6 章です。第 Ⅱ 部「実践」はオンコール、インシデント対応、ポストモーテムの文化、負荷の管理、非抽象的な大規模システム設計、データ処理パイプライン、設定の設計と詳細、カナリアリリースの 9 章で、日々の運用で判断を迫られる場面が並びます。第 Ⅲ 部「プロセス」は過負荷の特定と回復、SRE のエンゲージメントモデル、SRE チームのライフサイクル、IT 変更管理など 5 章で、SRE を組織として回していく段階を扱います。巻末には付録として SLO ドキュメントの例、エラーバジェットポリシーの例、ポストモーテム分析の結果の 3 本が付いています。

SLO とエラーバジェットを起点に据える理由

第 Ⅰ 部が SLO の実装から始まるのは、SRE の多くの判断がこの数値を基準に組み立てられるからです。SLI と SLO は、利用者から見たサービスのよさを何で測り、どこまでを合格とするかを決める指標です。目標を 100 % にしないことで、許容できる失敗の量が エラーバジェット として残り、その残量を見て新機能の公開を進めるか、信頼性の作業を優先するかを決められます。本書の 2 章には信頼性のターゲットとエラーバジェット、何を計測するかという SLI の利用の節があり、5 章では SLO に基づいてアラートを組む方法に進みます。付録 A と付録 B が SLO ドキュメントとエラーバジェットポリシーの例であることからも、指標の考え方を社内の合意文書にまで落とし込むことを重視した構成と読めます。人手で繰り返す運用作業を指す トイル を減らすことも基礎に含まれ、6 章はトイルとは何か、その計測と分類、管理の戦略を扱い、データセンター内のトイルを自動化で減らした事例を含むケーススタディを置いています。

Google 以外の事例が並ぶ実践編、向く読者と注意点

事例は Google の外にも広がっています。3 章は Evernote と Home Depot の SLO の物語、13 章はデータ処理パイプラインのケーススタディとして Spotify、21 章は Waze のスケーリングを例にアドホックな変更から計画された変更への移行を取り上げ、New York Times の SRE のエンゲージメントを扱うコラムもあります。版元は本書を、SRE を導入し実践したい開発者、運用管理者、マネージャー向けの一冊と案内しています。既刊書の実践編であり副読本という位置づけなので、原則の説明を厚く読みたい人は既刊書と組み合わせると理解がつながります。一方、目次の章題は特定の監視製品やクラウドの操作ではなく、考え方と事例で並んでいるため、ツールの設定手順を探している場合は製品の資料が別に要ります。運用の自動化や CI/CD まで含めた本の選び方は DevOps 本ガイド にまとめています。SLO を決めたいが社内でどう合意を取ればよいか分からない、オンコールやポストモーテムを形だけでなく機能させたいという段階のチームにとっては、付録の文書例まで含めてそのまま議論の叩き台にできる一冊です。

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