インテリジェンス用語事典の表紙

インテリジェンス用語事典(インテリジェンスヨウゴジテン)

セキュリティ
著者:
川上 高司/樋口 敬祐/上田 篤盛/志田 淳二郎(カワカミ タカシ/ヒグチ ケイスケ/ウエダ アツモリ/シダ ジュンジロウ)
出版社:
並木書房
出版日:
2022年02月15日頃
ISBN:
9784890634170
在庫:
在庫あり
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初級者向け
セキュリティサイバーセキュリティインテリジェンス情報分析スパイ情報機関用語事典防衛情報セキュリティ国家安全保障

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書籍紹介

高校では「情報科」が必修科目となり、 2025 年の大学入学共通テストからは「情報」が出題教科に追加される。
しかし、日本における「情報」に関する認識は低い。日本語の「情報」は、英語のインフォメーションとインテリジェンスの訳語として使われているため、両者の意味が混在しているが、欧米の有識者の間では明確に区別されている。状況を正しく判断して適切な行動をするには、インテリジェンスの知識は欠かせない。

自衛隊情報分析官を長く務めた専門家らが中心となり、インテリジェンスの業界用語・隠語、情報分析の手法、各国の情報機関、主なスパイおよび事件、サイバーセキュリティ関連用語など、インテリジェンスを理解するための基礎知識を多数の図版をまじえて 1040 項目収録。

わが国初のインテリジェンス用語事典!

技書の森解説

『インテリジェンス用語事典』 (川上高司 監修、樋口敬祐・上田篤盛・志田淳二郎 著、並木書房、 2022 年 2 月刊) は、国家や軍事の分野で使われるインテリジェンス、つまり収集した情報を分析・評価して判断材料に仕上げる営みに関する用語を日本語で引けるようにした事典です。分類上は政治・国防軍事の事典に置かれる本で、プログラミングやシステム構築を扱う IT 書ではありません。それでも本サイトで取り上げるのは、収録範囲にサイバーセキュリティ関連用語が含まれ、脅威の分析や情報の評価という語彙が IT のセキュリティ業務にも流れ込んでいるためです。版元は本書を「わが国初のインテリジェンス用語事典」と掲げています。

情報分析の手法から各国の情報機関、サイバー用語まで 1040 項目

版元の案内によれば、収録対象はインテリジェンスの業界用語と隠語、情報分析の手法、各国の情報機関、主なスパイおよび事件、サイバーセキュリティ 関連用語などで、インテリジェンスを理解するための基礎知識を多数の図版をまじえて 1040 項目収録しています。四六判で持ち歩ける大きさに、文献一覧と索引を備えた体裁です。版元が刊行の背景として挙げるのは、高校で「情報科」が必修となり、 2025 年の大学入学共通テストから「情報」が出題教科に加わるという教育側の動きと、それに比して日本での「情報」に関する認識が低いという問題意識です。

監修の川上高司と、自衛隊情報分析官を務めた著者陣

刊行時のプロフィールによれば、監修の川上高司氏は拓殖大学教授で、防衛庁防衛研究所主任研究官などを経た国際政治・安全保障の研究者です。著者の樋口敬祐氏は元防衛省情報本部分析部主任分析官で、 1979 年に陸上自衛隊に入隊し、 1995 年の統合幕僚会議事務局勤務以降は情報関係職に従事して 2020 年に定年退官しました。上田篤盛氏も防衛省情報分析官や陸上自衛隊情報教官を務めて 2015 年に定年退官し、刊行時は株式会社ラックのナショナルセキュリティ研究所でシニアコンサルタントを務め、『戦略的インテリジェンス入門』『武器になる情報分析力』 (いずれも並木書房) などの著書があります。志田淳二郎氏は名桜大学准教授で、米国外交史、国際政治学、安全保障論を専門とし、『ハイブリッド戦争の時代』 (並木書房) の著者でもあります。実務で情報分析に携わった二人と研究者二人が組んだ執筆陣で、版元が「自衛隊情報分析官を長く務めた専門家らが中心」と紹介する根拠がここにあります。

インフォメーションとインテリジェンスの区別、 IT の現場での使いどころ

版元が冒頭に据える問題設定は、日本語の「情報」が英語のインフォメーションとインテリジェンスの両方の訳語として使われ、両者の意味が混在している点です。前者は集めたままの素材、後者はそれを評価・分析して意思決定に使える形に仕上げたもので、この区別を前提に、収集から分析、配布までの過程や、情報源の信頼性と内容の確度を分けて評価する考え方が体系化されてきました。 IT のセキュリティ運用で使われる脅威インテリジェンスや公開情報の収集と分析、攻撃者の帰属といった言葉は、この国家インテリジェンスの語彙を借りて成立しており、英語の脅威レポートに並ぶ用語の由来を確かめたいとき、日本語で体系的に引ける参照資料があることには意味があります。ただし本書はサイバー攻撃の技術用語を網羅する専門事典ではなく、マルウェア解析や脆弱性の分類を引きたい人には別のセキュリティ用語集が要ります。

用語事典という体裁上、最初から読み通すより、報道や報告書、小説で出会った語をその場で引き、周辺の項目へ広げていく使い方が本来の力を発揮します。 2022 年時点の情勢を前提に編まれているため、その後の組織改編や事件は載っていない点は承知しておく必要があります。安全保障や国際政治を学ぶ人、脅威インテリジェンスの報告書を読む機会があるセキュリティ担当者、そして「情報」という言葉の二つの顔を正確に使い分けたい人にとって、実務経験者と研究者が組んで用語を定義した本書は、手元に置いて元が取れる一冊です。

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