情報処理エンジニア職業ガイド

ジョウホウ ショリ エンジニア ショクギョウ ガイド

プログラマ・IT エンジニア・SE のためのキャリアデ

情報処理エンジニア職業ガイドの表紙
エンジニアのキャリア / 思考
著者:
豊沢聡 / 大間哲(トヨサワ, サトシ / オオマ, テツ)
出版社:
カットシステム
出版日:
2019年08月
ISBN:
9784877834630
在庫:
在庫あり
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なぜ注目されているか

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言及数
765位

技書の森解説

コンピュータにかかわる仕事と聞いて思い浮かぶ職名がプログラマとシステムエンジニアで止まってしまうなら、その先を埋めるのが『情報処理エンジニア職業ガイド』 (豊沢聡 / 大間哲 共著、加藤ゆきの イラスト、カットシステム、2019 年 8 月刊) です。副題は「プログラマ・IT エンジニア・SE のためのキャリアデザイン」で、コンピュータソフトウェアエンジニアリングにかかわる約 120 種の職を、具体的な求人例を引きながら、職務内容と必要な技能という同じ枠で紹介するハンドブックです。版元の説明によれば、参考にしている求人例は米国を中心とした英語圏のもので、日本の職種名を並べた本ではないことが最初に押さえておきたい特徴です。判型は A5 判です。

全 6 章と付録 4 本の構成、ソフトウェア工学からキャリアデザインの実践まで

構成は全 6 章に付録 4 本が付く形です。第 1 章のソフトウェア工学ではソフトウェア開発者を一般と対象別に分け、ウェブ開発者、デジタル信号処理エンジニア、グラフィックスエンジニア、開発工程管理へと続きます。第 2 章の情報システムは営業エンジニア、フィールドエンジニア、データベースエンジニア、エンタープライズソフトウェアエンジニア、アナリスト、コンサルタント、スペシャリスト、第 3 章の情報技術はオペレータ、システム管理者、技術サポートエンジニアという運用寄りの職を扱います。第 4 章のコンピュータ科学は基礎系 / 応用系 / 複合系の三つに分かれ、第 5 章では技術マネージャ、文書 / デザイン、教育、法務といった周辺の職がまとめられています。第 6 章のキャリアデザインの実践は、キャリアデザインとは何かから、その実践、コンピュータ関連職のキャリアパス、キャリア相談までを扱い、付録 A の認定資格、付録 B の雇用形態、付録 C の特典、付録 D のキャリアデザインツールキットが本文を補います。

求人例で職を分解する意義と、英語圏の区分を読むときの前提

職名は会社ごとに揺れるため、名前だけを比べても仕事の中身は見えません。求人票に書かれた職務内容と必要な技能に落として比較すると、呼び名が違っても同じ仕事、同じ呼び名でも別の仕事が判別できるようになります。本書は各職に職務内容と必要な技能を示す形をとっているので、この比較をそのまま行えるのが実用上の強みです。章立ての土台になっているソフトウェア工学 / 情報システム / 情報技術 / コンピュータ科学という四つの区分は、コンピューターサイエンス を含む計算機分野の学問区分と重なる整理で、英語圏では職名がこの区分に沿って細かく分かれる傾向があります。一方で、日本で広く使われる SE という括りは英語圏の職名と一対一で対応しないので、本書の職を読むときは自分の会社の肩書きではなく、求められる技能の側から照合するのが正しい使い方です。また求人例は 2019 年の刊行時点のものなので、SRE のように 2010 年代に広がった職名の扱いや、刊行後に生まれた職名の有無はその時点を前提に読む必要があります。付録の認定資格や雇用形態も同様に、刊行時点の情報として参照するのが安全です。

学生 / エンジニア / 就職支援者それぞれの使い方と向かない人

版元が挙げる読者は、ソフトウェア業界に進みたいが仕事の具体像がつかめない学生、次のステップを模索しているエンジニア、教育機関で就職支援をする教職員や就職センター、キャリアコンサルタント、そして先駆的な人事制度やポジションを検討するコンピュータ関連企業の人事担当です。元が取れるのは、進路や転職を考える際に候補となる職を他の職と対照しながら調べたい人、あるいは学生や部下のキャリア相談に応じる立場で、職ごとに求められる技能と経歴の相場を手元に置きたい人です。前提知識は特に要らず、通読よりも辞書のように引く使い方に向いています。向かないのは、日本国内の特定企業の採用動向や年収相場を知りたい人、特定の技術を学ぶ教科書を求めている人、日本語の求人票の読み方だけを知りたい人で、これらは本書の範囲外です。

自分の目の前の求人が約 120 種の中でどこに位置し、隣にどんな職があるのかを一覧できる本は多くありません。英語圏の区分で書かれていることを承知のうえで読めば、職を選ぶ側にも選ばせる側にも、キャリアデザインの実践に使える地図として長く手元に残る一冊です。

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