図解即戦力 暗号と認証のしくみと理論がこれ 1 冊でしっかりわかる教科書

ズカイソクセンリョクアンゴウトニンショウノシクミトリロンガシッカリワカルキョウカショ

図解即戦力 暗号と認証のしくみと理論がこれ 1 冊でしっかりわかる教科書の表紙
ネットワーク
著者:
光成滋生(ミツナリシゲオ)
出版社:
技術評論社
出版日:
2021年09月24日頃
ISBN:
9784297123079
在庫:
在庫あり
4.29(8 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
暗号認証TLSHTTPブロックチェーン公開鍵暗号署名秘密計算ゼロ知識証明量子コンピューター

なぜ注目されているか

総合399位 ↑ 6 ランクアップ 言及 3 件
言及数
669位

書籍紹介

テレビ会議やリモートワークが普及する中、情報を守る暗号や本人確認のための認証技術の重要性が増しています。本書は公開鍵暗号や署名などの理論を基礎から詳しく解説し、TLS1.3 や HTTP/3、FIDO などの新しい技術も紹介します。更にブロックチェーンで注目されている秘密計算、ゼロ知識証明、量子コンピュータなど最先端の話題も扱います。

技書の森解説

HTTPS の鍵マークの裏で動く TLS や、ログインを支えるパスワードと署名の仕組みを、暗号の部品から順に組み立てて理解したい人のための教科書です。『図解即戦力 暗号と認証のしくみと理論がこれ 1 冊でしっかりわかる教科書』 (光成滋生 著、技術評論社) は、図解即戦力シリーズの 1 冊として刊行されました。刊行は NDL の書誌で 2021 年 10 月、版元が示す紙の本の発売日は 2021 年 9 月 24 日です。版元の概要は、公開鍵暗号や署名などの理論を基礎から詳しく解説し、TLS 1.3 や HTTP/3、FIDO などの新しい技術も紹介すると説明しています。おすすめの読者として挙げられているのは、暗号と認証の基礎を学習したい人と、Web 担当者やセキュリティ担当者などです。

全 9 章 48 項目の構成、古典暗号から TLS と量子コンピューターまで

目次は 1 章から 9 章までの全 9 章で、01 から 48 までの通し番号が付いた項目に分かれています。1 章「暗号の基礎知識」は情報セキュリティの三要素から始まり、パスワードによる認証、認可と OAuth、シフト暗号などの古典暗号までを並べ、2 章「アルゴリズムと安全性」で O 記法やセキュリティパラメーター、暗号技術の危殆化を押さえます。3 章「共通鍵暗号」は排他的論理和と乱数、ワンタイムパッドを足場に、ChaCha20 を含むストリーム暗号、AES のブロック暗号、ECB と CBC と CTR の暗号化モード、XTS-AES によるディスクの暗号化へ進みます。4 章「公開鍵暗号」は DH 鍵共有と有限体、RSA 暗号、楕円曲線暗号、中間者攻撃を扱い、OpenSSL で RSA 暗号の鍵を作って Python で動作を確かめる項目もここに置かれています。5 章「認証」にはハッシュ関数、SHA-2 と SHA-3、SHA-1 の衝突、メッセージ認証符号、ECDSA や FIDO を含む署名、サイドチャネル攻撃、タイムスタンプ、ブロックチェーンとビットコインが入ります。後半は 6 章「公開鍵基盤」、7 章「TLS」、8 章「ネットワークセキュリティ」と応用の場面に移り、8 章では DNS と DNSSEC、メール、VPN と IPsec、HTTP/3 と QUIC、無線 LAN の WPA3 までが項目に並びます。9 章「高機能な暗号技術」は準同型暗号、秘密計算、ゼロ知識証明、量子コンピューターを取り上げ、量子コンピューターの項目には耐量子計算機暗号も含まれます。

暗号の部品が TLS に組み上がる関係を一続きで追う

暗号の学習で迷いやすいのは、共通鍵暗号、公開鍵暗号、ハッシュ 関数、メッセージ認証符号、署名といった部品を個別に覚えても、それらが実際の通信でどう組み合わさるのかが見えにくい点です。たとえば HTTPS を支える TLS では、鍵共有で通信ごとの鍵を決め、署名とサーバー証明書で相手が本物かを確かめ、認証付き暗号で中身の秘匿と改竄の検出を同時に行います。どれか 1 つが欠けると、暗号化されていても相手がすり替わっている、あるいは中身を読まれなくても書き換えられる、といった穴が残ります。本書の目次は、部品を扱う 3 章から 5 章のあとに、サーバー証明書 の失効や証明書の透明性を扱う 6 章「公開鍵基盤」、認証付き暗号と前方秘匿性を含む 7 章「TLS」を置いており、前半で覚えた部品が後半の仕組みの中でどこに使われているかを確かめられる並びと読めます。2 章に暗号技術の危殆化があり、5 章に SHA-1 の衝突が独立した項目として入っている点も、安全とされたアルゴリズムが時間とともに使えなくなるという、運用側が見落としやすい事情に目を向けさせる配置です。

知識ゼロを掲げるシリーズで、数式の項目と応用の項目の両方を持つ

シリーズ名には、豊富な図解と丁寧な解説で知識ゼロでもわかりやすいという添え書きが付いています。一方で、目次には有限体と拡大体、楕円曲線の加算公式、ECDHP と ECDLP のように、数学の言葉で安全性の根拠を説明する項目も並んでいます。式を追うのが苦手でも、その項目が何を保証しようとしているのかをつかめば、6 章以降の公開鍵基盤や TLS の説明は読み進められる構成と読めます。著者は、版元のプロフィールによると、サイボウズ・ラボで暗号とセキュリティに関する研究開発に従事し、ペアリング暗号や BLS 署名のライブラリを開発してきた人物です。目次の項目名でコードの道具が出てくるのは 4 章の OpenSSL と Python の項目で、暗号ライブラリを使ったアプリケーションの実装手順を章ごとに追う本を探している人には、目的がずれる可能性があります。

証明書の更新や暗号スイートの設定を任される Web 担当者、パスワードの保存方法や FIDO の仕組みを説明できるようになりたいセキュリティ担当者、ブロックチェーンや秘密計算といった話題の土台を一度整理したい開発者にとって、古典暗号から耐量子計算機暗号までを 1 冊の目次で見渡せる本書は、手元で何度も開き直す価値のある選択肢です。セキュリティの分野で次に読む本を考えるときは、セキュリティ技術書の選び方 も合わせて眺めると、本書をどこに位置づけるかが決めやすくなります。

言及した記事 (3 件)

この本に興味がある方におすすめ

関連する本

関連記事

関連用語

共有: